この意思の意味を。

早川 詩乃

文字の大きさ
4 / 4
第一章 真宮家 対 天沢家

三話 話し合い

しおりを挟む
6月3日 火曜日 昨日色々とありすぎたせいで、まだ心から休めるような感じではない。もう天沢 美帆は攻撃を仕掛けて来るようなことはないだろうか。天気は曇りだった。

教室。朝はいつもと変わらない。鷲尾が先生に怒られていて、窓を開け、鷲を飛ばす。いつもと違ったのはお昼休みの時だった。今日は教室でパンを食べていた。クリームパンだ。薄いが餅のように長く伸びる生地に大量のクリームをはさんだ、家から少し離れたところにあるパン屋さんのものである。なかなかの美味しさだ。鷲尾は友達と学食を食べているらしい。
私が最後の一口を食べた時だった。

「純。」

不意に名前を呼ばれた。昨日散々聞いた声だ。

「何。佳織。」

鬼頭きとう佳織。手にはチョコパンを持っていた。お昼に食べるのには甘過ぎないか。私も人のことは言えないが。彼女は無言で私の前の席に腰を下ろした。
「あれからなんかあった?」
「いや·····何も。」
「そう」そう言うと彼女は無言で手に持っていたパンを食べる。理解した。つまり彼女は一緒にお昼を食べに来たのだ。この子は友達が居ないのだろうか。

「ねえ。純ってさ、友達いないの?」
「いるよ。と言うか、佳織こそ·····」
「何よ?」


「あっれー??」目障りな声が響いた。
「純に友達がいるー!!」オーバーリアクションで叫んでいるこいつは鷲尾 優だ。後ろにはさっきまで鷲尾と一緒に学食を食べていた青年がいる。青年は緑のボサボサな髪の毛にワイシャツのボタン開け、着崩している。目付きが悪く、何故かこっちを睨みつけてくるのだ。確か八代と言う苗字のサポートが得意な一族だった気がする····何度か見かけたことはあるが、名前は知らない。
「何?あんた達。純の友達?」
「そうだよ♡大親友♪赤毛の君は?名前なんて言うの?」こいつは本当にはてなが多いな…
佳織の目付きが悪くなる。後ろで睨みつけている奴のせいか。
「鬼頭 佳織よ·····」
「なるほど、鬼頭家か。まあ、そうだろうね。赤毛でつり目だし。」
「つり目って·····あっあんたこそ誰なのよっ!」その瞬間鷲尾の顔が輝く。
「俺は鷲尾家長男でイケメンな容姿をもち、バトルの腕は超一流。優秀の優、優れているの優、優しいの優。鷲尾 優だよ。」長いんだよ。自己紹介が。
「で·····その後ろの目付き悪いやつは?」
「テメーに言われたくねぇよ。このつり目女。」初めて後ろにいた青年の声を聞いた。第一印象だが、やはり柄が悪い。
「って、何なのよ。あんた達っ!!」
「でっ、このヤンキーみたいなやつが八代 康典やすのり
「俺はヤンキーじゃねぇっ!!」今、八代 康典と紹介された男が叫ぶ。いやどこからどう見てもヤンキーだろう。ピアスは開けまくっているし、目つきも悪いし。
「純、行きましょ。こんなヤツらと関わることはないわ。」いやごもっともな意見だ。佳織に手首を捕まれ、教室の外に引っ張られていく。
「私の教室に来なさい。」廊下を引っ張られながら歩く私。
「別に引っ張らなくても、歩けるから··」そういった時、声をかけられた。

「ちょっといいかな·····」

薄ピンクのショートボブに、ふわふわした声。優しそうな緑の瞳。the女の子と言う感じの子だ。少しうつむいておどおどしながら話しかけてくる。

「少し話がしたくて·····その·····美帆のことを·····真宮さんに·····」

私はこの子を知っていた。花染はなぞめ由里香ゆりか。華京六花の一つ花染家。華京町一の治癒能力を持つ家だ。あまり戦争をしているイメージはない。それどころかとても優しい一族で結構印象のいい家だ。

「話って何よ?」佳織が言う。
「いや·····鬼頭家には関係ない話だよ。」雰囲気でだが、二人には面識があるような気がした。
「真宮さんに言いたいことがあって·····」
「どうしたの?花染さん」
俯きながら上目遣いで彼女は言う。

「2日後の夜····天沢家と水無家で戦争が起こるかも·····」

水無家と天沢家が仲が悪いのは知っていたが常に冷戦状態だった。この二つの家が戦争になるなんてたしか七年ぶりだ。それどころかここ五年はかなり平和だった。小さな名門家同士の戦いは今もあり、悲しい事に死者や怪我人が出続けている。だが、大きな名門家同士がぶつかり合う時、その名門家の傘下にある家も総動員で参加しないといけないため、規模が大きくなり、かなりの死者や怪我人がでる。水無家の傘下の一つ鷲尾家も行かないといけないだろう。だが、思った。
「それをなんで私に?」
「実はこれ·····真宮家も関係しているの。」どういうことだ·····天沢家と真宮家が対立していることに関係があるのか·····

「それってどういう·····」
「ごめん。これ以上は言えなくて·····」
「はあ?何なのよ。あんた。言いたいことがあるのならはっきり喋りなさい。」佳織が言う。すると花染さんはむっとしたのか。
「私は真宮さんと話したいの。佳織は黙っといてっ」やはりこの二人には面識がある。まあ同じ華京六家だし無いことではないだろう。
「ごめんね。真宮さん。私·····本当に詳しいことは言えなくて·····でも絶対後々分かるから」そう言うと走って言った。なんだったんだ一体·····
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

【完結】悪役令嬢ですが、断罪した側が先に壊れました

あめとおと
恋愛
三日後、私は断罪される。 そう理解したうえで、悪役令嬢アリアンナは今日も王国のために働いていた。 平民出身のヒロインの「善意」、 王太子の「優しさ」、 そしてそれらが生み出す無数の歪み。 感情論で壊されていく現実を、誰にも知られず修正してきたのは――“悪役”と呼ばれる彼女だった。 やがて訪れる断罪。婚約破棄。国外追放。 それでも彼女は泣かず、縋らず、弁明もしない。 なぜなら、間違っていたつもりは一度もないから。 これは、 「断罪される側」が最後まで正しかった物語。 そして、悪役令嬢が舞台を降りた“その後”に始まる、静かで確かな人生の物語。

【完結】私が愛されるのを見ていなさい

芹澤紗凪
恋愛
虐げられた少女の、最も残酷で最も華麗な復讐劇。(全6話の予定) 公爵家で、天使の仮面を被った義理の妹、ララフィーナに全てを奪われたディディアラ。 絶望の淵で、彼女は一族に伝わる「血縁者の姿と入れ替わる」という特殊能力に目覚める。 ディディアラは、憎き義妹と入れ替わることを決意。 完璧な令嬢として振る舞いながら、自分を陥れた者たちを内側から崩壊させていく。  立場と顔が入れ替わった二人の少女が織りなす、壮絶なダークファンタジー。

処理中です...