これから君のところへ

レインボー

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「これから貴様の裁判を始める。なにかいいたいことはあるか?」
「あるよ」
あぁ、ついに始まった。
僕は自分のやったことが悪いとは思わない。
 ─────────────────
僕の名前はルノー
僕は、皆から嫌われている。
呪いの象徴とされる黒髪に赤い目をもって生まれたから、それでも五歳くらいまでは大事にされていた記憶はある。
僕が六歳の誕生日の時、お母さんが死んだ。
周りの大人たちはお母さんがいたから僕に優しくしていただけだった。
そしてその日から、ご飯は不味かったけどもらえた。
でも僕を殴ったり蹴ったりしてきた。
やめて、痛いって何度も言った。でも、皆笑ってやめてくれなかった。父親でさえも見て見ぬふりをした。
この国では12歳から学園に通う必要があって、お父さんが世間体をきにして、僕は通っていた。
学園に通って二年がたった頃かな?
僕はそこで君を見つけた。
君はたくさんの人に囲まれてとても楽しそうに笑って、幸せそうだった。
でも、その子は僕と同じ見た目だった。
その時、僕はどう思ったと思う?
僕と同じ忌み子なのに、何で君は笑っていられるの?
なんで周りに人がいるの?
どうして幸せそうなのって思ったんだ。
僕はこんなに辛いのに苦しいのに。
助けを求めたって誰も助けてくれなかったのにッ
それなのに君は公爵の息子である僕に対してこういってきたよねぇ?
〝あなたが壁をつくってるから誰も寄り付けないんじゃないんですか?〟ってね。
ねぇその時、僕はどんな気持ちだったかわかる?
壁をつくってる?誰も寄り付かない?
そっちが先に〝僕〟を否定したのに。
忌み子だから、一緒にいると呪われるって言ってきたのに?
じゃあ、お前らのとなりにいるそいつはなんだ?
僕と同じ忌み子じゃないのか?
何が違うんだ?同じ忌み子だろ?
それなのに僕と一緒にいてくれた大切な人をお前らは殺した。
知ってた?
僕と一緒にいてくれた大切な人はいじめられて、最後は屋上から突き落とされたんだ。
君の周りにいるやつらにね!
その時、そいつらがなんていったかわかる?
「その男もお前に関わらなければ生きていられたのにな」って嘲笑ってきたんだ。
知らなかった?
それなのに君はなんにも知らないでのうのうと生きて僕に説教じみたことを行ってハハッ。
ほんと、無知って怖いねー。
だからむかつく。
僕と同じ苦しみを味わえばいいのに。
だから、僕はいじめたのさ。
あぁ、でも僕がやってないこともやったって言われたときすっげぇ腹立ったな~。
でも、とても楽しかったし面白かったからいいかなー?
だって、お前らがやって来たことをそっくりそのままやり返すことができたから。
  ─────────────────
「それが貴様のしでかした理由か?」
「理由?フフッそうだよ。だっておかしいでしょ?僕と同じ忌み子なのに幸せそうにいるんだから。忌み子は幸せになってはいけない。」
「ッそんなことない!皆幸せになるべきなんだ!」
「フフフッアハハッ、
 君はおかしなことを言うねぇ?
 この世界じゃあこれが当たり
 前なんだ。みんながみんな君
 みたいに愛される訳じゃな
 い」
「それはッ」
「違わないでしょ?実際に君はみてきたはずだよ」
そう、君はみてきたんだ。
それを見て見ぬふりをしていたんだ。
君が何かを言う前に僕は隠し持っていた短刀を取り出した。
本当、君らは詰めが甘いよ。
君を守るように立ってた奴らは一斉に剣を構えだした。
ハハハッ、そんなことしても意味ないのに。まぁでも都合がいいのかな?
そう思って僕は短刀を大きくふりかざし自分に刺した。
刺したときの感触ってずいぶん生々しいんだな。
あぁ痛いなぁ、けどあったかい。
口からたくさんの血をはいた。
視界は霞んで、周りの声も聞きにくくなってきた。
痛い、痛いなぁ。
これ以上の我慢はもう無理だよ。
君のいなくなった世界はとてもつまらないんだ。
だから今そっちに向かうことを許して?
「愛してるよ、アル」
来世でまた、一緒になれたらいいな……
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