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285. 3龍の洞窟3(色々分かった事)✔
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早い者で、龍の洞窟に来て十日が過ぎた。パパ龍さんの尻尾と右足も今日中には元に戻るのではないだろうか。
思考の共有化にもやっと慣れてきた。この共有化なんだけど、群れの龍が大きな怪我を負うと攻撃に対処するため、自動的に発動するんだってさ。ただ、普通は同じ龍だけに発動するらしく、なぜ俺にまで適用されているのかは謎ならしい。
きっと、チビとベビと繋がっているから、群れの一員だと認識されたのではないだろうか。パパ龍さんの怪我が治れば、思考の共有化は解除されるのかな?
早く解除して欲しい。どんなことで嫌われるか分からないから、この十日間はできるだけ何も考えないようにと意識していたんだ。
そうそう、今回の目的だった神薬エリクシアだけど、譲って貰うことになったんだ。だけど、パパ龍さんが全部使っちゃったから今すぐには渡せないと言われた。一度、使用したエリクシアに他の生物を使用してはいけないらしい。万能細胞とかだとすると設計図が暴走して、がん細胞化するのかもしれないな。がん細胞はだめだな、絶対に守るようにしよう。一ヶ所の治療に一つのエリクシアが必要なんだろうな。
もしかして、キメラとかコカドリアスも同じような方法で生み出されているのかもしれないな。遺伝子操作というか、生物の設計図の書き換えなんだろうな。
きっと、邪神の使徒に科学に精通した者がいるはずだ。なんでもそうだけど、使い方次第で善にも悪にでも変わってしまう。俺はエリクシアを手に入れても絶対に悪用はしないからね。
作り方も簡単に教えてもらったんだ。ただ、特殊な材料が多いから、作れる者は限られるだろうね。魔の森で採れる薬草に、龍の血と鱗、不死鳥の血と羽、やっぱりピンクスライム液も材料の中にあった。あと一番大事なモノが神聖力だ。
パパ龍さんが、古龍だと言っていたけれど、女神様の使いである神龍だったんだ。だから、女神様の神聖力を溜めて使うとエリクシアが作れるんだってさ。
神様の力が使われているから、神薬なんだ。名前そのままだったよ。だから欠損した部分を設計図通りに復元できるんだな。
チビとベビだが、この一週間で人化に慣れたようで、頭にあった角は殆ど目立たなくなっている。しかし、髪を生やすことができていない。ママ龍さんは生やせると言っているので、上達すればできるようになるんだろうな。
ベビが髪のない事を気にしているから、生やせるようになるまでウイッグを作ってやろう。誰か知り合いの髪の長い女性にお願いしないとね。だけど、女性は髪を大切にしているから難しいかもしれないな。
歩くのも走り回るのも完璧にできるようになっている。指の訓練のために箸を作ってみたんだが、まだうまくは使えていない。顔の表情も生き生きとしていて人間と変わらなくなってきた。
ただ、瞳が明らかに人間のそれとは違う。金色の瞳で黒色の瞳孔が、縦に細くなったり太くなったりする。まるで猫の目を見ているようだ。明るい場所では人間ではないと気が付かれてしまうだろう。あと、魔物を狩る時など意識を集中したりすると、瞳孔が細くなるみたいだ。
人間として暮らしたいなら、ウイッグとサングラスは着用した方がいいな。龍の姿でいるときと比べると威力は落ちてしまうが、口から火炎を吐くこともできるし、風の魔法も使える。その辺の魔物に対してなら、人化したままでも十分な威力がある。
ちなみに、この人化の魔道具だけど神聖力が使われているそうだ。女神様の話を聞いてから、そうではないかなと思っていたが、その通りだった。
精霊力も魔力も神聖力が薄まったモノみたいだしね。この不思議な力の根源は全て神様の力という事なんだろう。
全部、パパ龍さんがポロポロと話してくれたんだ。その度にママ龍さんに叱られていたんだけどね。
ママ龍さんもあきらめたみたいで、色々なことを話して聞かせてくれ始めた。
パパ龍さんとママ龍さんだけど,千年以上生きているそうで途中から数えていないので正確には分からないんだって。千年生きた時に女神様の使いになったみたいだ。正確な年数はもう覚えてはいないって言っていた。
俺がママ龍さんと初めて会った時の事も恥ずかしそうにしながら話してくれた。女神様の依頼で、邪神教の病原菌テロを潰すために来ていたんだってさ。
食べた魔物に毒が入っていたらしく、体調を崩してしまったんだって。その時に俺と初めて会ったんだな。
パパ龍さんが来ればよかったのにと頭の中で考えたら、直ぐに、パパ龍さんから、魔大陸で邪神の使徒が作り出したキメラを討伐していたと念話が届いた。思考の共有化はこういう時には便利だよね。
結局、病原菌テロは防ぐことができなかったと、ママ龍さんが恥ずかしそうにしていたからね。でも、チビとベビは、俺の護衛のために意図して置いて帰ったみたいだからな。思考が共有化されているから考えが漏れてくるんだよね。
パパ龍さんから、『賢者様と再会できてよかった』って、思考が見えたんだけど、なんか『再会』が引っかかるんだよな。
思考の共有化にもやっと慣れてきた。この共有化なんだけど、群れの龍が大きな怪我を負うと攻撃に対処するため、自動的に発動するんだってさ。ただ、普通は同じ龍だけに発動するらしく、なぜ俺にまで適用されているのかは謎ならしい。
きっと、チビとベビと繋がっているから、群れの一員だと認識されたのではないだろうか。パパ龍さんの怪我が治れば、思考の共有化は解除されるのかな?
早く解除して欲しい。どんなことで嫌われるか分からないから、この十日間はできるだけ何も考えないようにと意識していたんだ。
そうそう、今回の目的だった神薬エリクシアだけど、譲って貰うことになったんだ。だけど、パパ龍さんが全部使っちゃったから今すぐには渡せないと言われた。一度、使用したエリクシアに他の生物を使用してはいけないらしい。万能細胞とかだとすると設計図が暴走して、がん細胞化するのかもしれないな。がん細胞はだめだな、絶対に守るようにしよう。一ヶ所の治療に一つのエリクシアが必要なんだろうな。
もしかして、キメラとかコカドリアスも同じような方法で生み出されているのかもしれないな。遺伝子操作というか、生物の設計図の書き換えなんだろうな。
きっと、邪神の使徒に科学に精通した者がいるはずだ。なんでもそうだけど、使い方次第で善にも悪にでも変わってしまう。俺はエリクシアを手に入れても絶対に悪用はしないからね。
作り方も簡単に教えてもらったんだ。ただ、特殊な材料が多いから、作れる者は限られるだろうね。魔の森で採れる薬草に、龍の血と鱗、不死鳥の血と羽、やっぱりピンクスライム液も材料の中にあった。あと一番大事なモノが神聖力だ。
パパ龍さんが、古龍だと言っていたけれど、女神様の使いである神龍だったんだ。だから、女神様の神聖力を溜めて使うとエリクシアが作れるんだってさ。
神様の力が使われているから、神薬なんだ。名前そのままだったよ。だから欠損した部分を設計図通りに復元できるんだな。
チビとベビだが、この一週間で人化に慣れたようで、頭にあった角は殆ど目立たなくなっている。しかし、髪を生やすことができていない。ママ龍さんは生やせると言っているので、上達すればできるようになるんだろうな。
ベビが髪のない事を気にしているから、生やせるようになるまでウイッグを作ってやろう。誰か知り合いの髪の長い女性にお願いしないとね。だけど、女性は髪を大切にしているから難しいかもしれないな。
歩くのも走り回るのも完璧にできるようになっている。指の訓練のために箸を作ってみたんだが、まだうまくは使えていない。顔の表情も生き生きとしていて人間と変わらなくなってきた。
ただ、瞳が明らかに人間のそれとは違う。金色の瞳で黒色の瞳孔が、縦に細くなったり太くなったりする。まるで猫の目を見ているようだ。明るい場所では人間ではないと気が付かれてしまうだろう。あと、魔物を狩る時など意識を集中したりすると、瞳孔が細くなるみたいだ。
人間として暮らしたいなら、ウイッグとサングラスは着用した方がいいな。龍の姿でいるときと比べると威力は落ちてしまうが、口から火炎を吐くこともできるし、風の魔法も使える。その辺の魔物に対してなら、人化したままでも十分な威力がある。
ちなみに、この人化の魔道具だけど神聖力が使われているそうだ。女神様の話を聞いてから、そうではないかなと思っていたが、その通りだった。
精霊力も魔力も神聖力が薄まったモノみたいだしね。この不思議な力の根源は全て神様の力という事なんだろう。
全部、パパ龍さんがポロポロと話してくれたんだ。その度にママ龍さんに叱られていたんだけどね。
ママ龍さんもあきらめたみたいで、色々なことを話して聞かせてくれ始めた。
パパ龍さんとママ龍さんだけど,千年以上生きているそうで途中から数えていないので正確には分からないんだって。千年生きた時に女神様の使いになったみたいだ。正確な年数はもう覚えてはいないって言っていた。
俺がママ龍さんと初めて会った時の事も恥ずかしそうにしながら話してくれた。女神様の依頼で、邪神教の病原菌テロを潰すために来ていたんだってさ。
食べた魔物に毒が入っていたらしく、体調を崩してしまったんだって。その時に俺と初めて会ったんだな。
パパ龍さんが来ればよかったのにと頭の中で考えたら、直ぐに、パパ龍さんから、魔大陸で邪神の使徒が作り出したキメラを討伐していたと念話が届いた。思考の共有化はこういう時には便利だよね。
結局、病原菌テロは防ぐことができなかったと、ママ龍さんが恥ずかしそうにしていたからね。でも、チビとベビは、俺の護衛のために意図して置いて帰ったみたいだからな。思考が共有化されているから考えが漏れてくるんだよね。
パパ龍さんから、『賢者様と再会できてよかった』って、思考が見えたんだけど、なんか『再会』が引っかかるんだよな。
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