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1巻
1-3
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◆ ◆ ◆
遡ること数日前。エリオットは秘密裏に、ボルビアン国から派遣する使節団に紛れて入国する準備を進めていた。
ハルミンは王太子自ら素性を隠して入国することに反対していたが、エリオットを止められないと悟ると自分も行くと言い出した。ジークレイに限っては、王族を守るのが使命だと言って今回の護衛に名乗りを上げてくれた。
ユリウスは実姉の冤罪の可能性を伝えられると、しばらく公爵家の銀水晶の宮に閉じ籠もり、姿を見せなくなった。だが、使節団へは必ず同行するだろうと確信があった。それまで落ち着く時間が彼には必要だったのだ。
一方、エリオットはハルミンと計画を練りながら、王宮のとある部屋を訪れていた。
「……父上、ご報告がございます」
病に臥した国王の元に足を運ぶ。
ベッドから起き上がって食事を済ませた父親の顔色はいつもより良かった。
ただ、寝たきりのせいで頬は痩け、体は一回りも小さくなってしまっている。黄金色の髪も白くなり、一気に年老いてしまったようだ。最愛の王妃を失ってから気力を失った国王は、日に日に弱っていった。
それでも息子として、王太子として、責任のあるエリオットは身に起きたことを包み隠さず話さなければいけなかった。
「……なんと、いうことを」
国王は、魔道具のブレスレットを付けた左手で顔を覆った。口からは悲痛な呻きが漏れ、エリオットは直視できなかった。
小さい頃から息子と共に育ってきたセレンティーヌは、国王にとって我が子同然だった。また娘が欲しかった王妃は彼女の両親以上に彼女を溺愛し、可愛がっていた。本当の娘になるまであと少しだったのに、全てが一変した。
王妃はセレンティーヌの無実を証明しようと動いていたが、大勢の前で断罪される彼女を庇うことができなかった。それは国王に対する反逆を意味する。娘のような存在を失い、王妃は嘆き悲しみ、倒れてそのまま回復せずに亡くなった。
オグノア公爵夫妻は娘の責任を取る形で、ジュリエナを公爵家に養女として迎えたが、世間からの糾弾や嫌がらせが絶えず領地に引き籠もってしまった。
エリオットから話を聞いた国王は声を震わせ、王妃の名前を口にした。魅了という呪いに掛かっていなければ失わずに済んだ最愛の妻だ。
「……それで、隣国に行くのか」
「ええ、素性を隠して入国するつもりです」
「そうか。……リオルはどうした」
「信頼できる女官と侍女に預けております」
急に息子の名前を出されて、エリオットは僅かに眉根を寄せた。
まだ幼い息子は突然母親に会えなくなって何度も泣き喚いた。どんなに言い聞かせてもまだ理解することはできないだろう。
エリオットもまた、自分の気持ちに整理がついていなかった。
唯一の我が子なのに、あれから抱き上げたくても手が止まってしまう。泣いている息子を抱き締めて慰めてやりたいのに、体が拒否するのだ。
「もし、セレンティーヌと再会できたら……」
「ええ」
「……すまなかった、と」
国王が民に頭を下げることはない。
けれど、エリオットを通して、追放してしまった彼女に謝罪してきた。エリオットは「必ずお伝えします」と約束した。
「お前が国を離れている間、私が留守を預かろう。いつまでも臥せっている場合ではないな」
「どうか、ご無理はなさらずに」
「大事ない。──頼んだぞ」
国王の伸びてきた手が、エリオットの肩を掴んで揺らした。
弱い力だった。それでも父親の思いを受け取り、エリオットは数日後に従者として旅立った。
◇ ◇ ◇
セレンティーヌが隣にいることは、エリオットにとって日常だった。
初めて出会った瞬間も思い出せないぐらい、気づけば誰より近くにいた。お互い、婚約者として特別意識したことはない。関係を定める必要もないぐらい好き合っていたからだ。
「エリオット!」
王宮と公爵家の邸宅は馬車で二十分足らずの距離にあった。
おかげで、二人はほぼ毎日のように行き来して相手の家に転がり込んでいた。まるで我が家に帰る感覚で足を運んでいるせいか、護衛や侍女を置き去りにして部屋に駆け込んでくることも日常茶飯事だ。
「……セレンティーヌ、女の子が扉を勢いよく押し開けるなんて、はしたないよ?」
「一昨日も同じことを言われた気がするわ」
「そういう記憶力は良いのにね」
柔らかくウェーブのかかった銀色の髪を揺らし、長い睫毛の下に収まった青灰色の大きな瞳を輝かせてやって来たのは、もちろん婚約者である少女だ。
彼女の髪や瞳の色に合わせた青いドレスは、生地が左右に開かれて後ろで括られ、水色のフリルがあしらわれたアンダースカートが足元を隠していた。社交界で流行りの形だというドレスは、婚約者をより愛らしく引き立ててくれている。
部屋で勉強をしていたエリオットは、開いていた本から視線を持ち上げてやって来た婚約者に肩を竦めた。少し遅れて、無事彼女の護衛が追いついたようだ。
「また隠し通路を使ったね?」
「えーと、どうだったかしら」
本来なら十歳の子供の足で護衛をまくことは不可能だ。それなのに、セレンティーヌは毎度のことながら一人で颯爽と現れる。
答えは簡単だ。彼女は王宮の隠された通路という通路をエリオットなみに知り尽くしているのだ。小さい時からエリオットと共に冒険ごっこをしたのが原因だ。本来は王族しか知らない通路であるというのに。そういう意味でも、エリオットの婚約者はオグノア公爵家の令嬢、セレンティーヌ以外いないのである。
「あのね……ティヌ」
これはもう一度よく言い聞かせないといけない、と本を閉じたエリオットは椅子から立ちあがりセレンティーヌに近づいた。安全な王宮内とはいえ、何かあってからでは遅い。婚約者である前に一国の王子として対処するべきだ。
「なあに?」
「──っ、なんでも、ない……」
意気込んで向かい合ったものの、二人でいる時だけ使う愛称を口にしたのがいけなかったようだ。
セレンティーヌは嬉しそうに青灰色の目を輝かせて、子犬のように小さく首を傾げた。その愛らしさに、エリオットの威厳は容易く崩れ落ちた。
一瞬、息を切らした護衛の騎士と目が合ったが、その顔は悲愴感が漂っていた。王子も婚約者の前では形無しだと噂が広がってしまわないか心配になる。
エリオットは誤魔化すように咳払いし、セレンティーヌに向き直った。
「と、ところで、今日はそんなに急いでどうしたの?」
「ふふ、これを見て。王妃様からお茶会の招待状が届いたの」
輝いていた瞳をさらに光らせ、セレンティーヌは持っていた白い封筒を差し出してきた。封蝋には王室の印璽が押されていた。
セレンティーヌは興奮冷めやらぬ様子でエリオットの手を掴み、二人は並んでソファーに座った。
「そうか、来月だったね」
二人が座ってから間もなく、侍女がお茶やお菓子を運んできた。
テーブルにはセレンティーヌの大好きなお菓子ばかりが置かれていく。どうしてかって、見ていれば嫌でも分かる。
セレンティーヌは、お茶を用意してくれた侍女に向かって「ありがとう、美味しくいただくわね!」と飾らない笑顔でお礼を言い、侍女は感動して目を潤ませるのだ。
こうしてまた一人、婚約者を崇拝する者ができた。王宮の侍女はすでに掌握されていると思って間違いない。エリオットは好物のクッキーを頬張るセレンティーヌに嘆息した。
「私達と同じ年ぐらいの子供を集めてのお茶会なんて楽しみだわ!」
「浮気なんかしちゃダメだよ?」
侍女とのやり取りを見ていると、セレンティーヌにそのつもりがなくても相手は勘違いしてしまいそうだ。先が思いやられると首を振って見せれば、セレンティーヌは唇を尖らせた。
「そういうエリオットこそ」
普通なら恥ずかしくなるような会話も、二人はまるで違っていた。一瞬、浮気をする自分たちを想像してみるが、思い描くことすらできず、どちらも「ないね」「ないわね」と呟いて頷いた。
「そういえば母上が、ティヌのドレスを仕立てるって張り切ってたよ」
「逆に、私のお母様は機会を奪われて嘆いてたわ」
「……程々にするよう言っておくよ」
王妃であるエリオットの母親はエリオットを産んだ後、子供をなさなかった。正確には腹に宿っても産声をあげることはなかった。今は子供ができる体ではなくなってしまい、一度だけ声を殺して泣いている母親を見たことがある。
考えられる理由は王と王妃がいとこ同士で、流れている血が近いせいだろうと言われている。
ボルビアン国のように閉鎖的な国は他国の血を受け入れない。
王室も近い者同士で婚姻を繰り返し、生まれる子供の数は年々減少してきている。まだ成人にもなっていないエリオットの耳にも入ってくるほどの話だ。貴族の大半は王族と血の繋がりがあると言っていい。
だから、息子一人しかいない王妃は、息子の婚約者であり赤子の頃から見てきたセレンティーヌをとても可愛がっていた。それはセレンティーヌも理解しており、楽しそうにドレスを準備してくれる王妃に何も言えないでいるのだ。
「きっとエリオットとお揃いの色に仕立てあげるつもりだわ。それじゃ浮気どころか他の男の子と話もできないわね」
「全身で僕の婚約者ですって言いながら歩いてるようなものだね」
「あら、私は全然平気よ? むしろ嬉しいわ」
「君はもう少し自重したほうが良いよ……」
茶化すわけでもなく至極真面目な顔で言ってきたセレンティーヌに、エリオットは肩を落とした。
「僕の心臓がいくつあっても足りない」と呟けば、セレンティーヌはにこにこ笑って二人の間にあった距離を一気に詰めてきた。
ほら、浮気なんて絶対できない。エリオットの心は婚約者への愛でいっぱいになってしまう。
「エリオットは、このお茶会でとくに挨拶しておきたい人っている?」
「うん、いるよ」
触れたところから伝わってくるセレンティーヌの体温にドキドキしながら、エリオットは頷いた。招待状には招待客のリストが入っているわけじゃない。だが、エリオットは母親から誰と会って、誰と挨拶しておいたほうがいいか予め教えられていた。
「騎士団総長のご子息が僕たちと同じ年なんだ」
「キャスナー伯爵家ね」
国を守る騎士団は、多くの人々に憧れられている。彼らに憧れて騎士を目指す男児からはもちろん、淑女からも人気が高い。
剣を掲げて王に忠誠を誓う式典は、毎年の恒例行事となっており、多くの民が王室の広場に押し掛けて見物するぐらいだ。騎士たちが式典用の隊服に身を包み、一糸乱れず行進して剣を抜く姿は感動して込み上げてくるものがある。
「キャスナー伯爵家は代々決まって赤い髪だからすぐに見つかりそうね」
「彼にも幼馴染みの婚約者がいるって言ってたから、ティヌも挨拶しに行こう」
「分かったわ。彼も騎士を目指しているなら、将来私達とも関わってくるでしょうし」
王室と騎士団は深い繋がりがある。歴史を辿っても建国から王室を支え、小さなボルビアン国を他国から守り、争いのない穏やかな国にしてくれた組織だ。
だから、今も行われる騎士団の式典は平和の象徴でもあった。
エリオットはセレンティーヌの言葉に口元を緩ませ、笑顔で頷いた。直後、セレンティーヌが「わ、私の心臓が……」と胸を押さえたのは見なかったことにしよう。
「それから、ハルにも良い子を見つけてあげないと」
「彼、嫌がると思うわ」
「そうかな?」
エリオットは親友にも早く素敵な相手が見つかるように願っているのだが、セレンティーヌは首を振って止めた。
「ハルミンには、彼のタイミングで良い人が現れる筈よ」
自分たちが幸せなせいか、身近にいる人も同じように誰かと幸せになってほしいと思ってしまう。けれど、相手のことも考えなければいけないと気づいて反省した。
エリオットはセレンティーヌの手を握り締め、銀色の髪に頭を押し当てた。
「そうだね」
エリオットにとって、セレンティーヌと一緒に過ごす時間は至福だった。
自分たちは誰もが羨むような夫婦になって死別するまで離れずにいる──ものだと思っていた。
――通い始めた学園で、下級貴族の令嬢と出会うまでは。
「エリオット様……!」
彼女は婚約者とは違い、教養もなければマナーも身に付いていない男爵令嬢だった。最初は興味も抱かなかった。それが、鉢合わせることが増え、何度も顔を合わせている内に本音を零すようになっていた。
──不思議だった。
気づくとジュリエナと名乗った彼女に引き寄せられていた。
これまでセレンティーヌと過ごしてきた幸せが崩れ落ち、彼女を国から追放して、新たに婚約者となったジュリエナと婚姻を結んだ。
二人の結婚式は盛大に行われ、純白のドレスに身を包んだジュリエナの姿が眩しかった。贅沢の限りを尽くしたドレスには批判的な声も出ていたが、平民に近い立場にあったジュリエナは国民から高い支持を得ていて、結局押しきられる形で結婚式は進められた。
そして迎えた初夜。
腕に抱いたジュリエナは確かに初めてだった。
愛する彼女の純潔を散らし、エリオットはジュリエナの肉体を貪った。ジュリエナはエリオットの下で満足げに唇を持ち上げ、細い腕を絡ませてきた。
初めてなのに、彼女は妙に男を知っていた。経験がなかったエリオットは女体と肌を重ねる快楽を覚え、ジュリエナの甘い誘惑に溺れていった。もっと注意深く彼女と付き合っていたら、こんなことにはならなかったかもしれない……
「──……っ!」
広いベッドの上で、一人眠りについていたエリオットは突然目を覚まして飛び起きた。刹那、胃から食べたものが込み上げてくる。エリオットは口元を押さえ、しばらくじっと耐えた。
悪い夢を見たような気がする。違う、あれは夢などではない。これは己が今向き合わなければいけない現実だ。エリオットは深い溜め息をついて、目にかかる前髪を掻き上げた。
「セレンティーヌ……」
ネオシィスト王国に到着したその日。
エリオットは魔道具をつけてから心を蝕んでいた呪いは解けたものの、忌々しい悪夢を毎晩のように見ていた。そして毎日、自問自答しては罪悪感に駆られていた。
なぜ、君を遠くへ追いやってしまったのだろう。あれほど傍にいたのに。隣にいることが当たり前だったのに。
なぜ、魅了などにかかってしまったんだ。身分もなくなって追放された君は、この隣国で無事なんだろうか。早く、会って話がしたい。五年前の真相を確かめなければいけない。
エリオットは暗闇の中、元婚約者に思いを馳せ、小刻みに震える手を強く握り締めた。
◇ ◇ ◇
雲一つない快晴。
紋章のない馬車が貴族の暮らす居住空間を抜け、平民の住む市井へ入ったところで止まった。
貴族の家と比べて小さな家が密集していたが、生活水準が高い国だけあって道路は舗装され、建ち並ぶ家はどれもお洒落なレンガ造りだった。家の前には花壇があり、季節ごとに花を咲かせるそうだ。
露店の出た市場は活気があり、行き交う人々の顔も随分穏やかだ。
これがネオシィスト王国の民か。
閉鎖的なボルビアン国は他国の人間を受け入れにくく、馴染むまで時間がかかる。
しかし、これだけ開けたネオシィスト王国なら肌や髪、瞳の色で差別されることはないだろう。
他国から追放されて逃げてきた者にも居場所を与えてくれる。
そんな国だった。
「……あちらです」
帰国の前日。
エリオットはハルミンの案内で、ジークレイとユリウスを伴い、市井に降りていた。今日まで逸る気持ちを抑え、外交を無難にこなすユリウスの従者に徹していた。他国に王太子が忍び込んだだけでも問題なのに、見つかればどんな事態を招くか分からない。慎重にならざるを得なかった。
息を潜めて過ごしてきたエリオットは、隣国の監視も緩んだ帰国する前日の、人通りが多い夕刻の時間帯を選んで動いた。
上質とはいえない外套を羽織り、フードを被って顔を隠し、平民に紛れてハルミンの後をついていく。
辿り着いたのは王都の中でも城から遠く離れた貧しい区画の居住地だ。
貴族の近くに住む平民の家とは異なり、木造の建物が点々とある。
こんな場所に公爵令嬢だった彼女がいるのだろうか。にわかには信じ難い。
けれど、ハルミンはとある木造二階建ての家が見えてくると立ち止まり、エリオットにそっと目配せした。裏は森になっていて、そこにだけぽつりと建っているような家だった。
エリオットが視線をやると、建物の入口に小さな店の看板が掛けられている。小物を売っているようだ。カーテンのかかった窓から中を窺うことはできなかったが、家の中から女性の声が聞こえてきた。
「今日もお買い上げくださり、ありがとうございます!」
明るい声がした。
家の扉が開くと取り付けられたベルがカランカランと鳴り、中から二人の女性が出てきた。
一人は買い物客だろう。どちらも地味なワンピースを着た平民の女性だ。お礼を告げた女性は客の女性に向かって笑顔で手を振った。
その横顔に、エリオットは息を呑んだ。
彼女を見間違う筈がない。
セレンティーヌ・ド・オグノア、元公爵令嬢。
かつて腰まで伸びていた美しい銀色の髪は肩につかないところで切り揃えられ、豪華なドレスは茶色の質素なワンピースになっていた。顔の美しさはそのままに、大人の女性に成長している。それでも昔のような華やかさはどこにもない。
「……セレンティーヌ」
ふらり、とエリオットの足が彼女に向かった。
セレンティーヌは家に戻ろうとしたが、視線を感じて振り返った。エリオットは被っていたフードを外し、顔を晒して近づいた。エリオットの姿を見た彼女は、青灰色の瞳を大きく見開き、驚きを隠せないようだった。それでも叫ばずにいるのは貴族令嬢だった頃の教育の賜物だろうか。
セレンティーヌは逃げることも、拒否することもなかった。
人目を心配したのか辺りを確認し、家の中に招いてくれたのだ。
四人は少なからず安堵したが、家の中に入った途端、彼らの表情は凍りついた。
「……お久し振りでございます。ボルビアン国の若き太陽、エリオット・シャル・ロイヤット・ボルビアン王太子様にご挨拶申し上げます」
振り返った彼女はエリオットの前で跪き、額を床に擦り付けて震えていた。
今の彼女はもうカーテシーで挨拶をしてくる貴族令嬢ではない。
──平民なのだ。
そして、そうさせてしまった自分達に、改めて己の犯してしまった罪を思い知った。
遡ること数日前。エリオットは秘密裏に、ボルビアン国から派遣する使節団に紛れて入国する準備を進めていた。
ハルミンは王太子自ら素性を隠して入国することに反対していたが、エリオットを止められないと悟ると自分も行くと言い出した。ジークレイに限っては、王族を守るのが使命だと言って今回の護衛に名乗りを上げてくれた。
ユリウスは実姉の冤罪の可能性を伝えられると、しばらく公爵家の銀水晶の宮に閉じ籠もり、姿を見せなくなった。だが、使節団へは必ず同行するだろうと確信があった。それまで落ち着く時間が彼には必要だったのだ。
一方、エリオットはハルミンと計画を練りながら、王宮のとある部屋を訪れていた。
「……父上、ご報告がございます」
病に臥した国王の元に足を運ぶ。
ベッドから起き上がって食事を済ませた父親の顔色はいつもより良かった。
ただ、寝たきりのせいで頬は痩け、体は一回りも小さくなってしまっている。黄金色の髪も白くなり、一気に年老いてしまったようだ。最愛の王妃を失ってから気力を失った国王は、日に日に弱っていった。
それでも息子として、王太子として、責任のあるエリオットは身に起きたことを包み隠さず話さなければいけなかった。
「……なんと、いうことを」
国王は、魔道具のブレスレットを付けた左手で顔を覆った。口からは悲痛な呻きが漏れ、エリオットは直視できなかった。
小さい頃から息子と共に育ってきたセレンティーヌは、国王にとって我が子同然だった。また娘が欲しかった王妃は彼女の両親以上に彼女を溺愛し、可愛がっていた。本当の娘になるまであと少しだったのに、全てが一変した。
王妃はセレンティーヌの無実を証明しようと動いていたが、大勢の前で断罪される彼女を庇うことができなかった。それは国王に対する反逆を意味する。娘のような存在を失い、王妃は嘆き悲しみ、倒れてそのまま回復せずに亡くなった。
オグノア公爵夫妻は娘の責任を取る形で、ジュリエナを公爵家に養女として迎えたが、世間からの糾弾や嫌がらせが絶えず領地に引き籠もってしまった。
エリオットから話を聞いた国王は声を震わせ、王妃の名前を口にした。魅了という呪いに掛かっていなければ失わずに済んだ最愛の妻だ。
「……それで、隣国に行くのか」
「ええ、素性を隠して入国するつもりです」
「そうか。……リオルはどうした」
「信頼できる女官と侍女に預けております」
急に息子の名前を出されて、エリオットは僅かに眉根を寄せた。
まだ幼い息子は突然母親に会えなくなって何度も泣き喚いた。どんなに言い聞かせてもまだ理解することはできないだろう。
エリオットもまた、自分の気持ちに整理がついていなかった。
唯一の我が子なのに、あれから抱き上げたくても手が止まってしまう。泣いている息子を抱き締めて慰めてやりたいのに、体が拒否するのだ。
「もし、セレンティーヌと再会できたら……」
「ええ」
「……すまなかった、と」
国王が民に頭を下げることはない。
けれど、エリオットを通して、追放してしまった彼女に謝罪してきた。エリオットは「必ずお伝えします」と約束した。
「お前が国を離れている間、私が留守を預かろう。いつまでも臥せっている場合ではないな」
「どうか、ご無理はなさらずに」
「大事ない。──頼んだぞ」
国王の伸びてきた手が、エリオットの肩を掴んで揺らした。
弱い力だった。それでも父親の思いを受け取り、エリオットは数日後に従者として旅立った。
◇ ◇ ◇
セレンティーヌが隣にいることは、エリオットにとって日常だった。
初めて出会った瞬間も思い出せないぐらい、気づけば誰より近くにいた。お互い、婚約者として特別意識したことはない。関係を定める必要もないぐらい好き合っていたからだ。
「エリオット!」
王宮と公爵家の邸宅は馬車で二十分足らずの距離にあった。
おかげで、二人はほぼ毎日のように行き来して相手の家に転がり込んでいた。まるで我が家に帰る感覚で足を運んでいるせいか、護衛や侍女を置き去りにして部屋に駆け込んでくることも日常茶飯事だ。
「……セレンティーヌ、女の子が扉を勢いよく押し開けるなんて、はしたないよ?」
「一昨日も同じことを言われた気がするわ」
「そういう記憶力は良いのにね」
柔らかくウェーブのかかった銀色の髪を揺らし、長い睫毛の下に収まった青灰色の大きな瞳を輝かせてやって来たのは、もちろん婚約者である少女だ。
彼女の髪や瞳の色に合わせた青いドレスは、生地が左右に開かれて後ろで括られ、水色のフリルがあしらわれたアンダースカートが足元を隠していた。社交界で流行りの形だというドレスは、婚約者をより愛らしく引き立ててくれている。
部屋で勉強をしていたエリオットは、開いていた本から視線を持ち上げてやって来た婚約者に肩を竦めた。少し遅れて、無事彼女の護衛が追いついたようだ。
「また隠し通路を使ったね?」
「えーと、どうだったかしら」
本来なら十歳の子供の足で護衛をまくことは不可能だ。それなのに、セレンティーヌは毎度のことながら一人で颯爽と現れる。
答えは簡単だ。彼女は王宮の隠された通路という通路をエリオットなみに知り尽くしているのだ。小さい時からエリオットと共に冒険ごっこをしたのが原因だ。本来は王族しか知らない通路であるというのに。そういう意味でも、エリオットの婚約者はオグノア公爵家の令嬢、セレンティーヌ以外いないのである。
「あのね……ティヌ」
これはもう一度よく言い聞かせないといけない、と本を閉じたエリオットは椅子から立ちあがりセレンティーヌに近づいた。安全な王宮内とはいえ、何かあってからでは遅い。婚約者である前に一国の王子として対処するべきだ。
「なあに?」
「──っ、なんでも、ない……」
意気込んで向かい合ったものの、二人でいる時だけ使う愛称を口にしたのがいけなかったようだ。
セレンティーヌは嬉しそうに青灰色の目を輝かせて、子犬のように小さく首を傾げた。その愛らしさに、エリオットの威厳は容易く崩れ落ちた。
一瞬、息を切らした護衛の騎士と目が合ったが、その顔は悲愴感が漂っていた。王子も婚約者の前では形無しだと噂が広がってしまわないか心配になる。
エリオットは誤魔化すように咳払いし、セレンティーヌに向き直った。
「と、ところで、今日はそんなに急いでどうしたの?」
「ふふ、これを見て。王妃様からお茶会の招待状が届いたの」
輝いていた瞳をさらに光らせ、セレンティーヌは持っていた白い封筒を差し出してきた。封蝋には王室の印璽が押されていた。
セレンティーヌは興奮冷めやらぬ様子でエリオットの手を掴み、二人は並んでソファーに座った。
「そうか、来月だったね」
二人が座ってから間もなく、侍女がお茶やお菓子を運んできた。
テーブルにはセレンティーヌの大好きなお菓子ばかりが置かれていく。どうしてかって、見ていれば嫌でも分かる。
セレンティーヌは、お茶を用意してくれた侍女に向かって「ありがとう、美味しくいただくわね!」と飾らない笑顔でお礼を言い、侍女は感動して目を潤ませるのだ。
こうしてまた一人、婚約者を崇拝する者ができた。王宮の侍女はすでに掌握されていると思って間違いない。エリオットは好物のクッキーを頬張るセレンティーヌに嘆息した。
「私達と同じ年ぐらいの子供を集めてのお茶会なんて楽しみだわ!」
「浮気なんかしちゃダメだよ?」
侍女とのやり取りを見ていると、セレンティーヌにそのつもりがなくても相手は勘違いしてしまいそうだ。先が思いやられると首を振って見せれば、セレンティーヌは唇を尖らせた。
「そういうエリオットこそ」
普通なら恥ずかしくなるような会話も、二人はまるで違っていた。一瞬、浮気をする自分たちを想像してみるが、思い描くことすらできず、どちらも「ないね」「ないわね」と呟いて頷いた。
「そういえば母上が、ティヌのドレスを仕立てるって張り切ってたよ」
「逆に、私のお母様は機会を奪われて嘆いてたわ」
「……程々にするよう言っておくよ」
王妃であるエリオットの母親はエリオットを産んだ後、子供をなさなかった。正確には腹に宿っても産声をあげることはなかった。今は子供ができる体ではなくなってしまい、一度だけ声を殺して泣いている母親を見たことがある。
考えられる理由は王と王妃がいとこ同士で、流れている血が近いせいだろうと言われている。
ボルビアン国のように閉鎖的な国は他国の血を受け入れない。
王室も近い者同士で婚姻を繰り返し、生まれる子供の数は年々減少してきている。まだ成人にもなっていないエリオットの耳にも入ってくるほどの話だ。貴族の大半は王族と血の繋がりがあると言っていい。
だから、息子一人しかいない王妃は、息子の婚約者であり赤子の頃から見てきたセレンティーヌをとても可愛がっていた。それはセレンティーヌも理解しており、楽しそうにドレスを準備してくれる王妃に何も言えないでいるのだ。
「きっとエリオットとお揃いの色に仕立てあげるつもりだわ。それじゃ浮気どころか他の男の子と話もできないわね」
「全身で僕の婚約者ですって言いながら歩いてるようなものだね」
「あら、私は全然平気よ? むしろ嬉しいわ」
「君はもう少し自重したほうが良いよ……」
茶化すわけでもなく至極真面目な顔で言ってきたセレンティーヌに、エリオットは肩を落とした。
「僕の心臓がいくつあっても足りない」と呟けば、セレンティーヌはにこにこ笑って二人の間にあった距離を一気に詰めてきた。
ほら、浮気なんて絶対できない。エリオットの心は婚約者への愛でいっぱいになってしまう。
「エリオットは、このお茶会でとくに挨拶しておきたい人っている?」
「うん、いるよ」
触れたところから伝わってくるセレンティーヌの体温にドキドキしながら、エリオットは頷いた。招待状には招待客のリストが入っているわけじゃない。だが、エリオットは母親から誰と会って、誰と挨拶しておいたほうがいいか予め教えられていた。
「騎士団総長のご子息が僕たちと同じ年なんだ」
「キャスナー伯爵家ね」
国を守る騎士団は、多くの人々に憧れられている。彼らに憧れて騎士を目指す男児からはもちろん、淑女からも人気が高い。
剣を掲げて王に忠誠を誓う式典は、毎年の恒例行事となっており、多くの民が王室の広場に押し掛けて見物するぐらいだ。騎士たちが式典用の隊服に身を包み、一糸乱れず行進して剣を抜く姿は感動して込み上げてくるものがある。
「キャスナー伯爵家は代々決まって赤い髪だからすぐに見つかりそうね」
「彼にも幼馴染みの婚約者がいるって言ってたから、ティヌも挨拶しに行こう」
「分かったわ。彼も騎士を目指しているなら、将来私達とも関わってくるでしょうし」
王室と騎士団は深い繋がりがある。歴史を辿っても建国から王室を支え、小さなボルビアン国を他国から守り、争いのない穏やかな国にしてくれた組織だ。
だから、今も行われる騎士団の式典は平和の象徴でもあった。
エリオットはセレンティーヌの言葉に口元を緩ませ、笑顔で頷いた。直後、セレンティーヌが「わ、私の心臓が……」と胸を押さえたのは見なかったことにしよう。
「それから、ハルにも良い子を見つけてあげないと」
「彼、嫌がると思うわ」
「そうかな?」
エリオットは親友にも早く素敵な相手が見つかるように願っているのだが、セレンティーヌは首を振って止めた。
「ハルミンには、彼のタイミングで良い人が現れる筈よ」
自分たちが幸せなせいか、身近にいる人も同じように誰かと幸せになってほしいと思ってしまう。けれど、相手のことも考えなければいけないと気づいて反省した。
エリオットはセレンティーヌの手を握り締め、銀色の髪に頭を押し当てた。
「そうだね」
エリオットにとって、セレンティーヌと一緒に過ごす時間は至福だった。
自分たちは誰もが羨むような夫婦になって死別するまで離れずにいる──ものだと思っていた。
――通い始めた学園で、下級貴族の令嬢と出会うまでは。
「エリオット様……!」
彼女は婚約者とは違い、教養もなければマナーも身に付いていない男爵令嬢だった。最初は興味も抱かなかった。それが、鉢合わせることが増え、何度も顔を合わせている内に本音を零すようになっていた。
──不思議だった。
気づくとジュリエナと名乗った彼女に引き寄せられていた。
これまでセレンティーヌと過ごしてきた幸せが崩れ落ち、彼女を国から追放して、新たに婚約者となったジュリエナと婚姻を結んだ。
二人の結婚式は盛大に行われ、純白のドレスに身を包んだジュリエナの姿が眩しかった。贅沢の限りを尽くしたドレスには批判的な声も出ていたが、平民に近い立場にあったジュリエナは国民から高い支持を得ていて、結局押しきられる形で結婚式は進められた。
そして迎えた初夜。
腕に抱いたジュリエナは確かに初めてだった。
愛する彼女の純潔を散らし、エリオットはジュリエナの肉体を貪った。ジュリエナはエリオットの下で満足げに唇を持ち上げ、細い腕を絡ませてきた。
初めてなのに、彼女は妙に男を知っていた。経験がなかったエリオットは女体と肌を重ねる快楽を覚え、ジュリエナの甘い誘惑に溺れていった。もっと注意深く彼女と付き合っていたら、こんなことにはならなかったかもしれない……
「──……っ!」
広いベッドの上で、一人眠りについていたエリオットは突然目を覚まして飛び起きた。刹那、胃から食べたものが込み上げてくる。エリオットは口元を押さえ、しばらくじっと耐えた。
悪い夢を見たような気がする。違う、あれは夢などではない。これは己が今向き合わなければいけない現実だ。エリオットは深い溜め息をついて、目にかかる前髪を掻き上げた。
「セレンティーヌ……」
ネオシィスト王国に到着したその日。
エリオットは魔道具をつけてから心を蝕んでいた呪いは解けたものの、忌々しい悪夢を毎晩のように見ていた。そして毎日、自問自答しては罪悪感に駆られていた。
なぜ、君を遠くへ追いやってしまったのだろう。あれほど傍にいたのに。隣にいることが当たり前だったのに。
なぜ、魅了などにかかってしまったんだ。身分もなくなって追放された君は、この隣国で無事なんだろうか。早く、会って話がしたい。五年前の真相を確かめなければいけない。
エリオットは暗闇の中、元婚約者に思いを馳せ、小刻みに震える手を強く握り締めた。
◇ ◇ ◇
雲一つない快晴。
紋章のない馬車が貴族の暮らす居住空間を抜け、平民の住む市井へ入ったところで止まった。
貴族の家と比べて小さな家が密集していたが、生活水準が高い国だけあって道路は舗装され、建ち並ぶ家はどれもお洒落なレンガ造りだった。家の前には花壇があり、季節ごとに花を咲かせるそうだ。
露店の出た市場は活気があり、行き交う人々の顔も随分穏やかだ。
これがネオシィスト王国の民か。
閉鎖的なボルビアン国は他国の人間を受け入れにくく、馴染むまで時間がかかる。
しかし、これだけ開けたネオシィスト王国なら肌や髪、瞳の色で差別されることはないだろう。
他国から追放されて逃げてきた者にも居場所を与えてくれる。
そんな国だった。
「……あちらです」
帰国の前日。
エリオットはハルミンの案内で、ジークレイとユリウスを伴い、市井に降りていた。今日まで逸る気持ちを抑え、外交を無難にこなすユリウスの従者に徹していた。他国に王太子が忍び込んだだけでも問題なのに、見つかればどんな事態を招くか分からない。慎重にならざるを得なかった。
息を潜めて過ごしてきたエリオットは、隣国の監視も緩んだ帰国する前日の、人通りが多い夕刻の時間帯を選んで動いた。
上質とはいえない外套を羽織り、フードを被って顔を隠し、平民に紛れてハルミンの後をついていく。
辿り着いたのは王都の中でも城から遠く離れた貧しい区画の居住地だ。
貴族の近くに住む平民の家とは異なり、木造の建物が点々とある。
こんな場所に公爵令嬢だった彼女がいるのだろうか。にわかには信じ難い。
けれど、ハルミンはとある木造二階建ての家が見えてくると立ち止まり、エリオットにそっと目配せした。裏は森になっていて、そこにだけぽつりと建っているような家だった。
エリオットが視線をやると、建物の入口に小さな店の看板が掛けられている。小物を売っているようだ。カーテンのかかった窓から中を窺うことはできなかったが、家の中から女性の声が聞こえてきた。
「今日もお買い上げくださり、ありがとうございます!」
明るい声がした。
家の扉が開くと取り付けられたベルがカランカランと鳴り、中から二人の女性が出てきた。
一人は買い物客だろう。どちらも地味なワンピースを着た平民の女性だ。お礼を告げた女性は客の女性に向かって笑顔で手を振った。
その横顔に、エリオットは息を呑んだ。
彼女を見間違う筈がない。
セレンティーヌ・ド・オグノア、元公爵令嬢。
かつて腰まで伸びていた美しい銀色の髪は肩につかないところで切り揃えられ、豪華なドレスは茶色の質素なワンピースになっていた。顔の美しさはそのままに、大人の女性に成長している。それでも昔のような華やかさはどこにもない。
「……セレンティーヌ」
ふらり、とエリオットの足が彼女に向かった。
セレンティーヌは家に戻ろうとしたが、視線を感じて振り返った。エリオットは被っていたフードを外し、顔を晒して近づいた。エリオットの姿を見た彼女は、青灰色の瞳を大きく見開き、驚きを隠せないようだった。それでも叫ばずにいるのは貴族令嬢だった頃の教育の賜物だろうか。
セレンティーヌは逃げることも、拒否することもなかった。
人目を心配したのか辺りを確認し、家の中に招いてくれたのだ。
四人は少なからず安堵したが、家の中に入った途端、彼らの表情は凍りついた。
「……お久し振りでございます。ボルビアン国の若き太陽、エリオット・シャル・ロイヤット・ボルビアン王太子様にご挨拶申し上げます」
振り返った彼女はエリオットの前で跪き、額を床に擦り付けて震えていた。
今の彼女はもうカーテシーで挨拶をしてくる貴族令嬢ではない。
──平民なのだ。
そして、そうさせてしまった自分達に、改めて己の犯してしまった罪を思い知った。
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