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魅了する妹
しおりを挟む「お姉ちゃんには悪いけど、婚約者貰っちゃうね。」
「え!!婚約者は駄目。本当に……止めて頂戴。」
「だってロメン王子格好いいし、将来のこの国の王様でしょ?それに、王様の妻ってことは王妃になれるってことだし………毎回お姉ちゃんには悪いけど、ロメン王子のこと魅了しちゃうね?」
「止めて!!本当にそれだけは……私の唯一大事な人なの。」
「まだ他にもいい相手はいると思うから…頑張って。」
「止めてぇぇぇ!!」
ルンルンと上機嫌に走る妹に、私は泣き叫ぶ。
だけど、妹は止まる素振りを全く見せず、逆に走るスピードを速めた。
あぁ……終わった。
婚約者も奪われるのか。
私の妹であるカーナは、一つ歳が下の美少女である。
母さんや父さんから受け継いだ綺麗な金髪とくっきりとした青い目が特徴的で、私と顔がよく似ている。
そんな妹だが、一つだけ圧倒的に違うことがある。
それは、魅了スキルを持っているということだ。
妹はこの魅了スキルを、お母さんや父さんなどの親からメイド達や使用人にまで使い、物凄く妹は愛された。それはもう、妹と私が同じことをしたら妹だけ褒められたり、誰でも出来そうな簡単なことをするだけで撫でられたり、「カーナの誕生日プレゼントを凄い物にしたいから、誕生日プレゼントはこれで我慢して。」と、この庭に咲いている花を一輪抜いてそのまま渡されたり。
私は、妹のように愛される為に努力をした。
必死に作法などを勉強したり、花嫁修行のような物もやった。
だけど、全く私は相手にされない。
いつもお母さんや父さんは、妹の側にいる。
だから、私はいつも一人だった。
だけど、私の婚約者のロメン王子はそんな私に、話をしてくれたり優しくしてくれた。特に、「いつも一人で居るから寂しくないように」と、ボロボロだけど、どこか愛らしいロメン王子が自ら作ったウサギの人形をプレゼントされた時は、泣くほど嬉しかった。
このウサギの人形のお陰で、私は一人でも頑張れた。
だけど、ロメン王子を奪われたら私……
これから起きることを想像した私は、その場で泣き崩れる。
綺麗な花が咲くこの花園。
いい香りで、いつも何かされる度に私はここに来て、毎回この落ち着くような香りで心を癒して貰うのだけど、今回ばかりは立ち直れそうにない。
花園の手入れをするメイド達の冷たい視線が私を更に傷付ける。
走っていく妹を、私は睨みつける。
私にも、妹のように「魅了」スキルを持っていたら……
悔しさと絶望が私を可笑しくさせようとする。
ふざけるな。ふざけるな。
散々奪っといて、婚約者まで奪うな。
私と貴女は年が一つ違うだけ。
何が違うっていうの………
花の香りで包まれる中、私は一人悲しく泣いた。
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