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355.2 邪神教の城2(分けあって信者やっています)✔
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信者たちが慌ただしくしているお陰で怪しまれずにすんでいるが、落ち着いたら気づかれる可能性が高い。まだ、聖剣エクスカリバーを手に入れていないので邪神と鉢合わせするわけにはいかないんだ。
今回は少し離れた場所から邪神教の動きを確認する計画だったが、まさか潜入することになるなんて。降って湧いたチャンスではあるが、気づかれる前に脱出しないと警戒させることになってしまう、それは避けたいんだ。
地下を歩いてみると部屋がいくつもあり、漏れ聞こえた話し声からすると魔道具の実験も行われているようだ。
部屋から出てくる際に武器や魔道具を抱えている、保管庫のようだな。部屋の前では厳重に警備しており、中に入る際に合言葉とナイフを確認している。
何度か遭遇することができたため、聴力と視力を強化すると合言葉も聞き取れた。見せているナイフも分かった。ナイフだが、邪神教の拠点を潰した際に手に入れたナイフと同じ形をしている。柄をバラスと『髑髏の目から蛇が頭を出した彫刻』が描かれているナイフだ。
保管庫に入ることができれば聖剣エクスカリバーや棺を見つけることができるかもしれない。これだけ知ることができただけでも十分な収穫なので撤退するべきだな。
入って来た場所に戻ってみたが出入口は閉じられており、出入りする者はいなくなっていた。知られずに外に出ることは難しいだろう。
フラトゥスも一緒なので戦えば倒せるがそれでは警戒させるだけになってしまう。抜け出すチャンスを窺いもう少し様子をみることにする。
集合するようにと声が掛かりゾロゾロと信者が集まりだした。隠れる場所もないため諦めてフラトゥスと共に後について歩く。身バレするようなら戦うしかないが、それまでは信者として行動するしかないな。
広い部屋に入ると司祭らしき男が一段高くなった場所に立ち見回すようにしている。部屋のドアが閉じられると邪神教について熱弁を振るい出した。
部屋の中に怪しい匂いと煙が立ち込め、信者の様子がおかしくなってきた。幻覚剤か麻薬とかの類なのだろう、焦点の定まらない者や異様に興奮している者が出始めている。
俺の意識にも障害が出始めた。周囲に気が付かれないように癒しの魔法を体の中に循環させる。こうやって洗脳しているのかもしれないな。フラトゥスを座らせて頭に手を触れると、気づかれないように力を抑えながら癒しの魔法を流し込む。
途中から司祭はマスクのようなものを口に当てており、この煙を吸わないようにしているようだ。
周りの信者は呆けたような表情をしている者が多くなっている。表情を真似ると、フラトゥスにもマネするように小声で言う。理解はしてくれたが表情がぎこちない、真似るのは簡単ではないようだ。
俺達がパズズ国での邪神教の拠点潰しをおこなったために活動に支障が出ており、他国にいた信者を招集したそうだ。丁度その招集に巻き込まれたんだな。
喋り続けていた司祭から信者に変わった。これから適性確認を行った後に配属されると説明しているが、周りの信者は様子がおかしくなっており理解できているか怪しいものだ。
脱出はできそうにない、成り行きに任せるしかないな。適性検査は力を抜いて目立たないようにするが、力加減ができるかフラトゥスのことが心配だ。
長距離走に剣術、魔法適正も確認している。魔道具の開発に興味があるなら挙手するようにと言っている。興味はあるが流石に手を上げる気にはならない。何名か手を上げた信者がいたが必要な人数に達していないようだ。
顔を確認しながら信者の横を歩いて移動していたが、俺の横で信者が立ち止まった。
「これは隷属の魔道具か?」「そうみたいだな」
ジロジロと見られていたが『偽りの姿の魔道具』を『隷属の魔道具』と勘違いしているようだ。説明を行なっていた信者が値踏みするような目つきをしており、信者二人で話し合っている。
「こいつにしよう」「これで魔道具を製造する人数は揃った」
俺は魔道具の開発に配属されることになったみたいだ。フラトゥスは力が強かったし、あの身長だからだろう実働部隊に配属されたようだ。
ここに来て一週間が経過してしまった。心配させているだろう、なんとかして状況を伝えられるといいのだけど。
フラトゥスと顔を合わせたので、外に出れたら隙を見て、状況を伝えに戻るように依頼しておいた。
保管庫とは違う部屋で魔石爆弾の製造を教えられている。隷属の魔道具をしていると勘違いしているからだろう、重要な作業を任されているのではないだろうか。
オーガやオークの魔石が多い、ひたすら魔石に魔力を込める作業をさせられている。毎日どれくらい作業しているのか分からないが、食事と睡眠は取れているだけましなのかもしれない。
これだけ多くの魔石を保有しているという事は、迷宮に潜って魔物を討伐しているんだろうな。
寝る場所とトイレとこの部屋を行き来するだけの生活が始まって二週間が経った。保管庫の確認がしたい。
出来上がった魔石爆弾を保管庫に移動させるように指示があった。やっと違う部屋を見ることができそうだ。
今回は少し離れた場所から邪神教の動きを確認する計画だったが、まさか潜入することになるなんて。降って湧いたチャンスではあるが、気づかれる前に脱出しないと警戒させることになってしまう、それは避けたいんだ。
地下を歩いてみると部屋がいくつもあり、漏れ聞こえた話し声からすると魔道具の実験も行われているようだ。
部屋から出てくる際に武器や魔道具を抱えている、保管庫のようだな。部屋の前では厳重に警備しており、中に入る際に合言葉とナイフを確認している。
何度か遭遇することができたため、聴力と視力を強化すると合言葉も聞き取れた。見せているナイフも分かった。ナイフだが、邪神教の拠点を潰した際に手に入れたナイフと同じ形をしている。柄をバラスと『髑髏の目から蛇が頭を出した彫刻』が描かれているナイフだ。
保管庫に入ることができれば聖剣エクスカリバーや棺を見つけることができるかもしれない。これだけ知ることができただけでも十分な収穫なので撤退するべきだな。
入って来た場所に戻ってみたが出入口は閉じられており、出入りする者はいなくなっていた。知られずに外に出ることは難しいだろう。
フラトゥスも一緒なので戦えば倒せるがそれでは警戒させるだけになってしまう。抜け出すチャンスを窺いもう少し様子をみることにする。
集合するようにと声が掛かりゾロゾロと信者が集まりだした。隠れる場所もないため諦めてフラトゥスと共に後について歩く。身バレするようなら戦うしかないが、それまでは信者として行動するしかないな。
広い部屋に入ると司祭らしき男が一段高くなった場所に立ち見回すようにしている。部屋のドアが閉じられると邪神教について熱弁を振るい出した。
部屋の中に怪しい匂いと煙が立ち込め、信者の様子がおかしくなってきた。幻覚剤か麻薬とかの類なのだろう、焦点の定まらない者や異様に興奮している者が出始めている。
俺の意識にも障害が出始めた。周囲に気が付かれないように癒しの魔法を体の中に循環させる。こうやって洗脳しているのかもしれないな。フラトゥスを座らせて頭に手を触れると、気づかれないように力を抑えながら癒しの魔法を流し込む。
途中から司祭はマスクのようなものを口に当てており、この煙を吸わないようにしているようだ。
周りの信者は呆けたような表情をしている者が多くなっている。表情を真似ると、フラトゥスにもマネするように小声で言う。理解はしてくれたが表情がぎこちない、真似るのは簡単ではないようだ。
俺達がパズズ国での邪神教の拠点潰しをおこなったために活動に支障が出ており、他国にいた信者を招集したそうだ。丁度その招集に巻き込まれたんだな。
喋り続けていた司祭から信者に変わった。これから適性確認を行った後に配属されると説明しているが、周りの信者は様子がおかしくなっており理解できているか怪しいものだ。
脱出はできそうにない、成り行きに任せるしかないな。適性検査は力を抜いて目立たないようにするが、力加減ができるかフラトゥスのことが心配だ。
長距離走に剣術、魔法適正も確認している。魔道具の開発に興味があるなら挙手するようにと言っている。興味はあるが流石に手を上げる気にはならない。何名か手を上げた信者がいたが必要な人数に達していないようだ。
顔を確認しながら信者の横を歩いて移動していたが、俺の横で信者が立ち止まった。
「これは隷属の魔道具か?」「そうみたいだな」
ジロジロと見られていたが『偽りの姿の魔道具』を『隷属の魔道具』と勘違いしているようだ。説明を行なっていた信者が値踏みするような目つきをしており、信者二人で話し合っている。
「こいつにしよう」「これで魔道具を製造する人数は揃った」
俺は魔道具の開発に配属されることになったみたいだ。フラトゥスは力が強かったし、あの身長だからだろう実働部隊に配属されたようだ。
ここに来て一週間が経過してしまった。心配させているだろう、なんとかして状況を伝えられるといいのだけど。
フラトゥスと顔を合わせたので、外に出れたら隙を見て、状況を伝えに戻るように依頼しておいた。
保管庫とは違う部屋で魔石爆弾の製造を教えられている。隷属の魔道具をしていると勘違いしているからだろう、重要な作業を任されているのではないだろうか。
オーガやオークの魔石が多い、ひたすら魔石に魔力を込める作業をさせられている。毎日どれくらい作業しているのか分からないが、食事と睡眠は取れているだけましなのかもしれない。
これだけ多くの魔石を保有しているという事は、迷宮に潜って魔物を討伐しているんだろうな。
寝る場所とトイレとこの部屋を行き来するだけの生活が始まって二週間が経った。保管庫の確認がしたい。
出来上がった魔石爆弾を保管庫に移動させるように指示があった。やっと違う部屋を見ることができそうだ。
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