拒絶少女は世界を拒絶する

犬派のノラ猫

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忍び寄る厄災

心酔

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「やぁ…初めまして」

アタシはアシストと呼ばれる男に目隠しと手錠を
つけられ車に乗せられた


「どこに連れて行く気よ?」

「ジェネス様の所です」

「あら?いきなり会わせてくれるの?ずいぶん警戒心が無いのね?」


「あなたにジェネス様をどうこう出来る訳がないですからね」

「……あらそう」

完全に油断してる…チャンスはあるわ

「…妙なことは考えない方がよろしいかと。」

「……。」

「わたしは油断などいたしません…例え車から今飛び降りようとしたとしてもそれは叶わないでしょう。」


「あら、それは優秀ね…ジェネス様も喜ぶんじゃない?」

「…そうですね。ですがまだ足りない」

「本当に神を崇めて…いえ心酔してるって感じね」

「それでも構わない…わたしはあの方の力になる…それだけです。」


「何があったのかだけは気になるわ」

そこまで人を心酔させる男…気にはなるわ

「特にジェネス様はわたしに何かをしたわけではありませんよ」

「え?」

「初めて会った瞬間にこの人はこの世界を変えられる御方だと感じた…それだけですよ。」


「本当にそれだけなの?」

「ダメですか?」

「そう…貴方は…」

「何かおっしゃいましたか?」

「何も」

貴方のそれは恋に似てる何て恥ずかしくて
言えないわ


「さて…そろそろ着きますので」

1時間位だろうか…意外と近い

「さぁ…着きましたよ、今下ろしますね」

アシストは運転席から降りて助手席を開け
アタシの手を引き車から下ろした

「そこまでする必要があるのかぁ?」

あ、居たんだ三下…君だったかな?

「手足でも千切って籠にでも入れて運べば楽だろ?」

怖いこと言わないで欲しいわ…怖いから

「そんなことする必要はないでしょう。君は本当に頭が悪い」

アシストさんは柔らかい口調でそう言うと
室内に入ったのだろうか?涼しくなり

「もうすぐですので…」

「はい」

はいじゃないわよアタシ…何でこんなに
落ち着くの?

「さぁ、着きましたよ…ジェネス様入ってよろしいですか?」


どうやら着いたようでブザーの音がしたあと

『構わないよ』

と、声がして…あの声だ…

アタシはアシストに手を引かれて
部屋のなかに入ると目隠しをはずされ


「やぁ…魅里ちゃんだったかい?ボクはジェネス…よろしく」


薄暗い部屋の奥
事務所の机くらいの大きさの机に肘を乗せて
こちらを見ている…年は40位かしら?
白髪交じりでメガネを掛け無精髭面の男
何だろう…一見初老のおじさんなのに…すごい
威圧感…


「早速で悪いが…ビジネスの話をしよう」

そう言ってジェネスはアタシをソファに座るように
促した


いいわ…乗ってあげる

 
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