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【掃除屋のクリーナ】

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こんにちは…私は【掃除屋のクリーナ】
自室でこんな時間なのにのんびりしています。
以前までこの時間は掃除をしていたのですが…


「クロハ様の教育でメイド軍団の力量が増し…私、掃除するところがない!」


今あなた【掃除屋】って普通に掃除するやつかよ!?って思いませんでした?
何でそれで四天王?と。

…以前の私は違ったのです。
まさしく皆さんが…厨二心を忘れてない
そんな皆様が思うような…【掃除屋】だったのです。


大魔王軍に入る前の私はある組織に所属させられ
依頼されるがまま人も魔族も手に掛けていました
そんなある日




55年前__






「……っ…20。」

今日も終わりました。
何やら魔王軍に反逆を企てていた
レジスタンスの…若者20名

この子達は…何がいけなかったのでしょうか?
何故、死ななければ…何故死んだ?
私が…私が!!


ダメだ。また…

『お前は機械だ感情など無い。』

と、怒られる。

私は機械、私は機械
機械…機カイ…キカイ…きかい

私がブツブツそんな事を言いながら
後始末をしていると背中を強い気配が叩いた


「だれ!?」

私は急いで後ろを向いた
そこには大柄な男が立っていた。


「こんばんは…お嬢さん」

凄みのある声…一瞬でただ者ではないと
感じた…私はナイフを抜く


「こらこら…まずは話をきk」

私はそのナイフを男に突き立てた…

筈だった


「おいおい…怪我するかも知れないだろ?」

なんかなった!
そうなんかなったの!折れたんじゃなくて!
パキーン!じゃなくて…あの
ドッキリグッズみたいに引っ込んだの!
なんで!?


「あぁ~…すまん、後で弁償するから」

「そうゆう問題かしら!?」

「な、なんだ?あれか?あれならもっといいのを買うぞ?」


な、何なのよこの人…


「さて…話を真面目に戻して」

何か男はわざとらしく『おほん』と言うと


「我と共に世界を変えぬか?」

何て恥ずかしすぎる台詞を言ってきた

「意味が分からないのだけど…」

「それはそうであるな!すまぬ!」

それから男は聞いてもいないのにベラベラと
人間と和解したいだの
国を半分こすれば平和的だの
そろそろ妻が心配しだすだの

くだらない…ことを、小一時間程話終えると


「って訳で、我の夢を手伝ってくれぬか?」

と、最後に笑顔で言ってきた。

確かに…そうなれば素敵だとは思う…だけど

「生き物は…生きている限り何かと争わなきゃいけないの!…それを…その争いを少しでも…減らそうと私は頑張ってるの!それをあなたは!」


「うむ…確かに…生き物は生きている限り争う」

「なら!」  

「しかしそれは別に戦争で無くてもよかろう?」



「…っ!いったい何が言いたいのよ!?」


「生き物の括りでも我らと魔物や動物の違いは【争い方を選べること】だ。」


「争い方を…選ぶ?」

「うむ…勉学でもよい、スポーツでもよい、何なら遊びでもよい」


そう男は真剣な顔で…でも
どこか楽しそうな声で


「争いにはこんなにも種類があるのに戦争をしていては他で争う時間がないではないか!勿体無い!」


と、本気の本気なのだと分かる声で
彼は言い放った。


「…素敵…だけど…無理よ」

そう無理…私は逃げられない…
逃げたらどんな目に合うか…私もこの人も…


「ふむ…その無理とゆう理由が組織から逃げられないとゆうことなら問題ないぞ」


「え?」

「さっき壊滅させた」

「さっき壊滅させた!?」

「まったく…あのくそ親父めが…組織に気付いているのに都合がいいからと見逃していたな?」


そう言って大きな溜め息を付いた彼は…って


「まって?組織を見逃すってなに?」

お父さん警察か何か?

「おお、すまぬ挨拶が遅れた…」


そう言って彼は邪魔そうな大きなマントを翻し


「我の名は【アルストロ=デーモンド】!時期【魔王】になる男にして!みんなで幸せな日常を送れる未来を目指す者である!」

そう、彼は恥ずかしげもなく叫んだ__






____


「あの後大声のせいで警察に後始末中だった現場に居るのを見られそうになって結構大変だったんですよね…」


それでそのあと…
急に背負われて…屋根の上を凄まじい速さで逃げて

そんな最中…

『貴様…あれだな!掃除上手だから今日から【掃除屋のクリーナ】な!』

と、勝手に命名されたのでしたね
だけど…

「掃除することも出来なくなりましたね…」

私はもう必要…

『クリーナ!!』


「うわびっくりした!?」

念話ですね、どうやら大魔王様からです…


「ど、どうされましたか?」

『う、うむ!実はな大魔王の間でクロハに隠れて食べていたお菓子の空き袋を隠していた場所が限界を突破してな!こっそり捨てるのを手伝ってくれぬか!?』


「子供ですか大魔王様…」


『だってクロハ、健康に悪いとかでお菓子をあまり食べさせてくれないのだ!』


子供だった


『頼むクリーナよ!お前にしか頼めぬのだ!』


「私にその犯罪の片棒を担げと?」

『だ、ダメか?…やはり我ががんばt「今から行きます。」』



私は立ち上がりそう返し大魔王の間に向かった。

あなたの為なら私はどんな事だって背負えるんです

あなたが私を背負ってくれたように。


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