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幸せの瞬間を分かち合う
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「直くん、どのパン食べる?」
「なんでもいいんですか?」
「もちろん、何がいい?」
直くんはさっき買ってきたばかりのパンを見てから少し悩んだ様子でゆっくりと口を開いた。
「あの、僕……おじいちゃまと昇さんが用意してくれたパニーニっていうのが食べたいです」
「――っ、直くん……パン屋さんのパンじゃなくていいの?」
「だって、おじいちゃんがパンは冷凍できるって教えてくれたから、だから僕……」
一生懸命想いを伝えてくれようとしているのがよくわかる。
直くんが一緒に買い物に行った大おじさんにも、そして朝食を作っていた俺たちにも配慮してくれているのがわかって嬉しくなる。
「わかった。じゃあパニーニを焼くね。それで俺と半分こしないか?」
「半分こ?」
「ああ、結構具材も入っててボリュームがあるから、一個丸々食べると直くんはお腹いっぱいになると思うんだ。だから、パニーニを半分こして、買ってきたパンもどれか半分こして食べよう。そうしたらどっちも食べられるよ」
俺の提案にぱあっと花が咲いたような可愛い笑顔を見せてくれる。
じいちゃんも伯父さんも大おじさんもみんな頷いてくれている。
どうやら俺の提案は最適解だったようだ。
「はい! 昇さんと半分こします!」
「オッケー、じゃあパニーニ焼いてくるね。伯父さんたちとじいちゃんたちのも焼く?」
「ああ、頼むよ」
俺はすぐにテーブルにセットしていたパニーニメーカーに準備していたパニーニを載せて挟んだ。
一度に三個焼けるこのパニーニメーカーからはジューっとパンが焼ける香ばしい匂いがしている。
「焼けるまでこっちのパンを食べておこう。どれにする?」
「えっと……これ、食べたいです」
直くんが指さしたのはシナモンロール。
上に砂糖がいっぱい載っていて甘そうだ。
でも直くんと半分こなら食べたいと思ってしまう。
「いいね」
俺はナイフで半分に切り分けて直くんのお皿にのせた。
どうやって食べたらいいのかと悩んでいる直くんの手本になるように俺はもう片方のシナモンロールを手で持った。
パクッとそのまま齧ると、直くんは嬉しそうに俺の真似をしてパンを持ち、小さな口を精一杯開けてパクッと齧った。
「んー! んーひぃー!」
その表情から、心から美味しいと言っているのがよくわかる。
初めてのシナモンロールは直くんの口に合ったようだ。
「お、そろそろパニーニも焼けたんじゃないか?」
じいちゃんの言葉に目を向ければパンからとろりと垂れたチーズがジュワジュワ音を立てながら焼けている香ばしい匂いがする。
取り出して、パン切り包丁で斜めに切り分けると、直くんから感嘆の声が漏れる。
「中のチーズもソースも熱いから気をつけるんだよ」
「はーい」
隣に座っているじいちゃんから声をかけられ、直くんは嬉しそうにパニーニを両手で持った。
伯父さんも絢斗さん、そしてじいちゃんと大おじさんも出来上がったパニーニを半分に分けてみんなで揃って齧り付く。
サクッといい音がしてみんなの表情が緩む。
「んーひぃー!!」
直くんと絢斗さんの幸せそうな声を聞きながら、直くんが初めてパニーニを食べる様子を目に焼き付ける。
家族でこの幸せの瞬間を分かち合うって最高だな。
俺はそれ以外にも直くんが買ってきてくれたカレーパンを平らげて、朝食を終えた。
八分目くらいだけど、直くんがおにぎりの代わりに作ってくれたものもあるし、大満足だ。
そろそろ出かける時間だ。
準備をしているとチャイムの音が聞こえる。
これは玄関チャイムじゃなく、表の事務所側のチャイムの音だ。
すぐに伯父さんが確認すると、あちら側から村山の声が聞こえる。
ああ、なるほど。
もうカールを連れてきたのか。
一人で来させるわけがないと思ったけれど、高校の始業時間よりも村山のおじさんが家を出る方が遅いから、てっきり村山のおじさんが仕事に行く時にでもカールを連れてくるのかと思っていた。
でも、逆の立場なら俺でもきっと直くんを連れて行っただろうから村山の気持ちはわかる。
「直くん、カールたちが来たから出迎えに行ってくるね」
俺は直くんに声をかけて急いで二人を迎えに玄関を出た。
トントントンと軽快に階段を駆け降りると、二人の姿が見えた。
「村山。カールもおはよう」
「ノボル、おはよう!」
表情だけでカールが今日をどれだけ楽しみにしているかがわかる。
荷物もすごいな。もちろん、持っているのは村山だけど。
「磯山、もしかして早すぎたか?」
「いや、今から出ようと思ってたところだった」
「そうか、ならタイミング良かったな」
「直くんも絢斗さんも待ってるからついてきて!」
俺が先導しながら玄関を開けると、直くんが飛び出してきた。
「なんでもいいんですか?」
「もちろん、何がいい?」
直くんはさっき買ってきたばかりのパンを見てから少し悩んだ様子でゆっくりと口を開いた。
「あの、僕……おじいちゃまと昇さんが用意してくれたパニーニっていうのが食べたいです」
「――っ、直くん……パン屋さんのパンじゃなくていいの?」
「だって、おじいちゃんがパンは冷凍できるって教えてくれたから、だから僕……」
一生懸命想いを伝えてくれようとしているのがよくわかる。
直くんが一緒に買い物に行った大おじさんにも、そして朝食を作っていた俺たちにも配慮してくれているのがわかって嬉しくなる。
「わかった。じゃあパニーニを焼くね。それで俺と半分こしないか?」
「半分こ?」
「ああ、結構具材も入っててボリュームがあるから、一個丸々食べると直くんはお腹いっぱいになると思うんだ。だから、パニーニを半分こして、買ってきたパンもどれか半分こして食べよう。そうしたらどっちも食べられるよ」
俺の提案にぱあっと花が咲いたような可愛い笑顔を見せてくれる。
じいちゃんも伯父さんも大おじさんもみんな頷いてくれている。
どうやら俺の提案は最適解だったようだ。
「はい! 昇さんと半分こします!」
「オッケー、じゃあパニーニ焼いてくるね。伯父さんたちとじいちゃんたちのも焼く?」
「ああ、頼むよ」
俺はすぐにテーブルにセットしていたパニーニメーカーに準備していたパニーニを載せて挟んだ。
一度に三個焼けるこのパニーニメーカーからはジューっとパンが焼ける香ばしい匂いがしている。
「焼けるまでこっちのパンを食べておこう。どれにする?」
「えっと……これ、食べたいです」
直くんが指さしたのはシナモンロール。
上に砂糖がいっぱい載っていて甘そうだ。
でも直くんと半分こなら食べたいと思ってしまう。
「いいね」
俺はナイフで半分に切り分けて直くんのお皿にのせた。
どうやって食べたらいいのかと悩んでいる直くんの手本になるように俺はもう片方のシナモンロールを手で持った。
パクッとそのまま齧ると、直くんは嬉しそうに俺の真似をしてパンを持ち、小さな口を精一杯開けてパクッと齧った。
「んー! んーひぃー!」
その表情から、心から美味しいと言っているのがよくわかる。
初めてのシナモンロールは直くんの口に合ったようだ。
「お、そろそろパニーニも焼けたんじゃないか?」
じいちゃんの言葉に目を向ければパンからとろりと垂れたチーズがジュワジュワ音を立てながら焼けている香ばしい匂いがする。
取り出して、パン切り包丁で斜めに切り分けると、直くんから感嘆の声が漏れる。
「中のチーズもソースも熱いから気をつけるんだよ」
「はーい」
隣に座っているじいちゃんから声をかけられ、直くんは嬉しそうにパニーニを両手で持った。
伯父さんも絢斗さん、そしてじいちゃんと大おじさんも出来上がったパニーニを半分に分けてみんなで揃って齧り付く。
サクッといい音がしてみんなの表情が緩む。
「んーひぃー!!」
直くんと絢斗さんの幸せそうな声を聞きながら、直くんが初めてパニーニを食べる様子を目に焼き付ける。
家族でこの幸せの瞬間を分かち合うって最高だな。
俺はそれ以外にも直くんが買ってきてくれたカレーパンを平らげて、朝食を終えた。
八分目くらいだけど、直くんがおにぎりの代わりに作ってくれたものもあるし、大満足だ。
そろそろ出かける時間だ。
準備をしているとチャイムの音が聞こえる。
これは玄関チャイムじゃなく、表の事務所側のチャイムの音だ。
すぐに伯父さんが確認すると、あちら側から村山の声が聞こえる。
ああ、なるほど。
もうカールを連れてきたのか。
一人で来させるわけがないと思ったけれど、高校の始業時間よりも村山のおじさんが家を出る方が遅いから、てっきり村山のおじさんが仕事に行く時にでもカールを連れてくるのかと思っていた。
でも、逆の立場なら俺でもきっと直くんを連れて行っただろうから村山の気持ちはわかる。
「直くん、カールたちが来たから出迎えに行ってくるね」
俺は直くんに声をかけて急いで二人を迎えに玄関を出た。
トントントンと軽快に階段を駆け降りると、二人の姿が見えた。
「村山。カールもおはよう」
「ノボル、おはよう!」
表情だけでカールが今日をどれだけ楽しみにしているかがわかる。
荷物もすごいな。もちろん、持っているのは村山だけど。
「磯山、もしかして早すぎたか?」
「いや、今から出ようと思ってたところだった」
「そうか、ならタイミング良かったな」
「直くんも絢斗さんも待ってるからついてきて!」
俺が先導しながら玄関を開けると、直くんが飛び出してきた。
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