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満月の月の日に
しおりを挟む息が苦しい。
上に誰か乗っているのだろうか。
必死に呼吸をしようと口を開けるも、気管が上手く開かない。
呼吸がーー
まん丸に膨らんだ月を見ながら、何処か月を彼に代えて布団に潜った今夜。
苦しさを感じながらも目を開くと、そこには私の上に跨がる妹が居た。
「ちっ。目を醒ましちゃいましたか。さっさとくたばって下さいよお姉さま。しぶといのは嫌われます。」
「な、何でぇ……ゴホッゴホッ。」
「そんなの当たり前じゃないですか?―――私にバレてないとでも思っていたの?アレンのお前に対する態度と私に対する態度の違いは、前々から気付いていたんだよ?それに、今日だって嘘ついたよな。この私に!!あの後デートの日程を立てたりしたけど、全然楽しそうじゃなかった。それも全て、お前が居たからだ。赤髪の癖に……私の邪魔をするな!!」
私の首を締める力が更に強くなる。
幸い、階段から突き落とされたりして何度も指を骨折しているお陰か、痛みはそこまで感じないが、やはり息が出来ないとなると苦しい。体に力を入れて抵抗しようとしても、空気が足りないのかあまり力が入らずびくともしない。
走馬灯という奴だろうか。
アレンと楽しんだ昔の日々が思い浮かんでくる。
初めてキスをした日や、一日中二人で何もせず抱き合っていた日。それに、二人でお風呂に入った恥ずかしい日や、今はラエアに奪われてしまったが、婚約指輪を渡されて思わず泣いてしまった私の誕生日。
浮かんでくるもの全てが、アレンに関する物だった。
アレンと一緒に居る私は、いつも輝いていた。
本当なら、ラエアに何か奪われずにあのままアレンと結婚して、アレンの子供を産んで、二人で甘々な空間を作っていきたかったが、今はそんなことは出来ない。
むしろ、赤髪の私がこれだけの幸せを感じることが出来ただけでも幸福なことかもしれない。
沢山の幸せを貰った貴方には、何も恩を返すことが出来なかった私だけど、どうかこんな私を許して下さい。
そして、ありがとう。
いつか、また次の世界で会うことが出来たらその時はまた―――――
「何やってるんだこの人殺し!! ローズを離せ!!」
「な、何でアレン様がここに。」
え?
私は意識が遠くなっていく時に聞こえた言葉に、私は耳を疑う。
アレン? アレンが居るの?でも、どうして? それとも、これは幻聴?
窓から差し込む満月の光に包まれたまま、私は再び眠りについた。
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