デゼスプワール

黒桐蒼慧

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ツンデレとヤンデレ

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「なぁそろそろ名前を教えてくれないか?」
「そういえば名前言ってなかったな。」
「俺の名前は刃(やいば)だ。」
「じゃあ改めてよろしくな刃」
何気ない会話の途中で來が突然ヤンデレとツンデレどちらが好きか聞いた。
「えっ何で急にそんなことを」
「いや~女の子にそんなことを聞けないだろ?だから男のお前に聞いたんだよ」
刃は呆れた顔をして、答えた。
「ツンデレかな、」
來は立ち上がって、叫んだ。
「我が同志よ、その心意気天晴!」
「何も言ってないんだけど・・」
刃は急に叫んで行ってもない事言いだした來に正論を放った。
「そう、ツンデレとは大体容姿が可愛く描かれているのだ。逆にヤンデレは確かに可愛いが恐怖が勝ってしまう。ツンデレの目線を少しずらした時の顔は見るだけで死んでしまいそうになる。ツンデレの娘がデレずにお礼を言うなんてのはもう天使を超えて表現が不可能な程の可愛さを誇ってしまう。君も同じ意見だろ?」
「うん、全く内容が入ってこなかった。実際好きになってくれる人がいればいいじゃないか」
來は首を振りながら、もう一度同じことを言った。
「何回説明するんですかね?」
同じ事を繰り返して説明する來に刃は一言告げた。
「バカなんですか?」
來は崩れ落ちた。同志がいたと思ったら違った。いったい刃と共感できるときを望んで必死に説明を続けた。
そんなとき潤とフェリスが歓迎会の買い出しから帰ってきた。
「うおおお!潤、潤なら分かってくれるよな!?」
妹に泣きついた來に潤は呆れてため息をこぼした。
「えっと刃さんなにがあったの?」
刃はこの数分の出来事を全て話した。
「お兄ちゃん・・・バカなの?」
「全くバカね」
來は泣いた。その場の全員から同じ言葉で罵られたのだ。

歓迎会が始まった。歓迎会ではフェリスが作ったステーキと潤の手作りのスパゲティが食卓に並んでいた。
「うわっすごい豪華・・いつもこんな感じ?」
「歓迎会だから腕によりをかけたんだよ~」
刃はステーキとスパゲティを一気に口に含んで呼吸困難になってしまった。
「そんなに焦らなくても、」
皆で歓迎会を楽しんで次の日を迎えた
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