エリート警察官僚はようやく見つけた運命の相手を甘やかしたくてたまらない!

波木真帆

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仕草にメロメロ

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「あの、何か……?」

私が驚いた声を出したものだから気になったのだろう。
不思議そうに尋ねられた。

「あ、いえ。お若く見えたので少し驚いただけです」

「あの、真壁さんはおいくつなんですか?」

「私は40歳です」

「えっ?」

「想像より年取ってて驚きました?」

「あ、いえ。そうではなくて……八尋さんと同じ年くらいなんだなって思って……」

また崇史さんか……。
なかなか久代さんの中から彼の存在は消せそうにない。

今、久代さんの中で私と彼が比べられているんだろうか。
崇史さんよりは私の方が若く見えると思われたいものだが……。

確か彼も同じ桜城大学だったはずだ。
学部も違うどころか、彼は入学してすぐに海外の大学に編入しているから学内で過ごしているのを見たことはないが、もし、編入しなければ彼の人気を目の当たりにしていたかもしれないな。

「確かに、彼も同じ大学のはずですよ。彼はすぐに海外の大学に編入したので関わりはありませんでしたが……」

「そうなんですね。海外の大学ってすごいですね」

「ええ。本当に」

久代さんからサラッと崇史さんを褒める言葉が出たことに少なからず嫉妬をしてしまったけれど、海外に興味を持っている久代さんだからきっとそこが気になっただけだと自分に言い聞かせた。

「とにかく、明日からは好きに過ごしてください。遠慮はしないでいいですからね」

「は、はい。ありがとうございます」

「今日はもう疲れたでしょうからお風呂にでも入って休んでください。お風呂の準備をしてきますね」

さっと立ち上がり湯を張るスイッチを押してから、風呂場に久代さん用の新しいシャンプー類を用意しておいた。これは以前、倉橋くんからもらったものだが、浅香さんも愛用していると言っていたから久代さんにも合うだろう。未開封なら三年は持つと聞いていたから、多分まだ使えるはずだ。

風呂場の準備を済ませて、久代さんの着替えを取りに行った。

コンシェルジュに頼めばこの短時間に久代さんの下着を用意することももちろんできたが、自分以外の人間が初めての下着を選ぶなんてことを許せなかった。

早めに周平さんのお店に行って久代さんの服を揃えよう。
明日のスケジュールを頭の中で組み立てながら、自分のクローゼットから新品の下着と私が気に入っているパジャマを取り出し久代さんの元に戻った。

リビングのソファーでちょこんと座っている久代さんの元に戻り、着替えを渡した。

「私のサイズなので少し大きいかもしれませんが下着は新品ですから安心してください」

「ありがとうございます。使わせていただきます」

ぺこっと頭を下げる久代さんが可愛いがここはしっかりと言っておかないとな。

「そんなに畏まらないでください。ここはもう久代さんの家だと言ったでしょう? この家にあるものは久代さんのものですよ」

「――っ、真壁さん……」

「さぁ、お風呂に入ってきてください」

笑顔で送り出すと、久代さんはまたぺこっと小さく頭を下げて脱衣所に入って行った。

脱衣所に鍵はついているが、鍵をかける音がしなかった。

あの簡単に開く扉一枚隔てた向こうで、久代さんが今ごろ裸になっているのかと思うと興奮してしまうが、仮にも警察官として覗き見をするような真似はできない。
まだ恋人でもなんでもない関係だから尚更だ。

必死に欲望を忘れるように、仕事用のスマホに手を伸ばした。

今日逮捕したマル被について、続々と被害届が提出、受理されているようだ。
今はそれの裏付け捜査をしているところだが、マル被本人のが実際に証拠映像を残しているからそれと照合する作業になる。
久代さんと崇史さんの大事な人……平松さんだったか、その人の分だけは私が対応することにしているから明日は一日その作業になるだろうな。平松さんの場合はおそらく本人が被害届を提出できないから、崇史さんに依頼された成瀬か安慶名からの告発という形になるだろう。

とりあえずは明日状況説明と被害者としてどう言った形で届を出すかの確認だな。

それらを全てまとめてスマホを置いたところで、脱衣所の扉が開く音が聞こえた。

その音に反応して、パッと顔を上げると風呂上がりでほんのりと顔を赤く染めた久代さんが私のパジャマを着てこちらに向かってくるのが見える。

「――っ!!!」

そのあまりにも可愛い姿に見惚れてしまっている自分がいた。

「あ、あの……お風呂いただきました」

「は、はい」

近づいてくる久代さんの可愛さに思わず声が上擦ってしまったが、久代さんは気づいていないみたいでホッとすると同時に、久代さんの髪がまだ濡れていることに気づいた。

「久代さん、髪を乾かしましょう。ドライヤーを持ってきますからここに座ってください」

「えっ、そんな自然かんそ――」
「風邪をひきますから乾かしましょうね」

自然乾燥でいいと言おうとする久代さんの言葉を遮って急いで脱衣所にある洗面所からドライヤーをとって戻ってきた。

「さぁ、どうぞ」

断られる前にさっと用意をして、ソファーの下にあるラグに座らせて、ドライヤーのスイッチを入れる。
滑らかな髪が私の指を通っていくだけで心地いい。

「シャンプー、久代さんに合っているようですね。よかったです」

「はい。洗っている時からいつもと違う感覚で驚きました」

さすが倉橋くんの開発するものは違うな。

あっという間に髪が乾き、ドライヤーを止めるとその艶々な髪に私だけでなく本人も驚いていた。

「自分の髪じゃないみたいです」

サラサラになったのを確かめるように首を振る久代さんが可愛い。
ああ、もう私はすっかり久代さんの虜になっているようだ。
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