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安心する存在になれたら……
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紅茶のお代わりを淹れたり、お菓子の追加を皿に載せたり、その度に直くんから声がかかって楽しくて仕方がない。
直くんも俺が横に行くたびにうっとりとした顔で見てくれるし、意外とこの姿を気に入ってくれているみたいだ。
この執事服を家でも着たら直くん喜んでくれるかな……。
そんなことを考えて直くんのドレスのことを思い出した。
「宗一郎さん。直くんが着ているあのドレスなんだけど……」
俺以上に皐月さんたちの様子に気を配っている宗一郎さんに忘れないうちに声をかけてみた。
「あのドレス、よく似合っているな。可愛らしくて直くんにぴったりだよ」
「うん。だから、あのドレス……俺に買い取らせてもらえないかなって……」
今日のお茶会のために宗一郎さんと皐月さんが用意してくれたドレスだけど、俺が直くんのために買ってあげたくて申し出た。
「ははっ。元々ドレスはプレゼントするつもりで用意しているから買取なんて気にしないでいい」
「でも……」
宗一郎さんからの贈り物だと思うと、なんとなく複雑な感情が込み上げる。
俺の反応でそれに気がついたのか、宗一郎さんはあのドレスについて説明してくれた。
「あれは皐月から直くんへの贈り物なんだよ。だから皐月の気持ちを汲んでくれないか? それだけ直くんと会えるのを楽しみにしていたんだ」
「えっ……皐月さんからの、贈り物?」
そうか、宗一郎さんの贈り物じゃなかったんだ。
それがわかっただけで胸のざわつきが消えていくなんて俺も調子がいい。
「もし、昇くんが気になるなら周平くんから普段着も準備してもらっているからそっちなら買い取ってくれて構わないよ」
「普段着? わぁ、喜んで!!」
「ははっ」
あっという間の俺の変わりように、宗一郎さんだけでなく伊織さんも成瀬さんも笑っているように見えた。
しばらく伯父さんたちと会話をしながら、直くんの様子を気にかけていたけれど、急に直くんの声が聞こえなくなった。
気になって駆け寄ると、寝落ちしかけていることに気づいた。
「直くん。急に静かになったなと思っていたけど、どうかしたの?」
「すみません、直くん。眠くなったみたいです」
「それは大変。客間のベッドに寝かせてあげて。宗一郎さん!」
皐月さんの呼びかけで宗一郎さんがこちらにやってくる。
俺は座っている直くんを腕に抱きかかえながらすみませんと謝った。
「磯山から途中で眠くなるだろうと聞いていたからベッドの準備はしているんだ。だから気にしないでいいよ。こっちに連れてきてくれ」
直くんがお腹いっぱいになったら眠くなってしまうことを伯父さんが伝えてくれていたらしい。
ちゃんとこういうことも情報共有してくれていて助かる。
「一応、診ておこうか」
「お願いします」
成瀬さんも優しい言葉をかけてくれて、俺は直くんを抱きかかえて宗一郎さんが案内してくれる客間に向かった。
ここも皐月さんが直くんのために準備してくれたんだろうか。
可愛いベッドには可愛いぬいぐるみがたくさん並べられていて、直くんが起きたら喜びそうな部屋だ。
直くんをベッドに寝かせると、成瀬さんが床に膝をついて直くんの脈をとった。
「うん、大丈夫そうだね。しばらく寝かせておくといい」
「ありがとうございます」
急に眠くなる病気というのもあるから、それを心配してくれたんだろうが直くんの場合は体質もある。
でも成瀬さんに大丈夫だと言われると安心する。俺も直くんにとってそんな存在になれたらいい。
宗一郎さんと成瀬さんは俺に直くんを任せて部屋を出て行った。
俺は直くんの寝顔を見ながら、そっと頬にキスを落とした。
<side卓>
直くんの様子にいち早く気づいた昇が直くんに駆け寄り、直くんの昼寝部屋を用意してくれていた志良堂に案内されてサンルームを出て行った。
一緒に成瀬くんもついて行ってくれたのは直くんのためだろう。
ありがたいことだ。成瀬くんのこんな姿を見たらきっと昇は更にダブルライセンスへの憧れを増すことだろうな。
しばらくして志良堂と成瀬くんが戻ってきた。
「直くんはどうだった?」
「眠っているだけですから何の問題もありません。まだ身体が今の生活に慣れていないんでしょうね。学校に通わせるようになったら早めに学校側と少し話をしておいた方がいいかもしれません。桜守なら午後に少し保健室で休めるような対処もしてもらえるでしょう」
「成瀬くん、ありがとう。そうできるように話をしてみるよ」
こういう時に理事長が知り合いだと話しやすい。
近々、アポイントをとって話をしに行ってくるとしよう。
「私たちがいた頃も、結構柔軟に対応してくれたから直くんも大丈夫だよ。ね、絢斗」
「そうそう。午後の時間はいつも休みだった子がいたけど、みんなで交代でノートとか渡してたよね」
「わぁー、すごく優しいですね」
そこから桜守の話になっていったが、悠真くんも真琴くんも興味津々な様子で話を聞いている。
直くんももうしばらくしたら桜守の一員になる。
楽しい学校生活を過ごしてくれたらいい。そう願わずにいられない。
直くんも俺が横に行くたびにうっとりとした顔で見てくれるし、意外とこの姿を気に入ってくれているみたいだ。
この執事服を家でも着たら直くん喜んでくれるかな……。
そんなことを考えて直くんのドレスのことを思い出した。
「宗一郎さん。直くんが着ているあのドレスなんだけど……」
俺以上に皐月さんたちの様子に気を配っている宗一郎さんに忘れないうちに声をかけてみた。
「あのドレス、よく似合っているな。可愛らしくて直くんにぴったりだよ」
「うん。だから、あのドレス……俺に買い取らせてもらえないかなって……」
今日のお茶会のために宗一郎さんと皐月さんが用意してくれたドレスだけど、俺が直くんのために買ってあげたくて申し出た。
「ははっ。元々ドレスはプレゼントするつもりで用意しているから買取なんて気にしないでいい」
「でも……」
宗一郎さんからの贈り物だと思うと、なんとなく複雑な感情が込み上げる。
俺の反応でそれに気がついたのか、宗一郎さんはあのドレスについて説明してくれた。
「あれは皐月から直くんへの贈り物なんだよ。だから皐月の気持ちを汲んでくれないか? それだけ直くんと会えるのを楽しみにしていたんだ」
「えっ……皐月さんからの、贈り物?」
そうか、宗一郎さんの贈り物じゃなかったんだ。
それがわかっただけで胸のざわつきが消えていくなんて俺も調子がいい。
「もし、昇くんが気になるなら周平くんから普段着も準備してもらっているからそっちなら買い取ってくれて構わないよ」
「普段着? わぁ、喜んで!!」
「ははっ」
あっという間の俺の変わりように、宗一郎さんだけでなく伊織さんも成瀬さんも笑っているように見えた。
しばらく伯父さんたちと会話をしながら、直くんの様子を気にかけていたけれど、急に直くんの声が聞こえなくなった。
気になって駆け寄ると、寝落ちしかけていることに気づいた。
「直くん。急に静かになったなと思っていたけど、どうかしたの?」
「すみません、直くん。眠くなったみたいです」
「それは大変。客間のベッドに寝かせてあげて。宗一郎さん!」
皐月さんの呼びかけで宗一郎さんがこちらにやってくる。
俺は座っている直くんを腕に抱きかかえながらすみませんと謝った。
「磯山から途中で眠くなるだろうと聞いていたからベッドの準備はしているんだ。だから気にしないでいいよ。こっちに連れてきてくれ」
直くんがお腹いっぱいになったら眠くなってしまうことを伯父さんが伝えてくれていたらしい。
ちゃんとこういうことも情報共有してくれていて助かる。
「一応、診ておこうか」
「お願いします」
成瀬さんも優しい言葉をかけてくれて、俺は直くんを抱きかかえて宗一郎さんが案内してくれる客間に向かった。
ここも皐月さんが直くんのために準備してくれたんだろうか。
可愛いベッドには可愛いぬいぐるみがたくさん並べられていて、直くんが起きたら喜びそうな部屋だ。
直くんをベッドに寝かせると、成瀬さんが床に膝をついて直くんの脈をとった。
「うん、大丈夫そうだね。しばらく寝かせておくといい」
「ありがとうございます」
急に眠くなる病気というのもあるから、それを心配してくれたんだろうが直くんの場合は体質もある。
でも成瀬さんに大丈夫だと言われると安心する。俺も直くんにとってそんな存在になれたらいい。
宗一郎さんと成瀬さんは俺に直くんを任せて部屋を出て行った。
俺は直くんの寝顔を見ながら、そっと頬にキスを落とした。
<side卓>
直くんの様子にいち早く気づいた昇が直くんに駆け寄り、直くんの昼寝部屋を用意してくれていた志良堂に案内されてサンルームを出て行った。
一緒に成瀬くんもついて行ってくれたのは直くんのためだろう。
ありがたいことだ。成瀬くんのこんな姿を見たらきっと昇は更にダブルライセンスへの憧れを増すことだろうな。
しばらくして志良堂と成瀬くんが戻ってきた。
「直くんはどうだった?」
「眠っているだけですから何の問題もありません。まだ身体が今の生活に慣れていないんでしょうね。学校に通わせるようになったら早めに学校側と少し話をしておいた方がいいかもしれません。桜守なら午後に少し保健室で休めるような対処もしてもらえるでしょう」
「成瀬くん、ありがとう。そうできるように話をしてみるよ」
こういう時に理事長が知り合いだと話しやすい。
近々、アポイントをとって話をしに行ってくるとしよう。
「私たちがいた頃も、結構柔軟に対応してくれたから直くんも大丈夫だよ。ね、絢斗」
「そうそう。午後の時間はいつも休みだった子がいたけど、みんなで交代でノートとか渡してたよね」
「わぁー、すごく優しいですね」
そこから桜守の話になっていったが、悠真くんも真琴くんも興味津々な様子で話を聞いている。
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