50 / 97
第三章 探求
段ボール箱の山
しおりを挟む
さて、あらためてリビングに届けられた段ボール箱の山を眺めてみる。未開封の箱が全部で5箱ある。先日の分と合わせると、合計6箱届いたことになる。全ての箱を開封した後、その書籍を整理するための収納ボックスを買おう。そうしないと、どれが何の種類の本はわからなくなる。今度、ネットで発注しておこうと思った。
いずれにしろ、今日、これを全部開けて読むのはとても無理な量なので、一箱だけ開けて中身を確認することにした。手っ取り早く、一番手前にある箱を開けてみると、一番上に星座の起源という本が入っていた。星が好きだったいっちゃんが持っているのに相応しい本だ。いったい誰がどこで星座を考えたのかとかいう星座の起源など、今まで考えたこともなかったが、興味深かったのでその本を開いてみた。
その本には、各国の星座の歴史が紹介されていた。書籍を取り寄せたのは、貸金庫の暗証番号に繋がる書き込みを確認することが目的だったが、いつしか時が経つのも忘れて、詩は本の内容を読みふけっていた。
星座のルーツをたどると古くはメソポタミアの羊飼い達の時代に遡るらしい。その多くが古代ギリシャに伝わって神話になり、現在に伝わっているみたいだ。神話って真実の伝承という言葉を思い出した。
例えば、いっちゃんが大好きだったオリオン座の起源も歴史で習ったメソポタミア文明の頃に遡るようだ。他にも私たちが、恋愛相談などに使っている星占いの星座の起源も、実はこんな古い時代に考え出されたものらしい。インターネットが普及した21世紀の今も、何千年前の太古の人と同じ星座を見ているなんて、なんかロマンチックだなと感じた。
そう、この箱の中身は、天文学のコーナーの本、天文学研究所FI/3の参考資料だ。茶室の図書館を入り口から入っての左側の本箱に収納されていた書籍だ。
茶室の図書館で本を開いたときから気になっていたが、特に古代エジプトの星座の説明の箇所に下線が引いてある。例えば、王家の墓の天井には星が描かれていて、古代エジプトはメソポタミアと並んで星への関心が強かったことが記されている箇所に下線が引いてある。歴史で学んだように紀元前3000年くらいの大昔の話しだ。
茶室の図書館で目に留まった背表紙にピラミッドの写真が掲載された本の中身は、オリオン座に関する内容だった。その本にはたくさんの書き込みがあり、それらの箇所の下りをざっと読んでみると、ギザの三大ピラミッドの配置が、オリオン座の三ツ星の配置と合致することが証明されたということらしい。
これは、いっちゃんが私に書いてくれた七日間物語にあったお話しだ。『僕はリゲル、君はベテルギウス』、いっちゃんはオリオン座のことを調べていて、エジプトに関心を持ったのだろうか。それともエジプトに関心があって、オリオン座を好きになったのか。いずれにしろ、詳しくはわからないが、いっちゃんは、星と古代の歴史が繋がっていることを知っていたのだと感じた。
さらに段ボール箱の本を取り出していくと、ここは天文学のコーナーなので、日の出・日の入りの計算法という本もあった。たくさんの数式が書かれていて、数学的な知識が要求される本だった。
数学の記号が入った数式にたくさん書き込みがあった。理科と数学が得意ないっちゃんは、これを理解していたのだろうなと思った。
ある土地の春分の日にどの星がいつ昇るのか、この本の数式を使えば計算できるらしい。そういえば、ピラミッドは正確に天体の動きを考慮して設計されていたようだが、そのためには古代エジプトの神官達はそんな太古の時代にこの天文学の数式を完璧に理解していたということになる。
コンピュータも発明されていない太古の時代に、どうやってそんな計算が出来たのだろう。神官達は、タイムトラベルでもしていたのだろうか。星に関する数多くの書籍を読み進むにつれて、詩はふとそんなことを思った。
開封した箱の中にある残りの書籍は、相対性理論やビッグバーンといった科学の本だった。これは、宇宙物理学研究所FI/4の蔵書だ。読み解いていくのに、時間がかかりそうなので、今日の調査はこの辺にしてまた別の日にそれらの書籍を確認しようと思った。そもそも段ボール箱はまだたくさんある。
いずれにしろ、今日、これを全部開けて読むのはとても無理な量なので、一箱だけ開けて中身を確認することにした。手っ取り早く、一番手前にある箱を開けてみると、一番上に星座の起源という本が入っていた。星が好きだったいっちゃんが持っているのに相応しい本だ。いったい誰がどこで星座を考えたのかとかいう星座の起源など、今まで考えたこともなかったが、興味深かったのでその本を開いてみた。
その本には、各国の星座の歴史が紹介されていた。書籍を取り寄せたのは、貸金庫の暗証番号に繋がる書き込みを確認することが目的だったが、いつしか時が経つのも忘れて、詩は本の内容を読みふけっていた。
星座のルーツをたどると古くはメソポタミアの羊飼い達の時代に遡るらしい。その多くが古代ギリシャに伝わって神話になり、現在に伝わっているみたいだ。神話って真実の伝承という言葉を思い出した。
例えば、いっちゃんが大好きだったオリオン座の起源も歴史で習ったメソポタミア文明の頃に遡るようだ。他にも私たちが、恋愛相談などに使っている星占いの星座の起源も、実はこんな古い時代に考え出されたものらしい。インターネットが普及した21世紀の今も、何千年前の太古の人と同じ星座を見ているなんて、なんかロマンチックだなと感じた。
そう、この箱の中身は、天文学のコーナーの本、天文学研究所FI/3の参考資料だ。茶室の図書館を入り口から入っての左側の本箱に収納されていた書籍だ。
茶室の図書館で本を開いたときから気になっていたが、特に古代エジプトの星座の説明の箇所に下線が引いてある。例えば、王家の墓の天井には星が描かれていて、古代エジプトはメソポタミアと並んで星への関心が強かったことが記されている箇所に下線が引いてある。歴史で学んだように紀元前3000年くらいの大昔の話しだ。
茶室の図書館で目に留まった背表紙にピラミッドの写真が掲載された本の中身は、オリオン座に関する内容だった。その本にはたくさんの書き込みがあり、それらの箇所の下りをざっと読んでみると、ギザの三大ピラミッドの配置が、オリオン座の三ツ星の配置と合致することが証明されたということらしい。
これは、いっちゃんが私に書いてくれた七日間物語にあったお話しだ。『僕はリゲル、君はベテルギウス』、いっちゃんはオリオン座のことを調べていて、エジプトに関心を持ったのだろうか。それともエジプトに関心があって、オリオン座を好きになったのか。いずれにしろ、詳しくはわからないが、いっちゃんは、星と古代の歴史が繋がっていることを知っていたのだと感じた。
さらに段ボール箱の本を取り出していくと、ここは天文学のコーナーなので、日の出・日の入りの計算法という本もあった。たくさんの数式が書かれていて、数学的な知識が要求される本だった。
数学の記号が入った数式にたくさん書き込みがあった。理科と数学が得意ないっちゃんは、これを理解していたのだろうなと思った。
ある土地の春分の日にどの星がいつ昇るのか、この本の数式を使えば計算できるらしい。そういえば、ピラミッドは正確に天体の動きを考慮して設計されていたようだが、そのためには古代エジプトの神官達はそんな太古の時代にこの天文学の数式を完璧に理解していたということになる。
コンピュータも発明されていない太古の時代に、どうやってそんな計算が出来たのだろう。神官達は、タイムトラベルでもしていたのだろうか。星に関する数多くの書籍を読み進むにつれて、詩はふとそんなことを思った。
開封した箱の中にある残りの書籍は、相対性理論やビッグバーンといった科学の本だった。これは、宇宙物理学研究所FI/4の蔵書だ。読み解いていくのに、時間がかかりそうなので、今日の調査はこの辺にしてまた別の日にそれらの書籍を確認しようと思った。そもそも段ボール箱はまだたくさんある。
15
あなたにおすすめの小説
皇帝陛下!私はただの専属給仕です!
mock
恋愛
食に関してうるさいリーネ国皇帝陛下のカーブス陛下。
戦いには全く興味なく、美味しい食べ物を食べる事が唯一の幸せ。
ただ、気に入らないとすぐ解雇されるシェフ等の世界に投げ込まれた私、マール。
胃袋を掴む中で…陛下と過ごす毎日が楽しく徐々に恋心が…。
声を聞かせて
はるきりょう
恋愛
動物の声が聞こえる彼女と冷たい第二王子の物語。完成しました。
「……反対されない、というのは、寂しいことだと思いますの。だから…私が反対してさしあげます」
サーシャは最上級の笑顔を浮かべた。そして、思い切り息を吸い込む。
「何でも思い通りいくと思うなよ、くそ王子!!」
「サ、サーシャ様!?」
なりゆきを見守っていたハリオが慌てたようにサーシャの名を呼んだ。一国の王子への暴言は不敬罪で捕まりかねない。けれど、言わずにはいられなかった。
そんなサーシャの言動にユリウスは一瞬目を丸くし、しかしすぐに楽しそうに笑った。
「お前面白いな。本当に気に入った」
小説家になろうサイト様にも掲載してします。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
【完結】エレクトラの婚約者
buchi
恋愛
しっかり者だが自己評価低めのエレクトラ。婚約相手は年下の美少年。迷うわー
エレクトラは、平凡な伯爵令嬢。
父の再婚で家に乗り込んできた義母と義姉たちにいいようにあしらわれ、困り果てていた。
そこへ父がエレクトラに縁談を持ち込むが、二歳年下の少年で爵位もなければ金持ちでもない。
エレクトラは悩むが、義母は借金のカタにエレクトラに別な縁談を押し付けてきた。
もう自立するわ!とエレクトラは親友の王弟殿下の娘の侍女になろうと決意を固めるが……
11万字とちょっと長め。
謙虚過ぎる性格のエレクトラと、優しいけど訳アリの高貴な三人の女友達、実は執着強めの天才肌の婚約予定者、扱いに困る義母と義姉が出てきます。暇つぶしにどうぞ。
タグにざまぁが付いていますが、義母や義姉たちが命に別状があったり、とことんひどいことになるザマァではないです。
まあ、そうなるよね〜みたいな因果応報的なざまぁです。
愛しの第一王子殿下
みつまめ つぼみ
恋愛
公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。
そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。
クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。
そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。
不能と噂される皇帝の後宮に放り込まれた姫は恩返しをする
矢野りと
恋愛
不能と噂される隣国の皇帝の後宮に、牛100頭と交換で送り込まれた貧乏小国の姫。
『なんでですか!せめて牛150頭と交換してほしかったですー』と叫んでいる。
『フンガァッ』と鼻息荒く女達の戦いの場に勢い込んで来てみれば、そこはまったりパラダイスだった…。
『なんか悪いですわね~♪』と三食昼寝付き生活を満喫する姫は自分の特技を活かして皇帝に恩返しすることに。
不能?な皇帝と勘違い姫の恋の行方はどうなるのか。
※設定はゆるいです。
※たくさん笑ってください♪
※お気に入り登録、感想有り難うございます♪執筆の励みにしております!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる