これから君と

第一章 始まり

８，

＿＿＿認められなかったら帰ってこれない。
それでもその武器を買うか？

その言葉はとても重かった。
帰ってこれない、思わずその武器を見てしまった。

もし認められなかったら、帰ってこられないのかもしれない。
でも、認められた時、この武器はきっと僕たちの助けになるそう思った。

アルを見ると険しい表情をしていた。
きっと止めたいんだろうでも、僕がきっと挑戦することに気づいたんだろうな。
止めたいけど止めることができない、きっとアルは僕の考えに気づいている。
だから僕も覚悟を決めた。

「買います。」

「……そうか、ならこっちについてきな。安全に試練を受けれる場所を案内してやる。」

そういわれガラランドさんの後をアルと一緒についていった。

「この場所で受けるといい。どのくらいかかるかはわからないからな。それから以前お前と一緒で選ばれた者もいたがそいつは帰ってこれなかった。そのまま死んじまったんだ。それでもいいんだな？」

「はい、僕は絶対に帰ってきます。」

それから簡易ベッドの上で横になり、武器の世界に行くための方法を聞いた。

「今教えたことを唱えろ。」
『我、この力を欲するもの、我を主と認め生涯ともに戦うことを望む。』

そう唱えると二つあるうちの白のほうが光った。

あまりのまぶしさに目をつむった。

光がおさまり目を開けるとあたり一面が真っ赤に染まっていた。

…ここは？
もしかしてここがあの武器の世界なのか？

【いらっしゃい。君は挑戦者かな？】

そう言って目の前に現れたのはかわいらしい女の子だった。
挑戦者…そうだね、「うん、挑戦者だよ。」

女の子は自分のことをモクと名乗った。
それから、試練はもう始まっているとも。
試練の内容は、ここから出ることだった。
出れるといいね？、女の子はそう言って笑顔で消えた。

すると、突然視界が変わり、あたりが暗くなった。
奥のほうにかすかな光が見えたのでそちらのほうに向かうことにした。

奥のほうに行くと小さい頃の自分が膝を抱えてうずくまっていた。
小さい自分は傷だらけで目も虚ろだった。

そんな小さい僕の前に父が立っていて、僕を冷めた目で見降ろしていた。
その後使用人たちがやってきて嘲笑って何かをしゃべっていた。
それから場面が変わり使用人に叩かれていた。

それを見た瞬間から、体から冷や汗が流れ、動悸が激しくなったの感じた。

──痛い、痛いよぉ。どうしてこんなことするの？

僕はそうしゃべったが誰も答えなかった。

殴って満足したのかスッキリした顔で使用人はちょうどいい運動になったよそう言った。

それからも殴られ続ける僕を見ていただって僕には何もできない。

あれからどのくらい時間がたっただろうか。
ずっと殴られているのを見ていた。
そして気づいたら僕が殴られていた。

殴られすぎて痛みすら感じなくなってきた。
意識ももうろうとするし、もうイヤだ。

きっと僕には誰もいないんだ。
ずっと小さい時から一人でそれはきっと変わらないんだろう。

そう思うと急に視界が暗くなった。