拒絶少女は世界を拒絶する

犬派のノラ猫

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忍び寄る厄災

どこ

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私達は買い物を終えて
事務所に戻っていた

「結構買いましたね?」

「たぶん、明日は疲れて動きたくなくなるだろうしね」

「そうねぇ~…次の日来るわよね…」

「そうなんですか?」

大人組はため息を付いている

「セツナと深花もその内分かるわよ…」

「深花なんか嫌だ」

「ストレートに言わないでくれるかしら深花…」

私達が和気あいあい?と話していると
事務所に到着したのだが…


「ナナシ…ゴンさん」

「えぇ…」

「なにかしらね」

大人組が難しそうな顔をして入り口の前に
立ち尽くしている

「あの…入らないんですか?」

「…セツナっちとシンちゃんとナナシーはここに居なさい」

「あぁ俺とゴンさんで中に入る」

「ど、どうしたのよ?」

「……気を付けてね」

ナナシさんがそうゆうとゴンさんと秋兎は
中に入っていった


「ナナシさん、どうしたんですか?」

「誰かが中に入ったっぽいわ」

「響さんと魅里ちゃんじゃ?」

「いや、違うわ」

「なんで分かるんですか?」

「匂いよ」

「匂い?」

「嗅いでみたら分かるわ」

私は入り口に近付いてみる

「うわ…何この臭い…」

病院の臭い…薬品とかアルコールとか
汗とか色々混じった臭い


「小さい隙間からこれだけ臭うんだから中は凄いでしょうね?」


「何かありましたっけ…薬品とかアルコールとか?」

「普通に救急セットとかよ…あとはタマミさんのお酒とか…」


「そんな感じじゃないですよね?」

「そんな感じだとしてもタマミさんのお酒が割れるなんておかしいでしょ?誰が暴れたのよ?」


「確かに…」

ゴンさんと秋兎が入ってからしばらくして
中から声が聞こえた

何かを叫んでる…ひ?

「響って叫んでませんか?」

「…急いで入ろう!」

ナナシさんはあせった顔をして
ドアを開け中に入った
私達も後について入った


「響!おい!響!」

秋兎の叫び声が聞こえる…リビングからだ
それもだけど…

「なんでこんなに荒らされてるの!?」

ゴンさんのお店も廊下も…そして

「事務所も」

ぐちゃぐちゃになったリビングに
秋兎が抱き起こしている意識の無い
響さんがぐったりしている


「響!おい!」

「アー君!あまり揺らしちゃダメ!」

「救急車呼ばなきゃ!」

「ま…ってください…タマミさん…」

スマホを取り出したタマミさんを止めるように
意識を取り戻した響さんは話し掛けた


「大丈夫か響!?何があった!?」

「落ち着いてください…秋兎さん」

響さんはふらふらっと立ち上がり
かろうじて座れるソファに座り

「……三下君」

「「え?」」

「あの倉庫にいた気弱そうな男が来た」

「あぁ、…アイツがこれを?」

失礼?だけどアレにこんなこと出来るかしら?
しかも響さんを倒して


「…イジられてたっぽいです」

「なるほど…新しいオモチャって訳か」

「はい。」

「それでも、響が負けるとは考えにくいんだが?」

「アイツだけなら対処できました」

「まだいたのか?」

「はい…僕と魅里が事務所のドアの前に立ったら変な臭いがしたんでおかしいとは思ったんですが…油断しました。」


「その臭いの正体が…」

「はい、もう一人の子です。」

「子…ね。」

「どんなやつだったの?」

ナナシさんは自分の定位置を直しながら質問する


「かわいい女の子でしたよ。あぁでも鎖を首につけられてましたけど」


「悪趣味ね…」

「はい…」

「他には?」

「アシストが居ました」


「あの人か…」

3対1じゃ流石の響さんも無理よね

「なぁ、響…」

秋兎は見たこと無いような焦った顔で
響の肩を強く掴み

「魅里はどこだ!?」

「え…?」

私は勝手に…部屋に隠れてると思ってた
でも、そうだよ…魅里ちゃんが倒れた響さんを
放置してるはず無い…


「……」

「響!」

響さんは体を震わせながら今にも叫び出しそうな声で

「連れて…行かれました」

最悪の真実を呟いた






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