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ヒトのキョウカイ5巻 (亡霊再び)
16 (滅びたレーション)
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砦学園都市の中心にある地上の倉庫に繋がるエレベーターに乗り、アントニー、レナ、ジガ、トヨカズ、カズナ、ロウが上がり、荷物を下ろす。
倉庫には 研究都市から走って戻って来たナオとクオリアが待っていた。
「これでそろったね…。
ナオ…DLは?」
アントニーがオレに聞く。
「あ…これ」
オレは背負っているバックパックを開き、キューブを取り出す。
「ほう…これが…。」
「まだ粗削りだけどな…。」
ナオが言う。
「それじゃあ…こっちの物資も積みましょう…」
エアトラS2に入っているパワードの固定ネットを外し、弾薬コンテナを開けて中にマガジンを積みこみ、ハードポイントにも取り付けて行く。
マガジンの数は いつもより多めだ。
機体を固定し、次に エアトラS2の推進剤を補給…。
今回は使う予定は無いが酸素と水素から飲料水を作れるので緊急時には役に立つ。
そして、レーションを入れた大きな折り畳みコンテナをアントニーが持ってくる…。
「あれ?これで全部?
何日分?」
食料は 4人分のはずだが、見た所やけに少ない
「全部で120日分…4人だから1人30日だね…。」
「よくこんだけ、収まるな…。」
旧時代の自衛隊のレーションなら120日分で 350㎏位には なるはずなのだが、コンテナを持ち上げて見ると40㎏も無い。
となると1日分当たり300g程度になのか…。
「中はどうなってるんだ?」
ナオが一旦《いったん》コンテナを地面に降ろし フタをはずして中身を確認する。
中は、ぎっちりと軽量の炭素繊維プラスチックの箱が入っていて、1つ箱を取り出して開けて見ると真空包装されて3つの切れ目が入ったショートブレッドが入っている。
「ミートキューブだけか?
連食は 精神を磨り潰して士気をダダ下がりにするぞ…。」
食事と言うのは戦う兵の士気を上げる重要な役割がある。
第二次世界大戦で 数ヵ月単位で連食させられたアメリカ兵は 食べる事が苦痛に感じて、それなりにまともな味のレーションのMREをMr.Eとか、Meals Rejectedby the Enemyとか、Materials Resembling Ediblesなどと言ったらしい。
とは言え、日本見たいに補給も出来ず、プロパガンダで撤退出来ないようにして、戦死者の半数が餓死になる名誉が一切無い死に方になるよりかは遥かにマシなのだが…。
「ああ…昔はそんな事もあったらしいけど、今はARの料理がいくらでも食べられるから、疲弊はしないね…。」
「……ああ、そう言えばそうか…。」
基本小型サーバーさえ持って行けば、数十万種類の食事が好きなだけ食べれる…。
確かにこちらの方が効率が良いし、これならリアルがミートキューブだけでも、士気が落ちず如何《どう》にかなる。
「元々、AR料理は宇宙食の軽量化から始まったからな…。
ARなら無重力下でも制限無しでいくらでも食べられるから、乗員のストレスを軽減できる。」
オレの隣にいるクオリアが言う。
「一応味は、フルーツ、チョコ、メープル、プレーンの基本の4種類。
品質保証期間は1年切ってるけど十分に使えるよ。」
オレがレーションのコンテナを持ち上げ、ハッチの前で待っているクオリアに渡す。
クオリアはDLのパレットの横からコンテナを入れて自分もその小さな隙間から乗り込み、備蓄棚にコンテナを入れて扉を閉め、コクピットに移る。
その次はジガだ。
ジガは 駐機姿勢のロウの黒鋼の肩に上り、上から中に入る。
続いて、レナにカズナ、ロウの順で入り、オレは アントニーから最後の荷物を受け取る。
両手で抱える程の大きさの正立方体の箱で、パイロットスーツを着ている手なので熱は感じられないが、サーモグラフィで箱の外装から熱を放っている事を確認する。
「これは?」
オレがアントニーに聞く。
「これは 高濃縮トリチウム…原子力電池の燃料だね。」
トリチウム…三重水素…放射性同位体か…。
オレは サブタスクで即座に検索を始める。
「放射線は?」
「厚さ0.5mmの炭素繊維の2重装甲で覆われていて、貫通力の引くいβ線ならこれで十分…向こうに行ったらこれを渡して下さい。」
トリチウムから出る放射線と、人体被害が出る放射線の安全基準を確認。
更にβ線の貫通力を調べ、アントニーの言っている事が正しいと確認して受け取る。
調べて見て分かったが遮蔽さえしてれば、人体に被害を出すには放射線量が低すぎるし、例え問題が起きたとしても、海に投棄すれば最大40日程度で無毒化されるらしい…。
更に言えば 元は水なので身体の特定の部位に長時間留まる事も無く、短期間で尿として排出されるので、意外な事に放射線同位体の中では一番安全と言える。
「分かった…。」
オレは 高濃縮トリチウムの箱を受け取り、機内の端に3箱乗せてネットで固定する…これで後は乗るだけだ。
トヨカズが ベックの肩に掴《つか》まり中に入り最後にオレが入る。
エアトラS2の中はギチギチで、シートの後ろには まともに移動が出来ない。
オレが右の端にシートの上から入って座り、シートベルトを閉めるとほぼ同時に後部ハッチが閉まった。
倉庫のハッチが開き、エアトラS2の下にあるクローラー・トランスポーターが動き出し、外まで移動する。
外は雪が無く、短い春を迎えていて、天気は良好…。
エアトラS2のプロペラが上を向き、回転を始める。
積載重量ギリギリの機体をゆっくりと持ち上がり、少しずつ高度を上げて行く…。
ARで壁が透過し、こちらから外が見えるようになり、プロペラを斜めに傾ける中間モードで前に進みだし、空力を十分に確保した所でプロペラ機モードに切り替え、更に加速した。
今回の目的地『シーランド艦』はここから巡航速度で30分の位置にある海を航行中で、オレ達はそこに乗る事になる。
オレはバックパックの中からファントムのキューブを取り出し、有線ケーブルを首に繋ぎ もう一方をキューブに挿す。
研究都市の研究員が頑張ってくれたお陰でDL用の互換性は出来た。
と言う事は オレ用に個人調整が出来る事になる。
ファントムに搭乗者のアカウントを追加し、オレが黒鋼を操縦していた時の個人調整データを入れて見る…データは正確に変換され、機体の調整が始まる。
キューブのスペックの都合上、量子フライトユニットでのロングジャンプも使えないし、深度1000mなので通行止めを常に全身に展開しないと行けない…。
更に この深度だとライフルの類も圧壊するレベルだ。
残るはシャベルだけ…。
単純構造で強度が高い素材を使っているので使える事は使えるだろう…どこまで持つかは別として…。
結局、作戦ギリギリまで改良して如何にかするしかないか…。
レナ、カズナ、ロウ、トヨカズ共に賑やかに空を楽しんでいる。
これから戦場に行くと言うのに家族旅行に来た見たいなノリだ。
「そこまでリラックス出来れば良いんだけどな」
ずっと周りを警戒し続けると精神が疲弊するから、適度にリラックスする必要があるのだが、オレはそんな風には、器用に振る舞えない。
もしかしたら、ロウとカズナには 周りをリラックスさせる効果があるのか?
そう思いながら オレは 今頃作戦の準備が始めてるだろう空に薄く見える月を見上げた。
倉庫には 研究都市から走って戻って来たナオとクオリアが待っていた。
「これでそろったね…。
ナオ…DLは?」
アントニーがオレに聞く。
「あ…これ」
オレは背負っているバックパックを開き、キューブを取り出す。
「ほう…これが…。」
「まだ粗削りだけどな…。」
ナオが言う。
「それじゃあ…こっちの物資も積みましょう…」
エアトラS2に入っているパワードの固定ネットを外し、弾薬コンテナを開けて中にマガジンを積みこみ、ハードポイントにも取り付けて行く。
マガジンの数は いつもより多めだ。
機体を固定し、次に エアトラS2の推進剤を補給…。
今回は使う予定は無いが酸素と水素から飲料水を作れるので緊急時には役に立つ。
そして、レーションを入れた大きな折り畳みコンテナをアントニーが持ってくる…。
「あれ?これで全部?
何日分?」
食料は 4人分のはずだが、見た所やけに少ない
「全部で120日分…4人だから1人30日だね…。」
「よくこんだけ、収まるな…。」
旧時代の自衛隊のレーションなら120日分で 350㎏位には なるはずなのだが、コンテナを持ち上げて見ると40㎏も無い。
となると1日分当たり300g程度になのか…。
「中はどうなってるんだ?」
ナオが一旦《いったん》コンテナを地面に降ろし フタをはずして中身を確認する。
中は、ぎっちりと軽量の炭素繊維プラスチックの箱が入っていて、1つ箱を取り出して開けて見ると真空包装されて3つの切れ目が入ったショートブレッドが入っている。
「ミートキューブだけか?
連食は 精神を磨り潰して士気をダダ下がりにするぞ…。」
食事と言うのは戦う兵の士気を上げる重要な役割がある。
第二次世界大戦で 数ヵ月単位で連食させられたアメリカ兵は 食べる事が苦痛に感じて、それなりにまともな味のレーションのMREをMr.Eとか、Meals Rejectedby the Enemyとか、Materials Resembling Ediblesなどと言ったらしい。
とは言え、日本見たいに補給も出来ず、プロパガンダで撤退出来ないようにして、戦死者の半数が餓死になる名誉が一切無い死に方になるよりかは遥かにマシなのだが…。
「ああ…昔はそんな事もあったらしいけど、今はARの料理がいくらでも食べられるから、疲弊はしないね…。」
「……ああ、そう言えばそうか…。」
基本小型サーバーさえ持って行けば、数十万種類の食事が好きなだけ食べれる…。
確かにこちらの方が効率が良いし、これならリアルがミートキューブだけでも、士気が落ちず如何《どう》にかなる。
「元々、AR料理は宇宙食の軽量化から始まったからな…。
ARなら無重力下でも制限無しでいくらでも食べられるから、乗員のストレスを軽減できる。」
オレの隣にいるクオリアが言う。
「一応味は、フルーツ、チョコ、メープル、プレーンの基本の4種類。
品質保証期間は1年切ってるけど十分に使えるよ。」
オレがレーションのコンテナを持ち上げ、ハッチの前で待っているクオリアに渡す。
クオリアはDLのパレットの横からコンテナを入れて自分もその小さな隙間から乗り込み、備蓄棚にコンテナを入れて扉を閉め、コクピットに移る。
その次はジガだ。
ジガは 駐機姿勢のロウの黒鋼の肩に上り、上から中に入る。
続いて、レナにカズナ、ロウの順で入り、オレは アントニーから最後の荷物を受け取る。
両手で抱える程の大きさの正立方体の箱で、パイロットスーツを着ている手なので熱は感じられないが、サーモグラフィで箱の外装から熱を放っている事を確認する。
「これは?」
オレがアントニーに聞く。
「これは 高濃縮トリチウム…原子力電池の燃料だね。」
トリチウム…三重水素…放射性同位体か…。
オレは サブタスクで即座に検索を始める。
「放射線は?」
「厚さ0.5mmの炭素繊維の2重装甲で覆われていて、貫通力の引くいβ線ならこれで十分…向こうに行ったらこれを渡して下さい。」
トリチウムから出る放射線と、人体被害が出る放射線の安全基準を確認。
更にβ線の貫通力を調べ、アントニーの言っている事が正しいと確認して受け取る。
調べて見て分かったが遮蔽さえしてれば、人体に被害を出すには放射線量が低すぎるし、例え問題が起きたとしても、海に投棄すれば最大40日程度で無毒化されるらしい…。
更に言えば 元は水なので身体の特定の部位に長時間留まる事も無く、短期間で尿として排出されるので、意外な事に放射線同位体の中では一番安全と言える。
「分かった…。」
オレは 高濃縮トリチウムの箱を受け取り、機内の端に3箱乗せてネットで固定する…これで後は乗るだけだ。
トヨカズが ベックの肩に掴《つか》まり中に入り最後にオレが入る。
エアトラS2の中はギチギチで、シートの後ろには まともに移動が出来ない。
オレが右の端にシートの上から入って座り、シートベルトを閉めるとほぼ同時に後部ハッチが閉まった。
倉庫のハッチが開き、エアトラS2の下にあるクローラー・トランスポーターが動き出し、外まで移動する。
外は雪が無く、短い春を迎えていて、天気は良好…。
エアトラS2のプロペラが上を向き、回転を始める。
積載重量ギリギリの機体をゆっくりと持ち上がり、少しずつ高度を上げて行く…。
ARで壁が透過し、こちらから外が見えるようになり、プロペラを斜めに傾ける中間モードで前に進みだし、空力を十分に確保した所でプロペラ機モードに切り替え、更に加速した。
今回の目的地『シーランド艦』はここから巡航速度で30分の位置にある海を航行中で、オレ達はそこに乗る事になる。
オレはバックパックの中からファントムのキューブを取り出し、有線ケーブルを首に繋ぎ もう一方をキューブに挿す。
研究都市の研究員が頑張ってくれたお陰でDL用の互換性は出来た。
と言う事は オレ用に個人調整が出来る事になる。
ファントムに搭乗者のアカウントを追加し、オレが黒鋼を操縦していた時の個人調整データを入れて見る…データは正確に変換され、機体の調整が始まる。
キューブのスペックの都合上、量子フライトユニットでのロングジャンプも使えないし、深度1000mなので通行止めを常に全身に展開しないと行けない…。
更に この深度だとライフルの類も圧壊するレベルだ。
残るはシャベルだけ…。
単純構造で強度が高い素材を使っているので使える事は使えるだろう…どこまで持つかは別として…。
結局、作戦ギリギリまで改良して如何にかするしかないか…。
レナ、カズナ、ロウ、トヨカズ共に賑やかに空を楽しんでいる。
これから戦場に行くと言うのに家族旅行に来た見たいなノリだ。
「そこまでリラックス出来れば良いんだけどな」
ずっと周りを警戒し続けると精神が疲弊するから、適度にリラックスする必要があるのだが、オレはそんな風には、器用に振る舞えない。
もしかしたら、ロウとカズナには 周りをリラックスさせる効果があるのか?
そう思いながら オレは 今頃作戦の準備が始めてるだろう空に薄く見える月を見上げた。
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