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助け人、来る
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<side昇>
直くんとの唇へのファーストキスは俺にとって最高の時間だった。
続けてセカンドキスまですることになるとは思わなかったが、直くんも望んでくれていたし幸せだったからいい。
伯父さんとの約束は破ってしまったけれど、二人だけの秘密ってことにできたし大丈夫だろう。
唇にキスをして、直くんの中でも俺との距離がさらに縮まったように思う。
それを幸せに感じながら、キッチンに向かうと絢斗さんがすぐに直くんを見つけた。
こっちにおいでと誘われて嬉しそうに駆け出していく直くんを見送り、俺は伯父さんの手伝いに向かった。
今日の夕食は串カツらしい。
伯父さんのことだから具材も豪華だろうし、きっと目の前で揚げたてが食べられるはずだ。
直くんと絢斗さんが好きなえびとイカはもう用意してあるらしい。
他の具材で好きなものを選んでいいと言われて冷蔵庫を探している間に、直くんは絢斗さんと部屋に戻ってしまった。
野菜室を探すと美味しそうな蓮根とアスパラ、それに肉厚な椎茸もある。
これを串カツにしたら最高に美味いんだよな。
確か冷凍庫の方には豚ヒレがあったっけ。
それも串カツにしてもらおう。
直くん、喜ぶだろうな……。
ウキウキしながら立ち上がり伯父さんに声をかけると、俺を見ていたその表情に背筋が凍った。
何か言いたげに、俺を見つめるその強い目。
何も言葉を発していないのに、まるで加害者のようにじわじわと追い詰められる。
「顔、怖いんだけど……」
そう冗談めかして言葉を発したけれど、伯父さんの表情は全く揺らぐことがない。
それどころか、その強い目のまま何か話すことはないかとさらに追い詰められる。
これは、絶対に気づいている。
ここで誤魔化しても伯父さんは納得しないだろう。
そもそも約束を破ったのは俺だ。それに対して文句を言える立場にはない。
どれだけ叱られても、俺は直くんとのキスを後悔しない。
それでも約束を破った謝罪はするべきだ。
「伯父さん、ごめんなさい!!」
俺は身体を震わせながら頭を下げた。
「それはなんの謝罪なんだ?」
「そ、それは……その、直くんとキス、をしたので……約束を破ってごめんなさい……」
正直に告げたが、伯父さんからはなんの言葉も返ってこない。
お湯が沸く音や炊飯器の音が聞こえてくるだけだ。
「あの……」
その静寂に耐えきれずにゆっくりと頭をあげようとしていると、どこかの部屋の扉がガチャリと開く音が聞こえた。
流石に直くんにこの姿は見られたくない。伯父さんだってこの雰囲気を感じ取られたくないはずだ。
慌てて顔を上げて、何事もなかったように振る舞っていると、
「何だ? どうしたんだ?」
部屋に入ってきたのは、じいちゃんと大おじさんだった。
俺たちの雰囲気をすぐに察知したのか、二人は心配そうにキッチンに入ってきた。
「な、なんでもないよ。俺が約束を破ったから叱られただけ」
「そうなのか、卓?」
じいちゃんは俺の言葉に訝しんだ様子で伯父さんに視線を向けた。
「別に叱ったわけじゃないですよ。何かあったのか聞きたかっただけです」
「どういうことだ?」
じいちゃんの更なる追及に伯父さんは諦めたように口を開いた。
「昇と直くんの交際を認めた時に、まだ直くんが未成年だから必要以上の接触を禁止したんです」
「なるほど、それでその約束を破った、と」
俺が素直に頷くと、大おじさんが俺に近づいてきた。
「何をしたんだ?」
「その、唇に、キスを……」
「舌を入れたのか?」
大おじさんの直球の質問に俺の顔が赤くなる。
「――っ、そ、そこまではしてないよ。重ねただけ」
「なんだ、それなら問題ないだろう。唇にキスなんて恋人相手ならスキンシップみたいなものだ。直くんも喜んでいたんだろう?」
「うん。幸せだって言ってくれた」
「それなら何も問題はない。むしろ、ここまで我慢できていたのが偉いくらいだ。卓くんもそう思うだろう?」
伯父さんは黙ってじっと聞いていたけれど、そのまま静かに頷いていた。
「直くんの気持ちを無視して進めたんじゃなければ問題はない。そうだな、卓」
「はい。そうですね。だが、昇。そこから先は直くんが成人になるまではダメだぞ! その約束を破ることは許さないからな」
「確かにそうだな。そこから先は成人になってから。守れるな?」
伯父さんとじいちゃん、そして大おじさんに見つめられて、俺は何度も頷いた。
「は、はい。絶対に守ります!!」
「それならいい。この話はこれで終わりだ」
伯父さんはそういうと、夕食の支度を再開した。
はぁーっ。どうなるかと思ったけど、じいちゃんたちのおかげで助かったな。
「卓、何か手伝うことはあるか?」
「いえ。昇が手伝ってくれているので大丈夫ですよ」
「そうか。そういえば、直くんと絢斗くんはどうした?」
「今は、直くんの部屋で二人で過ごしているはずです」
「呼んでこようか?」
俺の言葉に、じいちゃんは首を横に振り、賢将さんと顔を見合わせるとゆっくりと口を開いた。
「卓、私はこれから賢将さんと一緒に暮らそうと思う」
「「えっ??」」
じいちゃんから出てきた思いがけない言葉に、俺はもちろん伯父さんも驚きの声をあげていた。
直くんとの唇へのファーストキスは俺にとって最高の時間だった。
続けてセカンドキスまですることになるとは思わなかったが、直くんも望んでくれていたし幸せだったからいい。
伯父さんとの約束は破ってしまったけれど、二人だけの秘密ってことにできたし大丈夫だろう。
唇にキスをして、直くんの中でも俺との距離がさらに縮まったように思う。
それを幸せに感じながら、キッチンに向かうと絢斗さんがすぐに直くんを見つけた。
こっちにおいでと誘われて嬉しそうに駆け出していく直くんを見送り、俺は伯父さんの手伝いに向かった。
今日の夕食は串カツらしい。
伯父さんのことだから具材も豪華だろうし、きっと目の前で揚げたてが食べられるはずだ。
直くんと絢斗さんが好きなえびとイカはもう用意してあるらしい。
他の具材で好きなものを選んでいいと言われて冷蔵庫を探している間に、直くんは絢斗さんと部屋に戻ってしまった。
野菜室を探すと美味しそうな蓮根とアスパラ、それに肉厚な椎茸もある。
これを串カツにしたら最高に美味いんだよな。
確か冷凍庫の方には豚ヒレがあったっけ。
それも串カツにしてもらおう。
直くん、喜ぶだろうな……。
ウキウキしながら立ち上がり伯父さんに声をかけると、俺を見ていたその表情に背筋が凍った。
何か言いたげに、俺を見つめるその強い目。
何も言葉を発していないのに、まるで加害者のようにじわじわと追い詰められる。
「顔、怖いんだけど……」
そう冗談めかして言葉を発したけれど、伯父さんの表情は全く揺らぐことがない。
それどころか、その強い目のまま何か話すことはないかとさらに追い詰められる。
これは、絶対に気づいている。
ここで誤魔化しても伯父さんは納得しないだろう。
そもそも約束を破ったのは俺だ。それに対して文句を言える立場にはない。
どれだけ叱られても、俺は直くんとのキスを後悔しない。
それでも約束を破った謝罪はするべきだ。
「伯父さん、ごめんなさい!!」
俺は身体を震わせながら頭を下げた。
「それはなんの謝罪なんだ?」
「そ、それは……その、直くんとキス、をしたので……約束を破ってごめんなさい……」
正直に告げたが、伯父さんからはなんの言葉も返ってこない。
お湯が沸く音や炊飯器の音が聞こえてくるだけだ。
「あの……」
その静寂に耐えきれずにゆっくりと頭をあげようとしていると、どこかの部屋の扉がガチャリと開く音が聞こえた。
流石に直くんにこの姿は見られたくない。伯父さんだってこの雰囲気を感じ取られたくないはずだ。
慌てて顔を上げて、何事もなかったように振る舞っていると、
「何だ? どうしたんだ?」
部屋に入ってきたのは、じいちゃんと大おじさんだった。
俺たちの雰囲気をすぐに察知したのか、二人は心配そうにキッチンに入ってきた。
「な、なんでもないよ。俺が約束を破ったから叱られただけ」
「そうなのか、卓?」
じいちゃんは俺の言葉に訝しんだ様子で伯父さんに視線を向けた。
「別に叱ったわけじゃないですよ。何かあったのか聞きたかっただけです」
「どういうことだ?」
じいちゃんの更なる追及に伯父さんは諦めたように口を開いた。
「昇と直くんの交際を認めた時に、まだ直くんが未成年だから必要以上の接触を禁止したんです」
「なるほど、それでその約束を破った、と」
俺が素直に頷くと、大おじさんが俺に近づいてきた。
「何をしたんだ?」
「その、唇に、キスを……」
「舌を入れたのか?」
大おじさんの直球の質問に俺の顔が赤くなる。
「――っ、そ、そこまではしてないよ。重ねただけ」
「なんだ、それなら問題ないだろう。唇にキスなんて恋人相手ならスキンシップみたいなものだ。直くんも喜んでいたんだろう?」
「うん。幸せだって言ってくれた」
「それなら何も問題はない。むしろ、ここまで我慢できていたのが偉いくらいだ。卓くんもそう思うだろう?」
伯父さんは黙ってじっと聞いていたけれど、そのまま静かに頷いていた。
「直くんの気持ちを無視して進めたんじゃなければ問題はない。そうだな、卓」
「はい。そうですね。だが、昇。そこから先は直くんが成人になるまではダメだぞ! その約束を破ることは許さないからな」
「確かにそうだな。そこから先は成人になってから。守れるな?」
伯父さんとじいちゃん、そして大おじさんに見つめられて、俺は何度も頷いた。
「は、はい。絶対に守ります!!」
「それならいい。この話はこれで終わりだ」
伯父さんはそういうと、夕食の支度を再開した。
はぁーっ。どうなるかと思ったけど、じいちゃんたちのおかげで助かったな。
「卓、何か手伝うことはあるか?」
「いえ。昇が手伝ってくれているので大丈夫ですよ」
「そうか。そういえば、直くんと絢斗くんはどうした?」
「今は、直くんの部屋で二人で過ごしているはずです」
「呼んでこようか?」
俺の言葉に、じいちゃんは首を横に振り、賢将さんと顔を見合わせるとゆっくりと口を開いた。
「卓、私はこれから賢将さんと一緒に暮らそうと思う」
「「えっ??」」
じいちゃんから出てきた思いがけない言葉に、俺はもちろん伯父さんも驚きの声をあげていた。
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