⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ3巻(時給より安い命)

04 (クオリア流ゲーム格闘術)

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 1時間で3日の速度で加速ダイブする。
 目の前に見えるのは 砦学園都市のような規格化されたビルが並ぶ市街地だ。

 ナオとクオリアはパイロットスーツ姿で道路に立つ。
「これは、私とナオのブレインキューブが構築したVR空間だ。
 流石《さすが》に 死なないが、ここで体験する事はすべて現実だ。」
 クオリアが 準備体操を始める。
「能力は人のレベルに落としてある…スペック上では ナオの方が上だ。」
 クオリアと距離を取り構える。
「忍者なら…格闘は出来るだろう。」
「この義体になってから一度もやってないけどな。」
 そう言いオレは構える。
 『神崎流総合戦闘術』…あのクオリア相手にどこまで通じるか。
「訓練内容は『私を殺してみろ』だ。
 もう一度言って置く…ここはVRだ。
 ここで死んでも現実の私は死なない…ナオもだ。」
「でも空間ハッキングと何の関係が?」
「体感だ…身体の感覚を掴《つか》め…行くぞ」
 クオリアが視界から消える。
 オレはとっさにガードし、クオリアの下からのパンチを受け止める…重い!!
 このパンチは少女が出せるものじゃない。
 人のレベルって人の上限かよ…。
 ナオは 正面から受け止めず、クオリアの次の拳を手で反らす事で軌道をずらし、パンチを回避《かわ》す…。
 まだ、どうにかなる。
 ナオがクオリアの横腹に向け、蹴りを入れる…がクオリアは、それをガードし、足を抱える。
 マズイ…。
 クオリアが、オレの足を上に持ち上げる事で、身体のバランスが崩れ、後ろに倒れる…。
 とっさにオレは地面を蹴って後ろに下がり、足を掴《つか》んでいたクオリアが引っぱる…だが、クオリアはバランスを崩される事を嫌い、手を放す。
 オレは身体を丸め、後転する事で、衝撃を受け流し、うつ伏せになった状態から、素早くクオリアに体当たりを仕掛ける…。
 クオリアは オレの軌道から少し 横にずれ、オレの肩に触れ、少し力を入れる事で軌道をずらし回避した。
 回避されたと判断したところでナオは、そこ軌道を利用し裏拳で対応…丁度クオリアの側頭部に命中し脳を揺らす。
 ナオは ダメージが入ったと感じると急いで後ろに下がり、クオリアと距離を取った。
「途中で加減したな…それに詰めないで退《ひ》いた。」
 クオリアは構え直し言う。
「……。」
 裏拳の途中でクオリアと目が合った…その時、スラム街の施設に突入した時に 咄嗟とっさにリボルバーを抜いて頭を吹っ飛ばした少女の崩れた赤い顔を見た。
「私が女だからか?…私の見た目が幼いからか?」
 オレの目を見つめ、目に浮かぶ迷いを正確に見抜く…。
「多分両方だ…うぐっ」
 言い終わる直前、急接近してきたクオリアのアッパーをガード出来ず、あごに綺麗に決まる。
「私は守られる存在か?守る存在か?」
 オレのブレインキューブは、脳震盪のうしんとうを忠実に再現し、身体が動かなくなる。
 クオリアは オレと距離を取り、オレの回復を待つ…。
 ナオは ゆっくりと起き上がる…。
 あー殴られたせいか…思考がクリーンになって行く…。
 クオリアが使う 見栄えの良い綺麗な格闘術…見覚えのある格闘術だと思っていたが…あれは 格ゲーが元ネタの『ゲーム格闘術』だ。

 立ち上がったナオが構える…目は鋭くなり、殺気を感じる。
 新しい身体での誤差を埋める為の対人格闘だが…。
 身体が変わったのにもう、精神レベルで適応している。
 この適応力は一体何なんだ?
 クオリアは構え、ナオに攻撃を仕掛ける。

 これでラストだ。
 思考加速状態で更に思考加速する。
 オレに突っ込んで来るクオリアが、120フレームのコマ送りのように感じる…見える。
 クオリアのパンチを受け流し、受け流されたと判断すると今度は回し蹴りが飛んでくる。
 蹴りを捕まえるが、クオリアがもう片足でジャンプし オレの側頭部《そくとうぶ》に蹴りを入れようとする。
 オレはとっさにクオリアの足を放《はな》しガードする。
 いきなり足を放した為、クオリアは バランスを崩し仰向《あおむ》けで倒れた。
 ナオが足で首を踏み潰そうするが、クオリアは両足でナオの腹部を蹴り上げ、腹筋と背筋を上手く使い起き上がる。
 そして、クオリアがパンチを繰り出す…。
 ここ!!
 ナオは手で拳の軌道を操作し掴《つか》み、ひねり上げ、クオリアの後ろに回る…。
 バキッ、ボキッ
 クオリアの関節を意図的に脱臼させ、もう一本も外す。
「あ゛っ…。」
 意図的に痛覚神経に当たるように無理やり脱臼させた事でクオリアが声を上げる。
 ナオはクオリアの後頭部を片手で掴《つか》み、足を引っ掛けて アスファルトの地面に思いっきり叩きつけた。
「がぁっ」
 そして…。
「オレは、クオリアの相棒バディだ!」
 肘を曲げ、体重を乗せて首に思いっきり、のしかかる。
 首の一点に肘とナオの体重が上乗せされ、ボキッと折れた。
 首の骨が折られ、身体に信号を伝達出来なくなったクオリアは 倒れ動かなくなる。
「オレの……勝ちだ…。」
 まだ、あの光景が浮かぶ…だが 何とか抑《おさ》えられた。
 ナオは深く息をしつつその場に座り込んだ。
 やっぱり可愛い少女を殴るのも、ましてやVRとは言え 殺してしまうのも精神に来る。
 聞く前にオレが死んじまったので聞けなかったが、義父…ナオキは 爆弾少女を射殺する時、何を思っていたのだろう?。

 しばらくしてクオリアが光に包まれ、再生が始まる。
 こちらの痛みも傷ももう消えていた。

 復活したクオリアが起き上がり、座るオレに手を差し伸べる。
「合格だ…私の相棒パートナー
 ナオはクオリアの手を掴《つか》み立ち上がった。
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