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ナイスアイディア!
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<side卓>
「こうして二人でランチに行くのも久しぶりだな」
「そうだね。なんかちょっとドキドキする」
うっとりとした目で見つめられて私もドキドキする。
直くんと昇と一緒に過ごすのがすっかり日常になった今、絢斗との二人っきりの時間はなんだかとても尊く感じられる。
まるで付き合いたてのあの頃を思い出させてくれる。
実家からほど近い場所にあるカフェは、十年ほど前にできた。
周りの店から見れば新参者になるだろうが、古くからの住人に気に入られて今ではなくてはならない存在となっている。
カフェの駐車場に車を止め中に入ると、すぐに店主が駆け寄ってくる。
彼のその表情が明るくて私たちが来たことを喜んでいるようで嬉しい。
「お久しぶりですね。最近お姿を拝見していなかったので心配していたんですよ」
「心配かけてしまって申し訳なかったね。最近少し忙しかったんだ」
「その表情から察するに嬉しいことですか?」
「ははっ。さすがだな。実は新しい家族を迎えてね。可愛い息子との時間を過ごすのに忙しかったんだ。中学生の子だが本当に可愛いんだよ」
「――っ!! それは素晴らしいですね。お父さまもお喜びでいらっしゃるでしょう?」
「ああ。今も父に息子を預けていてね。可愛がってくれているよ。すっかりメロメロのおじいちゃんになっているよ」
「あのお父さまが、メロメロに? それは嬉しいですね」
父もこのカフェの常連だが、いつも窓際に座ってコーヒーを飲み、ゆっくりと本を読むのが好きだから、店主は寡黙な父しか知らないだろう。息子の私でさえ、驚いたくらいだ。直くんと一緒の父を見たら腰を抜かすかもしれないな。
「麻也、クラブハウスサンドできたぞ」
「あ、ごめん。すぐに運ぶね」
キッチンから出てきたのは、このカフェの共同経営者で料理を担当している祥太郎くん。
二人は私と絢斗と同じく同性のカップルだ。
最初からそれを隠すことなくやっていたのが驚きもあったが、昔ながらの男前という言葉が似合う祥太郎くんと可愛らしく気立てのいい麻也くんの互いに思いやる自然な姿に好感を持たない人はいなかった。
二人の醸し出す穏やかな空気感が好きで、ここに通う人が多くなっていった。
「磯山先生、絢斗さん。お久しぶりです。お好きな席にどうぞ」
「ありがとう。祥太郎くん、おすすめランチを二つ頼むよ」
「はい。おすすめランチですね」
笑顔でキッチンに戻っていく彼を見送り、私たちはいつもの席に腰を下ろした。
すぐに麻也くんが水とカトラリーを持ってきてくれる。
「今度、その可愛い息子さんも連れてきてくださいよ」
「うん。そうだね。麻也くんの後輩になる子だから、仲良くしてあげて」
「えっ? 桜守なんですか?」
「一緒のところに行きたいって言ってくれたんだよ」
「わぁー、それはますます会えるのが楽しみです」
笑顔で返す絢斗に麻也くんは嬉しそうに笑ってテーブルから離れていった。
「そういえば、桜守の編入試験までちょうど二週間か。直くんの調子はどうだ?」
「このままなら余裕で合格できると思うよ。あとは本番で緊張せずに自分の実力が出せるかどうかかな」
「そうか。何か頑張れる……お守りのようなものがあれば安心かもしれないな」
「そっか……お守り……昇くんからもらったあのぬいぐるみたちはおっきいから持っていけないもんね。何か小さいもの、か……何かいいアイディア、ないかなぁ……」
学業のお守りを買ってきても、直くんには合格のプレッシャーを与えるだけかもしれないな。
「卓さん、ちょっと秀吾くんに相談してみる!!」
いい考えとばかりに絢斗はスマホを取り出して、榊くんにメッセージを送った。
それからしばらくして絢斗のスマホが鳴り、二人でメッセージを確認すると
<直くんが安心できるように、昇くんがいつも使っているシャーペンとか、ハンカチとか持たせるのはどうですか? 僕も大事な試験の時は将臣の私物を借りて使ってましたけど、結構安心しますよ>
なんとも可愛らしい答えが返ってきた。
「ああー、これいいかも!! 確かに私も論文発表の時に卓さんのネクタイ借りたけどすっごく安心したもん」
「ははっ。絢斗がいうなら間違いないな。じゃあ、昇にも話しておこう」
<すっごくいいアイディアありがとう!! 早速使わせてもらうよ! 直くんの編入試験が終わったら秀吾くんと周防くんにもお礼がてら直くんを紹介するね>
絢斗がメッセージと可愛いスタンプを送ると、ちょうどいいタイミングでランチが運ばれてきた。
「こうして二人でランチに行くのも久しぶりだな」
「そうだね。なんかちょっとドキドキする」
うっとりとした目で見つめられて私もドキドキする。
直くんと昇と一緒に過ごすのがすっかり日常になった今、絢斗との二人っきりの時間はなんだかとても尊く感じられる。
まるで付き合いたてのあの頃を思い出させてくれる。
実家からほど近い場所にあるカフェは、十年ほど前にできた。
周りの店から見れば新参者になるだろうが、古くからの住人に気に入られて今ではなくてはならない存在となっている。
カフェの駐車場に車を止め中に入ると、すぐに店主が駆け寄ってくる。
彼のその表情が明るくて私たちが来たことを喜んでいるようで嬉しい。
「お久しぶりですね。最近お姿を拝見していなかったので心配していたんですよ」
「心配かけてしまって申し訳なかったね。最近少し忙しかったんだ」
「その表情から察するに嬉しいことですか?」
「ははっ。さすがだな。実は新しい家族を迎えてね。可愛い息子との時間を過ごすのに忙しかったんだ。中学生の子だが本当に可愛いんだよ」
「――っ!! それは素晴らしいですね。お父さまもお喜びでいらっしゃるでしょう?」
「ああ。今も父に息子を預けていてね。可愛がってくれているよ。すっかりメロメロのおじいちゃんになっているよ」
「あのお父さまが、メロメロに? それは嬉しいですね」
父もこのカフェの常連だが、いつも窓際に座ってコーヒーを飲み、ゆっくりと本を読むのが好きだから、店主は寡黙な父しか知らないだろう。息子の私でさえ、驚いたくらいだ。直くんと一緒の父を見たら腰を抜かすかもしれないな。
「麻也、クラブハウスサンドできたぞ」
「あ、ごめん。すぐに運ぶね」
キッチンから出てきたのは、このカフェの共同経営者で料理を担当している祥太郎くん。
二人は私と絢斗と同じく同性のカップルだ。
最初からそれを隠すことなくやっていたのが驚きもあったが、昔ながらの男前という言葉が似合う祥太郎くんと可愛らしく気立てのいい麻也くんの互いに思いやる自然な姿に好感を持たない人はいなかった。
二人の醸し出す穏やかな空気感が好きで、ここに通う人が多くなっていった。
「磯山先生、絢斗さん。お久しぶりです。お好きな席にどうぞ」
「ありがとう。祥太郎くん、おすすめランチを二つ頼むよ」
「はい。おすすめランチですね」
笑顔でキッチンに戻っていく彼を見送り、私たちはいつもの席に腰を下ろした。
すぐに麻也くんが水とカトラリーを持ってきてくれる。
「今度、その可愛い息子さんも連れてきてくださいよ」
「うん。そうだね。麻也くんの後輩になる子だから、仲良くしてあげて」
「えっ? 桜守なんですか?」
「一緒のところに行きたいって言ってくれたんだよ」
「わぁー、それはますます会えるのが楽しみです」
笑顔で返す絢斗に麻也くんは嬉しそうに笑ってテーブルから離れていった。
「そういえば、桜守の編入試験までちょうど二週間か。直くんの調子はどうだ?」
「このままなら余裕で合格できると思うよ。あとは本番で緊張せずに自分の実力が出せるかどうかかな」
「そうか。何か頑張れる……お守りのようなものがあれば安心かもしれないな」
「そっか……お守り……昇くんからもらったあのぬいぐるみたちはおっきいから持っていけないもんね。何か小さいもの、か……何かいいアイディア、ないかなぁ……」
学業のお守りを買ってきても、直くんには合格のプレッシャーを与えるだけかもしれないな。
「卓さん、ちょっと秀吾くんに相談してみる!!」
いい考えとばかりに絢斗はスマホを取り出して、榊くんにメッセージを送った。
それからしばらくして絢斗のスマホが鳴り、二人でメッセージを確認すると
<直くんが安心できるように、昇くんがいつも使っているシャーペンとか、ハンカチとか持たせるのはどうですか? 僕も大事な試験の時は将臣の私物を借りて使ってましたけど、結構安心しますよ>
なんとも可愛らしい答えが返ってきた。
「ああー、これいいかも!! 確かに私も論文発表の時に卓さんのネクタイ借りたけどすっごく安心したもん」
「ははっ。絢斗がいうなら間違いないな。じゃあ、昇にも話しておこう」
<すっごくいいアイディアありがとう!! 早速使わせてもらうよ! 直くんの編入試験が終わったら秀吾くんと周防くんにもお礼がてら直くんを紹介するね>
絢斗がメッセージと可愛いスタンプを送ると、ちょうどいいタイミングでランチが運ばれてきた。
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