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第三章 探求
貸金庫の場所
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休日の朝、遮光用のカーテンを開いて日の光を取り入れる。日増しに暖かくなる春の日差しだ。テレビのニュースで、あちこちで桜の開花宣言がなされたと言っている。リビングに漏れ入るその光を見ていると、そろそろ、貸金庫のことが知りたくなった。よく映画などで見かける貸金庫は、富裕な人たちが銀行に所持している秘密の金庫だ。欧米のスパイ映画などでは、スイス銀行に厳重に管理されているものを見たことがある。
自宅のリビングにあるパソコンの前に座り、貸金庫とはそもそもどういうものかを詳しく知ろうと思い、手始めに著名なスイス銀行の貸金庫のことをネットで調べてみた。すると、実際にスイス銀行には貸金庫があった。ただし、誰でも貸金庫を利用できる訳ではなく、億単位の預金のある口座を所有する人だけが、その貸金庫を持てることがわかった。
詩はパソコンの画面に表示されているその必要な預金の金額に思わず言葉を飲んだ。いっちゃんの貸金庫に多額の資金が入っているとは思わないのだが、少しドキドキした。
ただ、手元にある貸金庫のカードには銀行名の表示はなかった。代わりにこの貸金庫を運営する企業の名称が記載されていた。てっきり貸金庫というものは、銀行が運営するものだと思っていたのだが、これはそうではないようだ。とするとこの貸金庫とは一体何だろうと思い、カードの表面に記載されている企業名をネットで検索してみた。
パソコンのモニター画面を見てみると、その企業が提供するサービスの一覧に貸金庫という事業があり、個人の所有物を保管するためのサービスを提供していることがわかった。要はトランクルームの一種のようなもので、その企業が個人に対してセキュリティを完備した金庫を貸し出していることがわかった。ただ、金庫と言っても一般の人が想像する頑強なドアが付いたような大きなものではなくて、鍵のかかる金属製の箱が一つ貸し出されるといったものだった。
いずれにしろ、金融機関が運営するような厳格なものではなさそうだったので、窓口でいっちゃんとの関係を問い詰められることもなさそうだった。そもそも、もし高額なものが入っていたら、相続の話しになるので、いっちゃんの実家の両親に報告に行こうと決めていた。
ただ、そうは言っても、いつか貸金庫を開けに行くために貸金庫の利用方法を確認しておくことにした。ネットに記載された情報を確認すると、その貸金庫の出し入が出来る部屋に入るには、専用のカードと暗証番号が必要になることがわかった。それが今、私の手元にあるこのカードだ。
ただし、注意事項に暗唱番号の入力を4回間違えるとロックがかかってしまうという記載があった。やはり、確実に暗証番号がわからない限り、貸金庫のある部屋に行って、むやみに暗証番号を入力するのはとても危険だ。万一、ロックがかかると亡くなった彼の代わりにロックを外す方法はまずないと思われる。
更に暗唱番号を入手した上で無事に部屋に入ってからも、貸金庫には個別に鍵がかかっている。その貸金庫の鍵が、このカードの裏にセロテープで貼り付けられていたこの鍵なのだろう。きっと、貸金庫を利用する契約をした際に、会社からいっちゃんに貸し出されたのだろう。この鍵で、引き出しの鍵穴を開錠してようやく貸金庫の中身に到達できるみたいだ。確かに厳重なセキュリティだ。いっちゃんが大切なものを保管するために、この貸金庫を利用したのもよくわかる。
更にネット上のその会社の貸金庫の説明を読んでいくと、貸金庫の利用料は口座からの自動引落としになっていることがわかった。なるほど、今更ながらいっちゃんのメッセージがよく理解できた。誰も知らないネット口座から自動引落としになっているので、彼が亡くなった後もこの貸金庫は今も存在しているんだ。
違う言葉で言うと、この世から去った後に誰にも知られることなく、何かをこの世界に安全に残しておく方法は他に思いつかない。ネット口座の残高がいくらなのかは気になるが、メッセージで謎解きに時間をかけても良いとあったので、それなりの金額はあるように思えた。
最後に暗証番号がわからない今はそこに行かないとしても、そもそも貸金庫はどこにあるのか気になったので、貸金庫の場所をネットで確認してみた。すると、その場所は彼の実家や私の住居の近くではなく、ある港湾都市だとわかった。
「この場所って…」
思わず言葉を発した自分に気づいて少し驚いた。ドライブ帰りにサンルーフの車からロマンチックなオリオン座を彼と眺めたあの港湾都市だった。もしかして、あの頃からいっちゃんは、この貸金庫を借りていたのだろうか。一体、その貸金庫の中には何が保管されているのだろう。貸金庫の中身が気になる。
早く茶室の図書館にある書籍を全て確認してみようと、詩はあらためて思った。そうすれば、私にしかわからない暗証番号が判明するはずだ。いっちゃんのメッセージは、私にそう伝えている。
自宅のリビングにあるパソコンの前に座り、貸金庫とはそもそもどういうものかを詳しく知ろうと思い、手始めに著名なスイス銀行の貸金庫のことをネットで調べてみた。すると、実際にスイス銀行には貸金庫があった。ただし、誰でも貸金庫を利用できる訳ではなく、億単位の預金のある口座を所有する人だけが、その貸金庫を持てることがわかった。
詩はパソコンの画面に表示されているその必要な預金の金額に思わず言葉を飲んだ。いっちゃんの貸金庫に多額の資金が入っているとは思わないのだが、少しドキドキした。
ただ、手元にある貸金庫のカードには銀行名の表示はなかった。代わりにこの貸金庫を運営する企業の名称が記載されていた。てっきり貸金庫というものは、銀行が運営するものだと思っていたのだが、これはそうではないようだ。とするとこの貸金庫とは一体何だろうと思い、カードの表面に記載されている企業名をネットで検索してみた。
パソコンのモニター画面を見てみると、その企業が提供するサービスの一覧に貸金庫という事業があり、個人の所有物を保管するためのサービスを提供していることがわかった。要はトランクルームの一種のようなもので、その企業が個人に対してセキュリティを完備した金庫を貸し出していることがわかった。ただ、金庫と言っても一般の人が想像する頑強なドアが付いたような大きなものではなくて、鍵のかかる金属製の箱が一つ貸し出されるといったものだった。
いずれにしろ、金融機関が運営するような厳格なものではなさそうだったので、窓口でいっちゃんとの関係を問い詰められることもなさそうだった。そもそも、もし高額なものが入っていたら、相続の話しになるので、いっちゃんの実家の両親に報告に行こうと決めていた。
ただ、そうは言っても、いつか貸金庫を開けに行くために貸金庫の利用方法を確認しておくことにした。ネットに記載された情報を確認すると、その貸金庫の出し入が出来る部屋に入るには、専用のカードと暗証番号が必要になることがわかった。それが今、私の手元にあるこのカードだ。
ただし、注意事項に暗唱番号の入力を4回間違えるとロックがかかってしまうという記載があった。やはり、確実に暗証番号がわからない限り、貸金庫のある部屋に行って、むやみに暗証番号を入力するのはとても危険だ。万一、ロックがかかると亡くなった彼の代わりにロックを外す方法はまずないと思われる。
更に暗唱番号を入手した上で無事に部屋に入ってからも、貸金庫には個別に鍵がかかっている。その貸金庫の鍵が、このカードの裏にセロテープで貼り付けられていたこの鍵なのだろう。きっと、貸金庫を利用する契約をした際に、会社からいっちゃんに貸し出されたのだろう。この鍵で、引き出しの鍵穴を開錠してようやく貸金庫の中身に到達できるみたいだ。確かに厳重なセキュリティだ。いっちゃんが大切なものを保管するために、この貸金庫を利用したのもよくわかる。
更にネット上のその会社の貸金庫の説明を読んでいくと、貸金庫の利用料は口座からの自動引落としになっていることがわかった。なるほど、今更ながらいっちゃんのメッセージがよく理解できた。誰も知らないネット口座から自動引落としになっているので、彼が亡くなった後もこの貸金庫は今も存在しているんだ。
違う言葉で言うと、この世から去った後に誰にも知られることなく、何かをこの世界に安全に残しておく方法は他に思いつかない。ネット口座の残高がいくらなのかは気になるが、メッセージで謎解きに時間をかけても良いとあったので、それなりの金額はあるように思えた。
最後に暗証番号がわからない今はそこに行かないとしても、そもそも貸金庫はどこにあるのか気になったので、貸金庫の場所をネットで確認してみた。すると、その場所は彼の実家や私の住居の近くではなく、ある港湾都市だとわかった。
「この場所って…」
思わず言葉を発した自分に気づいて少し驚いた。ドライブ帰りにサンルーフの車からロマンチックなオリオン座を彼と眺めたあの港湾都市だった。もしかして、あの頃からいっちゃんは、この貸金庫を借りていたのだろうか。一体、その貸金庫の中には何が保管されているのだろう。貸金庫の中身が気になる。
早く茶室の図書館にある書籍を全て確認してみようと、詩はあらためて思った。そうすれば、私にしかわからない暗証番号が判明するはずだ。いっちゃんのメッセージは、私にそう伝えている。
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