拒絶少女は世界を拒絶する

犬派のノラ猫

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飛べぬ身体で月を目指して。

綺麗事

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____

「って訳だ。」

と、思ったより軽い口調で重たい話を
した秋兎はタマミさんのお店の方へ
向かった。

私はソファに寝転んだ。


「何よそれ…」

そんな…モルモットみたいな…

でも、何となく自分を重ねてしまった
親を殺した私と
育ての親を殺そうとしている秋兎を。


「手伝いたい…あれ?」

自分でも驚いた。
そんな言葉が口から出るなんて…
そうだ…と私は思った。


「私はもうあれを殺してるんだし2人殺しても同じだよね」


私がそう呟くと強い衝撃が
ソファを通して私に伝わった


「ふざけんなよセツナ?」

秋兎はタマミさんのところの冷蔵庫から
取ってきたのだろうペットボトルの
お茶を握りつぶしながら言った。


「お前、俺の邪魔する気か?」

「ち、ちがうわよ…!ただ…」

「…ただ?」

「あなたがジェネスとか…他の人を殺してしまっても私がやったことにしたらいいかって」


「…そんなことしてみろ俺はお前を許さない」

「何でよ?誰も損しないじゃない」

「"誰も"にお前が入ってないだろ」

「…」

「それにな。」

秋兎は寝ている私に目線を合わせるように座り

「自分のやったことには自分が責任を持つ…それが道理ってもんだろ?」


「そんなの綺麗事よ。」

そんな綺麗事…簡単に覆る。
誰かが誰かのせいにして
責任を押し付ける
そんなこと誰でもやってる


「かもな…でもなセツナ」

「なによ」

「世の中綺麗事だけじゃ回らないが綺麗事が無くなったら世の中すぐに崩れるぞ?」


秋兎は私を無理矢理起こし
勝手に横に座り


「それにお前には幸せになってもらいたいしな。」


「な、なによ急に?」

「お前は俺と似てる匂いがするからかな?」

「同じシャンプー使ってるからでしょ?」

「…ボケたのか?」

「うん。」

「そうか。」

「…」

「…」

「「…」」

会話でスベるってこんなに辛いのね…
気を付けよ。


「まぁ…あれだ…お前もあんまりいい環境で育たなかったのかな?と思っただけだ。」


「何よ性格が悪いとでも言いたいの?」

「それもある。」

「おい」

「あるが…」

秋兎は真剣な目をこちらに向け

「常に人の目を気にしてるクセに自分のことは投げやりで自分勝手で…」


「…うぐ」

「俺にそっくりだ。」

そう言うと秋兎は顔を近づけ…

「これでおあいこだな?」

と、言って顔を離した。

何か唇に柔らかな…さっき味わったばかりの
感触がしたのだけど?


「お休み…セツナ。また明日」

と、秋兎は部屋に帰っていった。

「……燃えるかと思ったわ。」

バクバクする心臓と
上がり続ける体温がそう私を思わせた。

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