拒絶少女は世界を拒絶する

飛べぬ身体で月を目指して。

さようなら

それから僕は先生に一日中
色々された。

たぶん生きていくために必要最低限の
栄養を点滴で入れられ

筋力が落ちないように
電流で筋肉のトレーニングをされ

ボケないようになのか
一日中色々な知識をイヤホンで聴かされた。


そして一日の終わりに
薬を射たれそれの中和薬を射たれ
その経過観察をされて

終わると眠る薬を射たれて
目が覚めると初めの行程に戻る。

そんな生活を一年だろうか続けたある日
先生は僕に言った。
思えば声を聴くのはいつぶりだろう？


「108番…君には期待していたんだがね」

先生は残念そうにこちらをみた。

「君にはこの一年…人間に起こる様々な病気の症状を起こす薬を使い、それを中和させてきた。」


「……」

「最後の実験まで君は優秀だった。素晴らしいデータが取れた…が。」


「…」

「最後に君は期待に応えてくれなかった」

「さいご？」

僕はいつぶりか分からないくらい久しぶりに
声をだした。

「そうだ。君のあらゆる細胞を癌化させた。」

「え？」

「癌を薬だけで完治させる。副作用なしでだ素晴らしいとは思わないかい？」


「おもう。」

「なのに何を試してもダメだった。」

「…それは先生の薬が悪いんじゃないの？」

僕は初めて先生を否定する言葉を口にした。
先生は顔色１つ変えずに僕の頬を殴った

「調合は完璧だ。理論上これで完治するはずだ」

先生は机を殴り

「何が足りない！…これが人の限界だと言うのか？人は進化出来ないとでも神は言うつもりか！？」


先生は納得いかないとゆう顔をしたまま
自分に注射針を刺した。
…しばらくすると先生は落ち着き


「108番…君の体は残念だが限界を迎えた」

「え？」

「さようなら、108番。」

先生がそうゆうと
お手伝いさんが僕を部屋から運び出した

あぁ…ようやくこの生活が終わるんだ。
そう安堵した僕を

お手伝いさんは建物の外にある
マンホールを開けて放り込んだ。


「お手伝いさん！？」

僕は落下した痛みに耐えながら
腰まで水に浸かりながら上を向いて叫んだ


「…さよなら108番。」

そう言ってお手伝いさんはマンホールを閉じた。

暗闇の中
僕の叫びと水の音だけが響いた。