52 / 60
ヒトのキョウカイ2巻(エンゲージネジを渡そう)
21 (ディベート)
しおりを挟む
10kmのドーム型都市エクスマキナ…。
都市の名前の由来になっているのは エレクトロンが信仰する機械の神『デウス・エクス・マキナ』…。
そのご利益は『新しい概念の機械を設計し、ヒトが快適な生活を送れるようにする』事だ。
ドームの丁度《ちょうど》真ん中にあり、この都市を支える柱のように見える高層ビルの2階にある神殿に『彼女』はいる。
ナオとクオリアがスライドドアを開けて中に入る…。
部屋にはソファーが2台あり、その後ろに円柱のガラスケースに浮かんでいるキューブがある…。
多分あれが『デウス・エクス・マキナ』だ。
ソファーには金の髪の男が座っていて ドアが開いた事に反応して、こちらを見ている。
「やあ…時間に正確なエレクトロンにしては珍しいね…。」
ソファーの男が言う。
「ちょっとあってな…アナタこそ、面会時間は過ぎているのでは?」
クオリアがそう言うと、ナオとクオリアがソファーに近づく。
「キミたちに会いたくてね…。」
男は立ち上がり、ナオ前に行く。
「ジェームズ・天尊です…次期社長をやっています。」
天尊は好印象を完璧に演出し、手を差し出す。
コイツがか…。
「カンザキ・ナオトだ…よろしく」
ナオは差し出された手を握り、握手をする。
「それじゃあ…また。」
天尊はナオの顔を見て笑みを浮かべると、挨拶だけしてスライドドアを開けて外に出て行った。
ナオとクオリアは ソファーに座り 前を見る…。
前には円柱のガラスケースに液体で満たされ、キューブが浮いている。
「機械の神様だってのに やけに小さいな…。」
「だがあれ1つで 質量が1㎏もあるし、処理能力も1恒河沙…10の52乗フロップスだ。」
「あー人の頭が10の16乗だから…10の36乗倍?…単位は…」
そもそも単位があるのか…?
いや『恒河沙』何て聞いたことない単位が出るんだ…。
それより低いなら多分あるはず。
「1澗倍だ。」
「さっぱり分からない…。」
全く聞いた事が無い単位だ。
クオリアが少し考える…。
「ヒト1人がこれで思考加速したら、1秒で太陽系誕生から今までを約6893京回繰り返せる。」
「やっと馴染みのある単位になったが……とんでもなく多い事だけは理解出来た。」
サーバーみたいに大きくならないのは、そもそも必要が無いからか。
「あれが殆《ほとん》ど物理限界…それ以上の処理速度を出すなら、もう数を増やすしかない。」
目の前のソファーに人の形の量子光が輝き、人の形に生成されていく…多分ARだ。
童顔に低身長の巨乳、機械の神様と言う事もあって身体のラインが出るボディスーツにメカチックな手や足。
背中にはクオリアとは違うデザインの神の翼を意識した機械翼。
そんな萌え要素を詰め込みまくった相手が目の前に座る。
『用件をどうぞ』
挨拶もせずに単刀直入に聞いてくる。
「ラプラスの対抗策について議論したい。」
『タナトスによる ガンマレイバーストが適切だと判断します。』
それを先読みしていたかのようにデウスは間を置かず答える。
「威力が高すぎる。」
『敵の脅威度から考えれば、大火力で一瞬で終わらした方が被害は明らかに少なく済みます。』
「だが その被害は許容出来ない。」
『命のやり取りをしているのです…。
犠牲を出さないと言う事は まずありえません。
なら損害を可能な限り減らすのが最良の手段です。』
クオリアの髪の色は変わっていないが、相当に考えているのだろう…髪から熱を感じる。
「ガンマレイバースト以外の手段は?」
『ラプラスに3次元攻撃は殆《ほとん》ど効果がありません。
有効な手段は空間系統です…。
ラプラスを空間ごと閉じ込めて無力化する事以外ありません。
あなたはそれを理解しているはずです…クオリア。』
「破壊は不可能だと…?」
『不可能です。
ワームは量子通信ネットワークで繋がっている社会性生物。
ラプラスは これに4次元5次元を含めた社会性生物です。
私達にタイムマシンが無い以上、過去に逃げた個体の対処《たいしょ》が出来ません。』
「あれが複数いると…。」
『理論上無限に増殖が出来ます…。
そもそも出会う事を回避する事が重要なのです。
出会ってしまった以上、大筋の結果は変わりません。』
クオリアの答えに間を置かず答え続けるデウス…。
そしてクオリアはしばらく考え込み
「………他には手は無いと。」
ゆっくりと言葉を絞り出した。
『ええ、ですが『滅びる』と言う選択肢も取れます…。
実行するのはあなたです…『クオリア・エクスマキナ』』
あのクオリアが一方的に押されている…そもそも『ラプラス』が強すぎるせいで、議論にすらなってない。
「失礼する。」
クオリアが立ち上がり…ドアに向かう。
ナオも慌てて立ち上がる。
「私は、そのプランを認めない。」
クオリアがそう言い、ドアを開け歩く。
ナオはデウスに軽く会釈し、クオリアの後を追った。
デウスは一言「そう…」と言うと量子光に包まれ飛散した。
都市の名前の由来になっているのは エレクトロンが信仰する機械の神『デウス・エクス・マキナ』…。
そのご利益は『新しい概念の機械を設計し、ヒトが快適な生活を送れるようにする』事だ。
ドームの丁度《ちょうど》真ん中にあり、この都市を支える柱のように見える高層ビルの2階にある神殿に『彼女』はいる。
ナオとクオリアがスライドドアを開けて中に入る…。
部屋にはソファーが2台あり、その後ろに円柱のガラスケースに浮かんでいるキューブがある…。
多分あれが『デウス・エクス・マキナ』だ。
ソファーには金の髪の男が座っていて ドアが開いた事に反応して、こちらを見ている。
「やあ…時間に正確なエレクトロンにしては珍しいね…。」
ソファーの男が言う。
「ちょっとあってな…アナタこそ、面会時間は過ぎているのでは?」
クオリアがそう言うと、ナオとクオリアがソファーに近づく。
「キミたちに会いたくてね…。」
男は立ち上がり、ナオ前に行く。
「ジェームズ・天尊です…次期社長をやっています。」
天尊は好印象を完璧に演出し、手を差し出す。
コイツがか…。
「カンザキ・ナオトだ…よろしく」
ナオは差し出された手を握り、握手をする。
「それじゃあ…また。」
天尊はナオの顔を見て笑みを浮かべると、挨拶だけしてスライドドアを開けて外に出て行った。
ナオとクオリアは ソファーに座り 前を見る…。
前には円柱のガラスケースに液体で満たされ、キューブが浮いている。
「機械の神様だってのに やけに小さいな…。」
「だがあれ1つで 質量が1㎏もあるし、処理能力も1恒河沙…10の52乗フロップスだ。」
「あー人の頭が10の16乗だから…10の36乗倍?…単位は…」
そもそも単位があるのか…?
いや『恒河沙』何て聞いたことない単位が出るんだ…。
それより低いなら多分あるはず。
「1澗倍だ。」
「さっぱり分からない…。」
全く聞いた事が無い単位だ。
クオリアが少し考える…。
「ヒト1人がこれで思考加速したら、1秒で太陽系誕生から今までを約6893京回繰り返せる。」
「やっと馴染みのある単位になったが……とんでもなく多い事だけは理解出来た。」
サーバーみたいに大きくならないのは、そもそも必要が無いからか。
「あれが殆《ほとん》ど物理限界…それ以上の処理速度を出すなら、もう数を増やすしかない。」
目の前のソファーに人の形の量子光が輝き、人の形に生成されていく…多分ARだ。
童顔に低身長の巨乳、機械の神様と言う事もあって身体のラインが出るボディスーツにメカチックな手や足。
背中にはクオリアとは違うデザインの神の翼を意識した機械翼。
そんな萌え要素を詰め込みまくった相手が目の前に座る。
『用件をどうぞ』
挨拶もせずに単刀直入に聞いてくる。
「ラプラスの対抗策について議論したい。」
『タナトスによる ガンマレイバーストが適切だと判断します。』
それを先読みしていたかのようにデウスは間を置かず答える。
「威力が高すぎる。」
『敵の脅威度から考えれば、大火力で一瞬で終わらした方が被害は明らかに少なく済みます。』
「だが その被害は許容出来ない。」
『命のやり取りをしているのです…。
犠牲を出さないと言う事は まずありえません。
なら損害を可能な限り減らすのが最良の手段です。』
クオリアの髪の色は変わっていないが、相当に考えているのだろう…髪から熱を感じる。
「ガンマレイバースト以外の手段は?」
『ラプラスに3次元攻撃は殆《ほとん》ど効果がありません。
有効な手段は空間系統です…。
ラプラスを空間ごと閉じ込めて無力化する事以外ありません。
あなたはそれを理解しているはずです…クオリア。』
「破壊は不可能だと…?」
『不可能です。
ワームは量子通信ネットワークで繋がっている社会性生物。
ラプラスは これに4次元5次元を含めた社会性生物です。
私達にタイムマシンが無い以上、過去に逃げた個体の対処《たいしょ》が出来ません。』
「あれが複数いると…。」
『理論上無限に増殖が出来ます…。
そもそも出会う事を回避する事が重要なのです。
出会ってしまった以上、大筋の結果は変わりません。』
クオリアの答えに間を置かず答え続けるデウス…。
そしてクオリアはしばらく考え込み
「………他には手は無いと。」
ゆっくりと言葉を絞り出した。
『ええ、ですが『滅びる』と言う選択肢も取れます…。
実行するのはあなたです…『クオリア・エクスマキナ』』
あのクオリアが一方的に押されている…そもそも『ラプラス』が強すぎるせいで、議論にすらなってない。
「失礼する。」
クオリアが立ち上がり…ドアに向かう。
ナオも慌てて立ち上がる。
「私は、そのプランを認めない。」
クオリアがそう言い、ドアを開け歩く。
ナオはデウスに軽く会釈し、クオリアの後を追った。
デウスは一言「そう…」と言うと量子光に包まれ飛散した。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら王族だった
みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる