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ヒトのキョウカイ1巻(異世界転生したら未来でした)
25 (事件は現場で起きているが、解決出来るのは会議室)
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少し時をさかのぼり、運営委員会、会議室。
円状のテーブルに座るのは12人の役員。
いずれも優秀で、各企業や研究職などの現場を経験している人間だ。
授業中に『エルダー』からコードSの最優先回線で私にワームの進行を伝え、私は即座に『アントニー』に連絡し、即運営委員会メンバーが集まり会議が始まる。
当初クオリアが、限定解除してワームを殲滅《せんめつ》するプランだったが、『戦闘領域でのオーパーツの使用は認められない』と言われ計画が破綻。
結果、会議で時間を使い、進軍が遅れた事と戦力を甘く見た運営の判断でDL1個大隊が溶かされた…。
地雷設置作業も都市の運命を握る貴重な時間をギリギリまで浪費し、結局可決する。
地雷設置部隊も設置が完了する前に ワームが到達し、退避《たいひ》が出来ずに爆死するだろう。
各個は優秀でも誰かを切り捨てるプランは、誰も言いたがらない。
そして各役員が責任回避の為に可決時間が更に長くなる。
「それで、この状況でエレクトロン側はどう言う対応を取るのかね」
まただ…ここにいる運営役員の半分はエレクトロンに助けを求めている。
だがオーパーツの使用は せず人の能力のみで事態を解決せよと要求している。
私は『縛りプレイ組』だが、ここまで縛られてどう楽しめと言うのか?
「だから先ほどから言っている…限定解除させろと。」
「だからこちらも先ほどから言っているだろ。
戦闘領域でのオーパーツの使用は認められないとこれは、運営規定だ。」
「だからと言って、都市民が壊滅したらその理念を守るものがいなくなる…。
結局の所…守れない。
ルールは運営を円滑にする為の物だ…。
逆に運営が円滑になるならルールを変えても良いと私は考える。」
「そのルールを破った君たちが起こしたのが大戦であろう…。
人類に自治権を放棄させといて よく言える。」
「ここで歴史問題を取り上げるのはナンセンスだ。
私達はタイムマシンによる過去改変などまだ出来ないのだから…。
重要なのは今、リアルタイムで消えている現場の命ではないのか?」
先ほどからずっと役員VSクオリアで言いあっている。
ここまでの話を聞くと役員にはこの事態を解決したくなく自殺願望でもあるのか…とクオリアは疑い始める。
「クオリア…ちょっと良いかね?」
今まで黙って役員の話を聞いていた『アントニー』が口を開く。
周りが一斉に黙り、視線がアントニーに向く。
やっぱりこういう事か…。
アントニーが役員を見かねて『強権』を使うように誘導していたのだ。
強権を使い、責任のすべてをアントニーに押し付ければ、自分たちは『強権を行使され無理やり やらされた』と良い訳が立つ。
まったくこの為に何人の人と時間を浪費したと思っているんだ。
「キミはワームが都市に侵入した場合の被害をどの位だと想定している?」
「現時点での『楽観値』で死傷者重傷者を含めて半数…10万人程…『悲観値』だと太陽系の消滅が想定される。」
「ワーム1万の為に太陽系を滅ぼすと言うのか!…まったく」
「静粛に、クオリア…私は『悲観値』でも精々がこの都市と周辺の全滅レベルだと思っていたんだが、どう想定したらそう言った結果になる?」
「問題なのは『ラプラス』と言う、ワームが進化した上位個体だ。
過去に恒星間航行をしている宇宙遊牧民船団200万人が犠牲になった。
その後エレクトロンを2個大隊…300人投入し…結果、機体ロスト数299人。
最終的に私だけ生き残ってロストした エレクトロンのバックアップデータを持ち半年かけて帰還した。」
「1機で星を破壊できるエレクトロンが300機投入して勝てる相手か…。」
役員の顔が引きつりながら呟く。
「今のワームは先行隊の可能性が高いと予測される…。
戦闘を繰り返せば、いずれ『ラプラス化』するし 宇宙のどこかにいるかも知れないラプラスを呼ぶ可能性もある。」
あの個体は光速は越えられなかったハズだが…進化の末にワープやテレポートの類を手に入れている可能性は十分にある。
実際ワープもテレポートもエレクトロンが使用可能な技術だ。
ゥ~ウ~ゥ~ウ~ゥ~ウ~
都市に大規模なサイレンがなる。
「地雷原に突っ込んだな…。
ワームが侵入するまで残り30分程度か…。
私はDLで出る…アントニー良いな?」
クオリアは、アントニーに向かって有無を言わせない視線を送る。
「ああ許可する」
オーパーツを禁止されたクオリアの力は人の上限に制約される。
その条件下で生身で戦えとは、さすがのアントニーも言えなかった。
「通信で交渉は続ける…では…。」
クオリアは、左腕をだらけたまま右手を胸に当て、軽く一礼する最下位礼をして、警察署に向かう。
警察署に向かう途中でクオリアは、レナに状況を説明しようとするが…通話がかからない。
おそらくナオかトヨカズにかけているのだろう。
しばらくして、レナとナオの通話が始まり、クオリアは割り込む形で通話に入る。
「割り込み失礼…。」
2層は、地面から天井までが100mあり、接客などを行わない生産施設などが等間隔に並んでいる。
多くの建物は窓が無い100mのビルで、1層と2層を柱のように支えている。
警察署の武器格納庫もここにある。
最も2層には扉は無く、1層の警察署からエレベーターを使って降りる事になるのだが…。
クオリアがDLを受け取る為に 警察署に向かう。
警察署前の広場には 既にDLが並んでおり、地下から大型エレベーターを使ってDLが上がってくる。
「おっ来たか…エレクトロンの嬢ちゃんこっちだ。」
パイロットスーツを着崩し、筋肉質の中年の男性がクオリアを呼ぶ。
「固有名で読んで欲しい私は『クオリア』だ…あなたは?」
クオリアは無機質に中年に話す。
「悪りぃ悪りぃ俺は、『ジェニー』だ。
ところで機種はどうする?
ベック、スピーダー、パワードと一通りあるが…。」
ベックはベーシック機体…日本名だと黒鋼
スピーダーは、スピード特化機体…日本名は、疾風
パワードは重量級パワー機体…日本語名は、炎龍
「スピーダーが良い、扱い難《にく》いから余っているだろう…。」
スピーダーは上級者向けの機体だ。
極限まで反応速度を高めた機体で、操縦性が悪くなり、機体を軽くする事で武装は最低限しか積めず、継続戦闘能力が低い。
「武装はボックスライフルと120発マガジンが6本、計720発…ナイフはいらない」
「機体のコンセプトを完全に無視だな…死重量になるぞ。」
普通ならライオットシールドとボックスライフルにマガジン3本の計360発に短距離用ナイフだ。
明らかに積みすぎだが…。
「撃っていれば機体重量は軽くなるし、パージも可能だ…。
だが戦闘中に弾の補給が出来るか怪しい…だから、多めに積んで置くんだ。」
「ふむエレクトロンとしてはこれが最適なのか…。
注文はかけた…すぐに上がってくる。」
「助かる。」
スピーダーが、警察署前のエレベーターで上ってくる。
エレベーターから出てきたスピーダー駐機場まで歩いて行くと、膝を曲げて地面に座り、手を後ろに着いた状態で停止しパイロットが降りてくる。
スピーダーについて来た軍用車両が パイロットを回収し、エレベーターまで運び、パイロットは またエレベーターに乗り、降りていく。
車を走らせるジョニーは、スピーダーの隣で車を止め、ジェニーはクオリアが降りる際にキー端末を渡し「所属は俺と同じ遊撃部隊の13-1小隊だ…後で会おう。」と言う。
クオリアを下ろすと、また車を動かし始めた。
車から降りたクオリアはスピーダーに向かう。
DLはコックピットの大きさの問題から胸部分から背中部分まで、コックピットブロックが貫通していると表現される。
駐機状態のスピーダーは膝を曲げて座り、手を後ろに着いた状態なので、背中が下に向いていて…コックピットの位置地面から1.5m程度だ。
130cmのクオリアには、まだ高いが肘《ひじ》の装甲の出っ張りに足を掛け上がり、乗り込んだ。
コックピットに入り上向きの状態でクオリアはシートに座る。
5点ロックのシートベルトをしめ、シートの首部分の横に繋がっているケーブルをクオリアは首に接続した。
接続部分が磁気で固定され機体との接続を開始する。
クオリアは手を伸ばし右下にあるキー用のUSBポートに、キー端末を差し込む。
キー端末はUSBメモリの形に似ていて縦状態のUSBポートに差し込み車のキーのように傾ける。
機体が起動した所で、端子の可動部分から折り曲げ折り畳む。
機体のデータが流れ始め、端末が戦闘データを記録する『ブラックボックス』になる。
クオリアは、シートにある肘掛《ひじか》け部分にある操作端末を握る。
首から機体にデータが流れ、物理操作を無しで機体を操る。
スライド式のコックピットが収納され、乗り込み口が装甲の中に格納されていく。
「動くぞ」
周りの人間に外部スピーカで警告して立ち上がる。
「ダイレクトリンクシステム起動」
首のケーブルを通してクオリアの人工脳と機体の手足が接続され、感覚を共有し文字通りの人機一体になる。
クオリア機は屈伸《くっしん》、伸脚《しんきゃく》、上体前後屈《じょうたい ぜんごくつ》、体側《たいそく》と準備体操を始める。
現代の人工筋肉である『ナノカーボンアクチュエーター』が、準備体操に合わせて調整《キャリブレーション》をかけ機体が身体に馴染むようになる。
機体調整が終わった所で、広場に向かう。
広場は2層の武器格納庫からエレベーターで上げた武器が集積しており、クオリア機は装備を装着していく。
スピーダーは細見のシルエットを持ち、機体は青に塗装されている。
腕、腰、膝にそれぞれハードポイントを搭載していて、ここに武器や予備マガジンなどを取り付けるのだ。
クオリア機は まず、ボックスライフル取り出しマガジンを装填する。
そしてマガジン同士を2つを連結させ右腰、右腰に接続させた…。
ボックスライフル銃にマガジンが2本、腰にマガジンが計4本のクオリア機のスピーダーが、広場の中の端にあるDL待機所に駐機姿勢で機体を止める。
コックピットがスライドし、装甲から出入口が出てくる。
クオリアは、機体をアイドリング状態にして機体から降りた。
24機+2機か…。
武器格納庫には、まだ150機は組み立てられる程の予備パーツがあるが…。
機体の組み立て作業が到底間に合わず、人員は出せる機体の調整に回される事になった。
ワームが入る地上の出入口が狭いから物量で押されることは無いだろうが…。
それでも、どんな楽観値で見積もっても全機破壊される。
現場のデータを会議室にリアルタイムで流して交渉はしているが…。
時間は無いぞアントニー…この都市を救えるのは私ではなくアントニーだ。
ナオとトヨカズを運んでいたドラムから目的地に着いたと連絡を受けて、すぐさま対応に入る。
上空では叩きつける音が次第に大きくなり、遂に地上へとつなぐ為のエレベーターが破壊されワームが落ちてくる。
高度10kmから落下して来た、数トンもある大量の質量弾が地面に当たり地面が揺れる。
土煙を盛大に上げ煙から出てきたのはワームだった。
「各員戦闘開始、全兵装使用自由《オールウェポンズフリー》」
ジェニーがクオリアが望んでいた言葉である全兵装使用自由《オールウェポンズフリー》と言う。
もう『DLと指定されていなかったので、私が全兵装使用自由《オールウェポンズフリー》と命令されたと判断しました。』とジェニーに責任を被せようかとクオリアは思った。
円状のテーブルに座るのは12人の役員。
いずれも優秀で、各企業や研究職などの現場を経験している人間だ。
授業中に『エルダー』からコードSの最優先回線で私にワームの進行を伝え、私は即座に『アントニー』に連絡し、即運営委員会メンバーが集まり会議が始まる。
当初クオリアが、限定解除してワームを殲滅《せんめつ》するプランだったが、『戦闘領域でのオーパーツの使用は認められない』と言われ計画が破綻。
結果、会議で時間を使い、進軍が遅れた事と戦力を甘く見た運営の判断でDL1個大隊が溶かされた…。
地雷設置作業も都市の運命を握る貴重な時間をギリギリまで浪費し、結局可決する。
地雷設置部隊も設置が完了する前に ワームが到達し、退避《たいひ》が出来ずに爆死するだろう。
各個は優秀でも誰かを切り捨てるプランは、誰も言いたがらない。
そして各役員が責任回避の為に可決時間が更に長くなる。
「それで、この状況でエレクトロン側はどう言う対応を取るのかね」
まただ…ここにいる運営役員の半分はエレクトロンに助けを求めている。
だがオーパーツの使用は せず人の能力のみで事態を解決せよと要求している。
私は『縛りプレイ組』だが、ここまで縛られてどう楽しめと言うのか?
「だから先ほどから言っている…限定解除させろと。」
「だからこちらも先ほどから言っているだろ。
戦闘領域でのオーパーツの使用は認められないとこれは、運営規定だ。」
「だからと言って、都市民が壊滅したらその理念を守るものがいなくなる…。
結局の所…守れない。
ルールは運営を円滑にする為の物だ…。
逆に運営が円滑になるならルールを変えても良いと私は考える。」
「そのルールを破った君たちが起こしたのが大戦であろう…。
人類に自治権を放棄させといて よく言える。」
「ここで歴史問題を取り上げるのはナンセンスだ。
私達はタイムマシンによる過去改変などまだ出来ないのだから…。
重要なのは今、リアルタイムで消えている現場の命ではないのか?」
先ほどからずっと役員VSクオリアで言いあっている。
ここまでの話を聞くと役員にはこの事態を解決したくなく自殺願望でもあるのか…とクオリアは疑い始める。
「クオリア…ちょっと良いかね?」
今まで黙って役員の話を聞いていた『アントニー』が口を開く。
周りが一斉に黙り、視線がアントニーに向く。
やっぱりこういう事か…。
アントニーが役員を見かねて『強権』を使うように誘導していたのだ。
強権を使い、責任のすべてをアントニーに押し付ければ、自分たちは『強権を行使され無理やり やらされた』と良い訳が立つ。
まったくこの為に何人の人と時間を浪費したと思っているんだ。
「キミはワームが都市に侵入した場合の被害をどの位だと想定している?」
「現時点での『楽観値』で死傷者重傷者を含めて半数…10万人程…『悲観値』だと太陽系の消滅が想定される。」
「ワーム1万の為に太陽系を滅ぼすと言うのか!…まったく」
「静粛に、クオリア…私は『悲観値』でも精々がこの都市と周辺の全滅レベルだと思っていたんだが、どう想定したらそう言った結果になる?」
「問題なのは『ラプラス』と言う、ワームが進化した上位個体だ。
過去に恒星間航行をしている宇宙遊牧民船団200万人が犠牲になった。
その後エレクトロンを2個大隊…300人投入し…結果、機体ロスト数299人。
最終的に私だけ生き残ってロストした エレクトロンのバックアップデータを持ち半年かけて帰還した。」
「1機で星を破壊できるエレクトロンが300機投入して勝てる相手か…。」
役員の顔が引きつりながら呟く。
「今のワームは先行隊の可能性が高いと予測される…。
戦闘を繰り返せば、いずれ『ラプラス化』するし 宇宙のどこかにいるかも知れないラプラスを呼ぶ可能性もある。」
あの個体は光速は越えられなかったハズだが…進化の末にワープやテレポートの類を手に入れている可能性は十分にある。
実際ワープもテレポートもエレクトロンが使用可能な技術だ。
ゥ~ウ~ゥ~ウ~ゥ~ウ~
都市に大規模なサイレンがなる。
「地雷原に突っ込んだな…。
ワームが侵入するまで残り30分程度か…。
私はDLで出る…アントニー良いな?」
クオリアは、アントニーに向かって有無を言わせない視線を送る。
「ああ許可する」
オーパーツを禁止されたクオリアの力は人の上限に制約される。
その条件下で生身で戦えとは、さすがのアントニーも言えなかった。
「通信で交渉は続ける…では…。」
クオリアは、左腕をだらけたまま右手を胸に当て、軽く一礼する最下位礼をして、警察署に向かう。
警察署に向かう途中でクオリアは、レナに状況を説明しようとするが…通話がかからない。
おそらくナオかトヨカズにかけているのだろう。
しばらくして、レナとナオの通話が始まり、クオリアは割り込む形で通話に入る。
「割り込み失礼…。」
2層は、地面から天井までが100mあり、接客などを行わない生産施設などが等間隔に並んでいる。
多くの建物は窓が無い100mのビルで、1層と2層を柱のように支えている。
警察署の武器格納庫もここにある。
最も2層には扉は無く、1層の警察署からエレベーターを使って降りる事になるのだが…。
クオリアがDLを受け取る為に 警察署に向かう。
警察署前の広場には 既にDLが並んでおり、地下から大型エレベーターを使ってDLが上がってくる。
「おっ来たか…エレクトロンの嬢ちゃんこっちだ。」
パイロットスーツを着崩し、筋肉質の中年の男性がクオリアを呼ぶ。
「固有名で読んで欲しい私は『クオリア』だ…あなたは?」
クオリアは無機質に中年に話す。
「悪りぃ悪りぃ俺は、『ジェニー』だ。
ところで機種はどうする?
ベック、スピーダー、パワードと一通りあるが…。」
ベックはベーシック機体…日本名だと黒鋼
スピーダーは、スピード特化機体…日本名は、疾風
パワードは重量級パワー機体…日本語名は、炎龍
「スピーダーが良い、扱い難《にく》いから余っているだろう…。」
スピーダーは上級者向けの機体だ。
極限まで反応速度を高めた機体で、操縦性が悪くなり、機体を軽くする事で武装は最低限しか積めず、継続戦闘能力が低い。
「武装はボックスライフルと120発マガジンが6本、計720発…ナイフはいらない」
「機体のコンセプトを完全に無視だな…死重量になるぞ。」
普通ならライオットシールドとボックスライフルにマガジン3本の計360発に短距離用ナイフだ。
明らかに積みすぎだが…。
「撃っていれば機体重量は軽くなるし、パージも可能だ…。
だが戦闘中に弾の補給が出来るか怪しい…だから、多めに積んで置くんだ。」
「ふむエレクトロンとしてはこれが最適なのか…。
注文はかけた…すぐに上がってくる。」
「助かる。」
スピーダーが、警察署前のエレベーターで上ってくる。
エレベーターから出てきたスピーダー駐機場まで歩いて行くと、膝を曲げて地面に座り、手を後ろに着いた状態で停止しパイロットが降りてくる。
スピーダーについて来た軍用車両が パイロットを回収し、エレベーターまで運び、パイロットは またエレベーターに乗り、降りていく。
車を走らせるジョニーは、スピーダーの隣で車を止め、ジェニーはクオリアが降りる際にキー端末を渡し「所属は俺と同じ遊撃部隊の13-1小隊だ…後で会おう。」と言う。
クオリアを下ろすと、また車を動かし始めた。
車から降りたクオリアはスピーダーに向かう。
DLはコックピットの大きさの問題から胸部分から背中部分まで、コックピットブロックが貫通していると表現される。
駐機状態のスピーダーは膝を曲げて座り、手を後ろに着いた状態なので、背中が下に向いていて…コックピットの位置地面から1.5m程度だ。
130cmのクオリアには、まだ高いが肘《ひじ》の装甲の出っ張りに足を掛け上がり、乗り込んだ。
コックピットに入り上向きの状態でクオリアはシートに座る。
5点ロックのシートベルトをしめ、シートの首部分の横に繋がっているケーブルをクオリアは首に接続した。
接続部分が磁気で固定され機体との接続を開始する。
クオリアは手を伸ばし右下にあるキー用のUSBポートに、キー端末を差し込む。
キー端末はUSBメモリの形に似ていて縦状態のUSBポートに差し込み車のキーのように傾ける。
機体が起動した所で、端子の可動部分から折り曲げ折り畳む。
機体のデータが流れ始め、端末が戦闘データを記録する『ブラックボックス』になる。
クオリアは、シートにある肘掛《ひじか》け部分にある操作端末を握る。
首から機体にデータが流れ、物理操作を無しで機体を操る。
スライド式のコックピットが収納され、乗り込み口が装甲の中に格納されていく。
「動くぞ」
周りの人間に外部スピーカで警告して立ち上がる。
「ダイレクトリンクシステム起動」
首のケーブルを通してクオリアの人工脳と機体の手足が接続され、感覚を共有し文字通りの人機一体になる。
クオリア機は屈伸《くっしん》、伸脚《しんきゃく》、上体前後屈《じょうたい ぜんごくつ》、体側《たいそく》と準備体操を始める。
現代の人工筋肉である『ナノカーボンアクチュエーター』が、準備体操に合わせて調整《キャリブレーション》をかけ機体が身体に馴染むようになる。
機体調整が終わった所で、広場に向かう。
広場は2層の武器格納庫からエレベーターで上げた武器が集積しており、クオリア機は装備を装着していく。
スピーダーは細見のシルエットを持ち、機体は青に塗装されている。
腕、腰、膝にそれぞれハードポイントを搭載していて、ここに武器や予備マガジンなどを取り付けるのだ。
クオリア機は まず、ボックスライフル取り出しマガジンを装填する。
そしてマガジン同士を2つを連結させ右腰、右腰に接続させた…。
ボックスライフル銃にマガジンが2本、腰にマガジンが計4本のクオリア機のスピーダーが、広場の中の端にあるDL待機所に駐機姿勢で機体を止める。
コックピットがスライドし、装甲から出入口が出てくる。
クオリアは、機体をアイドリング状態にして機体から降りた。
24機+2機か…。
武器格納庫には、まだ150機は組み立てられる程の予備パーツがあるが…。
機体の組み立て作業が到底間に合わず、人員は出せる機体の調整に回される事になった。
ワームが入る地上の出入口が狭いから物量で押されることは無いだろうが…。
それでも、どんな楽観値で見積もっても全機破壊される。
現場のデータを会議室にリアルタイムで流して交渉はしているが…。
時間は無いぞアントニー…この都市を救えるのは私ではなくアントニーだ。
ナオとトヨカズを運んでいたドラムから目的地に着いたと連絡を受けて、すぐさま対応に入る。
上空では叩きつける音が次第に大きくなり、遂に地上へとつなぐ為のエレベーターが破壊されワームが落ちてくる。
高度10kmから落下して来た、数トンもある大量の質量弾が地面に当たり地面が揺れる。
土煙を盛大に上げ煙から出てきたのはワームだった。
「各員戦闘開始、全兵装使用自由《オールウェポンズフリー》」
ジェニーがクオリアが望んでいた言葉である全兵装使用自由《オールウェポンズフリー》と言う。
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