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伯父さんからの動画
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せっかくなのでちょっとおまけ的な感じでわかる方にはわかるあの人を登場させてみました(笑)
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
「わぁー! 楽譜がいっぱい!!」
ジャンルごとに分けられたたくさんの楽譜を前に直くんは目を輝かせた。
「どうぞお好きにお探しください。もし、お目当てのものがございましたらお声掛けくださればすぐにお出ししますよ」
神田さんの言葉にお礼を言って、直くんは探し始めた。
「まさか、ここにあるすべての楽譜を覚えていらっしゃるのですか?」
「もちろんです。ここにある楽譜はすべて私が集めたものですから。気に入ったものしか置いていないのですよ」
それほどこだわりの楽譜だから、一般販売はしないのだろう。
自分の演奏を持っているプロに弾いてほしいと思うのも無理はない。
「ご子息が選んでいらっしゃる間、そちらのソファーでお寛ぎください」
私がついて回ったら、直くんも気遣って選びにくいだろう。
神田さんに案内されてソファーに腰を下ろすが、座っても直くんの姿は目に入るから安心だ。
それにしても嬉しそうに楽譜を選んでいる。
本当にピアノが好きなんだろう。
今のうちにさっきの演奏を昇に送っておいてやるか。
きっと喜ぶだろう。
私はスマホを取り出し、昇にメッセージとさっきの動画を送っておいた。
<side昇>
学校に着いてスマホを確かめて、授業の終わりにはすぐにスマホを取り出す。
そんなことをしていたから、隣の席の村山にすぐに気づかれた。
「今日はスマホばっかり気にしてるな。直くんから特別な連絡でも入るのか?」
俺が不審な動きをしていたらすぐに直くんのことだと思ってるんだろう。
まぁ、間違いではないんだけど、こんなにも簡単に当てられるとなんとなく悔しい気がする。
「違うよ。今日は伯父さんと二人で出掛けているんだ」
「へぇ、二人で? どこに行ってるんだ?」
「それが、教えてくれなかったんだよ。だからちょっと気になって……」
そんな話をしていると、突然スマホが振動を伝えた。
画面を見ると、伯父さんの名前。
来たのはメッセージと少し長めの動画。
てっきり直くんから連絡が入ると思っていただけに、伯父さんからのメッセージと動画が来て不思議に思いつつも、イヤホンをセットして、まずはメッセージを開いてみた。
<お前のことだそうだ>
お前のこと?
どういう意味だ?
伯父さんのメッセージの意味がわからないまま、動画を再生する。
すると、魂が揺さぶられるような美しい音色が飛び込んできた。
「えっ……」
直くんがなんとも言えない幸せな表情で楽しそうにピアノを弾いている。
しかもこの曲……。
いつか王子さまが白い馬に乗って迎えに来てくれる夢を見るって、甘い恋の曲。
この王子って俺のことだよな?
やばい、嬉しすぎる。
「ちょっ、磯山!」
演奏を聞いている最中に肩をドンと強く叩かれる。
その衝撃に演奏を止めると、村山が焦った様子で俺をみていた。
「なんだよ、せっかくいいところだったのに」
「お前、教室で色気撒き散らすなよ」
村山の言葉に周りを見渡すと、女子たちが真っ赤な顔で俺を見ている。
俺は急いで教室を出てトイレの個室に飛び込んだ。
<side村山>
朝から挙動不審な磯山だったけれど、理由を聞いて納得した。
直くんがおじさんとデートか。
気になって仕方ないんだろうな。
って話をしていたらスマホに何か入ってきたみたいだ。
ようやく連絡が来たか。
磯山の様子を見守っていると、画面を見つめる磯山の表情がどんどん赤くなっていって、どこからどう見ても恋する男。
磯山から放たれるフェロモンに女子たちがすぐに反応を始めた。
このままじゃ収拾がつかなくなると思って、慌てて磯山に声をかけ、今の状況を教えると教室を飛び出して行った。
戻ってくるときには正常になって戻ってこいよと祈っていると、俺の元にクラスメイトの男子が駆け寄ってきた。
「なぁ、村山。磯山、どうしたんだ? ここ数ヶ月くらいおかしくないか?」
「なんだ、西条。気づいてたのか?」
「急に付き合い悪くなったし、流石にわかるよ。無理に付き合わせちゃ悪いと思って声はかけなかったけどさ。さっきもスマホ持って駆け出して行ったし、何かあるのか?」
「可愛い恋人ができたんだよ。その子に夢中なんだ」
「磯山が? 恋人に夢中? 嘘だろ?」
西条は信じられないと言った様子で目を丸くしていた。
あれだけ告白されまくってて一度も悩むそぶりもなく速攻で断ってたやつだからな。驚くのも無理はない。
「本当だって。お前も本当に好きな相手ができたらあいつの気持ちがわかるよ」
そう言っても、西条はまだよく理解はできていないようだった。まぁ、俺もカールという恋人ができるまでは、恋人に夢中になるなんて絶対にあり得ないと思っていたから、今の西条の驚きはよくわかるけどな。
いつか西条にも同じように出会いがあればいい。そうしたら今の磯山の気持ちもわかるようになるだろう。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
「わぁー! 楽譜がいっぱい!!」
ジャンルごとに分けられたたくさんの楽譜を前に直くんは目を輝かせた。
「どうぞお好きにお探しください。もし、お目当てのものがございましたらお声掛けくださればすぐにお出ししますよ」
神田さんの言葉にお礼を言って、直くんは探し始めた。
「まさか、ここにあるすべての楽譜を覚えていらっしゃるのですか?」
「もちろんです。ここにある楽譜はすべて私が集めたものですから。気に入ったものしか置いていないのですよ」
それほどこだわりの楽譜だから、一般販売はしないのだろう。
自分の演奏を持っているプロに弾いてほしいと思うのも無理はない。
「ご子息が選んでいらっしゃる間、そちらのソファーでお寛ぎください」
私がついて回ったら、直くんも気遣って選びにくいだろう。
神田さんに案内されてソファーに腰を下ろすが、座っても直くんの姿は目に入るから安心だ。
それにしても嬉しそうに楽譜を選んでいる。
本当にピアノが好きなんだろう。
今のうちにさっきの演奏を昇に送っておいてやるか。
きっと喜ぶだろう。
私はスマホを取り出し、昇にメッセージとさっきの動画を送っておいた。
<side昇>
学校に着いてスマホを確かめて、授業の終わりにはすぐにスマホを取り出す。
そんなことをしていたから、隣の席の村山にすぐに気づかれた。
「今日はスマホばっかり気にしてるな。直くんから特別な連絡でも入るのか?」
俺が不審な動きをしていたらすぐに直くんのことだと思ってるんだろう。
まぁ、間違いではないんだけど、こんなにも簡単に当てられるとなんとなく悔しい気がする。
「違うよ。今日は伯父さんと二人で出掛けているんだ」
「へぇ、二人で? どこに行ってるんだ?」
「それが、教えてくれなかったんだよ。だからちょっと気になって……」
そんな話をしていると、突然スマホが振動を伝えた。
画面を見ると、伯父さんの名前。
来たのはメッセージと少し長めの動画。
てっきり直くんから連絡が入ると思っていただけに、伯父さんからのメッセージと動画が来て不思議に思いつつも、イヤホンをセットして、まずはメッセージを開いてみた。
<お前のことだそうだ>
お前のこと?
どういう意味だ?
伯父さんのメッセージの意味がわからないまま、動画を再生する。
すると、魂が揺さぶられるような美しい音色が飛び込んできた。
「えっ……」
直くんがなんとも言えない幸せな表情で楽しそうにピアノを弾いている。
しかもこの曲……。
いつか王子さまが白い馬に乗って迎えに来てくれる夢を見るって、甘い恋の曲。
この王子って俺のことだよな?
やばい、嬉しすぎる。
「ちょっ、磯山!」
演奏を聞いている最中に肩をドンと強く叩かれる。
その衝撃に演奏を止めると、村山が焦った様子で俺をみていた。
「なんだよ、せっかくいいところだったのに」
「お前、教室で色気撒き散らすなよ」
村山の言葉に周りを見渡すと、女子たちが真っ赤な顔で俺を見ている。
俺は急いで教室を出てトイレの個室に飛び込んだ。
<side村山>
朝から挙動不審な磯山だったけれど、理由を聞いて納得した。
直くんがおじさんとデートか。
気になって仕方ないんだろうな。
って話をしていたらスマホに何か入ってきたみたいだ。
ようやく連絡が来たか。
磯山の様子を見守っていると、画面を見つめる磯山の表情がどんどん赤くなっていって、どこからどう見ても恋する男。
磯山から放たれるフェロモンに女子たちがすぐに反応を始めた。
このままじゃ収拾がつかなくなると思って、慌てて磯山に声をかけ、今の状況を教えると教室を飛び出して行った。
戻ってくるときには正常になって戻ってこいよと祈っていると、俺の元にクラスメイトの男子が駆け寄ってきた。
「なぁ、村山。磯山、どうしたんだ? ここ数ヶ月くらいおかしくないか?」
「なんだ、西条。気づいてたのか?」
「急に付き合い悪くなったし、流石にわかるよ。無理に付き合わせちゃ悪いと思って声はかけなかったけどさ。さっきもスマホ持って駆け出して行ったし、何かあるのか?」
「可愛い恋人ができたんだよ。その子に夢中なんだ」
「磯山が? 恋人に夢中? 嘘だろ?」
西条は信じられないと言った様子で目を丸くしていた。
あれだけ告白されまくってて一度も悩むそぶりもなく速攻で断ってたやつだからな。驚くのも無理はない。
「本当だって。お前も本当に好きな相手ができたらあいつの気持ちがわかるよ」
そう言っても、西条はまだよく理解はできていないようだった。まぁ、俺もカールという恋人ができるまでは、恋人に夢中になるなんて絶対にあり得ないと思っていたから、今の西条の驚きはよくわかるけどな。
いつか西条にも同じように出会いがあればいい。そうしたら今の磯山の気持ちもわかるようになるだろう。
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