これから君と

第一章 始まり

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あれから一か月くらいだろうか
いまだに王子がこの街にいて、なかなか自由に出歩くことができなくなっていた。

「はぁぁ、いつになったら王子サマはこの街から出ていくわけ？」

そう思うなら自分たちがこの街を出ればいいのだろうが、そうもいかなくなった。

なぜなら街を離れる際には必ず検問がされるようになったのだ。

なんでも、この街に2人組の指名手配犯がいて王族の物を盗んだという理由で検問をしているようだった。

そのため、2人組はもちろん、バラバラに出るという可能性があるため全員が検問されるのだ。

「確かに、いい加減うざいよなぁ」

この調子では思うように活動することができない、それにこの街にはわけありの人たちもいるわけで、街全体が苛立っている気がする。

さらに、王子さまはギルドにまで、調査の範囲を広げようとしている。

鉄則として国はギルドに依頼以外で関与することはできない。

しかし、騎士達はギルド内にある酒屋で、ギルド内を監視していた。

探している人物に似ている人がいれば、その人物がギルドを出るのをみて、追いかけている。

そのため、ほとんどの人がギルドに寄り付かなくなっていた。

そのせいか依頼が減少していき、冒険者の間では常に依頼をめぐっての争いが増えていった。

「ねぇアル、そろそろあきらめると思う？」

レイは出かける準備をしていたアルにそう尋ねた。
いつまでもいるために、宿から動くことができなかったため、レイはじっとしているのが飽きてきていたようだった。

「どうだろうね、めんどくさいけどこの街から出て違う場所で活動しようか？」

この街を出るには検問を通る必要があるがよくよく考えてみたら変装しているし愛し子だとばれるかのせいは低いはずなので普通にしていれば通過できるかもしれないのだ。

「それもありだね、僕たち変装しているし。ばれたらそのときは強行突破でもいいかもね」

「じゃあ、護衛の依頼を受けてそれでこの街を出ようか」と答えた。

レイはアルと一緒にギルドへ行く準備をした。

「護衛の依頼あるといいなぁ」