勇者がこちらに来てるらしい

犬派のノラ猫

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大魔王は殺すらしい

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いつもはのんびりとした大魔王の間
しかし、今現在は_



「報告を…イコール」

「はい…大魔王様」

四天王含め幹部を集めた重苦しい空気の中
イコールは状況を説明し始める


「人間が大型の魔力弾をこちらに向けて発射準備中との情報を得ました」


「……間違いないのだな」

「はい。」

大型魔力弾…使用すれば魔界の全域と人間界を少し
焼き払うだろう


「勇者を送ったのではなかったのか?」

「勇者は…囮だった可能性が」

「大型魔力弾作成のか…やられたな」

そして、何を考えているのだ…あいつらは

「あいつらは…頑張っている勇者を巻き込むつもりなのか?」


「…おそらくは」

「許せぬ…」

自らのために命をなげうち…全力を尽くすものを
ただの囮に使うだと…我は!


「落ち着いてマオマオ…今、あのバカ共をやりにいっても魔力弾を撃たれて終わりよ」


「……通信を繋げ」

「え?」

「繋げと言っているのだ!通信は出来るであろう!」


「そんなの無視されるに…」

「いえ、出るでしょう」

「イコール?」

「何せ彼らはすっとぼけたい筈ですから。」

「なるほど…」

確かに準備が出来るまでは自分達が我に殺される
可能性があるからな…

「よし、繋いでくれクロハ」

「わ、わかったわ!」

クロハは急いで大型スクリーンでの通話を繋げた


「もしもし」

すぐに繋がり…そこには

『もしもし、何かな魔族の王よ』

現人間の王…にして我の友の息子


「久しいなゲイル」

『随分と気安く呼ぶのだね』

「我は年上だからな…そちらこそ随分と他人行儀だな?」

『……そんなことは無いさ…さて、忙しいんだ早く話を』

「ふむ…貴様に聞きたいのは2つだ」

『ほう?』

「ひとつは…何故勇者を差し向け我を殺そうとしている?」

『おやおや何のことかな?勇者…あぁテレビの番組でみたことがあるよ。バラエティーだろ?まさか本気にしてるのかな?』


…抑えろ


「では、2つ目だ…」

我は今にも弾けそうな感情を抑える


「大型魔力弾をこちらに向けている理由は?」

『何のことだ?』

「残念ながらとぼけても無駄だ」

『何だよバレたのか…使えない人間を持つと苦労する』

本当にそう思ってるのだろうゲイルは
大きくため息をつく


『それが分かって何とする魔族の王よ?』

「止めろ」

抑えろ

『それは無理だ魔物よ』

「…我らは魔族だ」

抑えろッ

『変わらんよ…我らから見ればな』

ゲイルは吹き出し笑う

「……今から行ってやろうか?」

ダメだ抑えろ

『来てもいいが…いいのか?』

「何がだ?」

『その場合…魔力弾のエネルギーを抑え…人間界の片隅のド田舎を焼き払う』


「!?」

『大魔王が来たタイミングで人間界が焼き払われたと知ったら…人間達はどう思うかな?』


「貴様ッッッ!」

耐えられなかったのかイコールが声を荒げる

『争いの火種に成りたくなければ…大人しく歴史から消えよ…魔物の王よ』


「……貴様の父が泣いておるわ」

我が友のために抑えろ

『いいことじゃないか』

ゲイルは腹を抱えて笑い始める

『あの愚者が泣く姿はこの上無く笑えるだろうよ!!』

「我が友を侮辱するかッッッ!!!」

すまぬ我が友…我は貴様の息子をッッッ!

『もう遅い!さらばだ!魔族の愚王よ!』


『はい、そこまで。』

画面の向こうから声が聞こえる間に合ったようだな。
流石は_



「流石は勇者だ。」

我は大笑いした。
すまぬ我が友よ、我は貴様の息子を…


「すまぬな友の息子よ…貴様は死ぬ」

『な、何を…』

「社会的に」

『しゃ、社会的に!?』

「勇者君~お疲れ様ぁ~」

『あ、ミラのお母さん…連絡ありがとうございました!』

「うむ…流石だクロハよく頑張ってくれた」

「流石に魔界の端まで念話を繋ぐのは苦労したわ…」

『ね、念話だと?』

「うむ…普通に盗聴とかすれば流石に貴様に気付かれるかも知れぬからな」


まぁ、このバカ相手ならば問題なかったかも知れぬが


『…ふっ勇者よ…貴様、誰に剣を向けているか分かっているのか?』


『反逆者…でしょうか?』

『な、何を…』

『いや、ここからすっとぼけるの無理でしょ?バカですか?』


「勇者よ、そいつはバカである。」

『あ…お義父様!』

「誰がお義父様だ!」

まだ、呼ばれる筋合いはない!


『…き、貴様の存在も通信ももみ消せば!』

「おやおや不思議なことも言うのだな…貴様、先程自分で言っていたではないか…」



人間界はもちろん
魔界の一部で人気になっている


「勇者はテレビの番組なのだろ?」


『!?』

『今日は【魔界のレストランBEST10当てられるまでかえれません!】を変更して…』

何だその番組…ちょっとみたい


『や、やめ…』


『【お馬鹿な王様止めてみた!】をお送りいたします!』

『何か部屋の片隅にいるのだが!?』

『テレビの人です』

『テレビの人!?』

『バッチリ撮れてます!…あ、声が入ってしまいました…失礼!』


「気持ちは分かるぞテレビの人よ!」

『えぇ…コホン…さてお馬鹿な王様?』

勇者はお馬鹿な王様の首に剣を当て

『発射を止めるか…首が発射するかお選びください?』

『あは…あははははは…』

ドスッとゆう音と共に通信は切れた


後日_勇者のテレビ番組は打ち切りになったが
あのバカは社会的地位も信頼も失ない
人間界1の刑務所に入れられたらしい


そして…


『皆様こんにちは!今日から新番組【勇者ブラリ旅!】をよろしくお願いいたします!』


笑顔の勇者がテレビの向こうで笑っていた。


「勇者よ!貴様はたくましいな!?」

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