死体は考えた

黒三鷹

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 いつの間にか眠りに着いていたらしい。部屋の中は暗く、どうやら現在は夜らしい。
 私が学生の頃、暗所恐怖症だったが、その時は部活の合宿で部員全員で泊まっていて、他の部員に見栄を張る為に肝試しに参加した事を思い出した。妄想癖もあったせいか、暗い場所が余計に怖く感じた。ハンガーに掛けられていた服を幽霊と勘違いし、腰を抜かす程だった。今はもうそんな事は無くなり、笑い話になったが、当時の私からすると笑い事では無かったのだろう。
 いつの間にか部屋が明るくなっていた。時計を見ると、7時半を指していた。看護婦が点滴を交換しに来た。看護婦の体に注目し、多少は欲情したが、どうする事も出来ない虚しさがあった。
 さて、何を考えようか、と思い、倒れた日から何日経ったか数えてみることを思い付いた。時計の下に掛けられていたカレンダーに目をやる今日は2022年の10月5日なので、3日が倒れた日らしい。
このままカウントしていって、日数の分だけあの野郎を殴ってやる。
そう決心する。気持ち拳が握れた様な気がした。

 倒れてからずっと、点滴のみで一切口から食事をしなかったこともあり、耐え難き食欲に襲われた。そのせいか妄想する事も途中で遮られる。今なら苦手だったシイタケすらも喜んで食べられる、そんな気がした。カレンダーは2023年になっていた。この時点で欲に苛まれるのなら、起き上がる迄まともな思考をする事が出来るのだろうかという不安が襲った。

 カレンダーは2033年を示していた。缶コーヒーの1割程度しか飲んでいないから10年もすれば動けるようになるだろう、という考えをした事が間違いだった。あの時、課長が不敵な笑みを浮かべていた理由が何となく分かったように思えた。という言葉を使い、量によって年数が短くなる、と私が勝手に思う事に既に気が付いていたのだろう。
 私は目の前が暗転した。


 カレンダーは2102年を示していた。60年が経過したようだ。私は動こうと思えば動けたのだろう。しかし、余りにも大き過ぎる時間を失った。寝たきりの為筋肉は衰え、長期間退屈に縛られており、考える事すらままならなかった。
微かに動かせる脳内では、
もう殺してくれ。
という言葉が浮かんで消えた。

 私が動く事は無かった。

 
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感想 1

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みんなの感想(1件)

セレン☆
2019.01.11 セレン☆

こんばんは、惹かれる題名だったので読ませていただきました(*´꒳`*)

アドバイス云々と言っていたので、遠慮なく言わせていただきます。傷ついたらごめんなさい。

私は、物語を考える上での大まかな筋書きというふうに捉えました。
主人公視点でブレずに年数毎に考える様子はよかったと思います。
コーヒーをどれだけ飲むかで生きられる年数が変わるのも逆の発想があって面白いと思いました。

ただ、ショートショートだからなのかは分かりませんが、中身がないと感じます。厳しく言いすぎたらごめんなさいなのですが、省略しすぎている部分があります。上·中と最後の終わり方はいいと思いますが、下の始めのあたりから時が進んでいく様子で、もう少し物語の展開が欲しかったかなと思います。

あとは、セリフを書く時、改行した方が読者が読みやすいですよ。

初めてだそうですので、これから磨いていけばきっと良い作品が書けると思います。
黒三鷹さんの作品、気に入りました。私にはない発想の持ち主なので、参考になりました👏
ありがとうございます☺️

2019.01.11 黒三鷹

ありがとうございます。
初めてで色々分からなかったので、遠慮なく言って頂いて助かりました。
次作へと活かしていけるよう、頑張りたいと思います。

解除

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