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第0章
0-15 再会と真実
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「一霧さん……?」
今まで会話をしていた目の前にいたはずの人間がいなくなる。そんな事はありえるだろうか?しかし現実に一霧さんはいない。辺りをどれだけ見回してもだ。
僕は嫌な予感から戦闘準備に入り、導きの門の召喚準備をする。まさかとは思うが……しかし……
「ほい正解。俺らやで」
聞いたことのある声が入口の方から聞こえてくる。冷や汗が流れる身体をゆっくりと動かしてそちらを見ると、入口を塞いでいたはずの丸太は全て消え、綺麗にぽっかりと開いた入口からこちらをのぞき込む男の顔があった。
「アンタッチャブル!!!」
男は僕の叫びに細い目を更に細め、驚いたような表情を作る。
「な……なぜその名を!? 俺は前回ダウターとしか名乗っていないはず!!」
演技丸出しの返事を返してくる。ふざけやがって……!
「一霧さんをどこへやった!!」
自分でも虚しい問いかけであることはわかっている。しかし一縷の望みをもって彼に問う。
彼は僕の問いかけを無視し、入口の外にいる他の誰かと話をしているようだ。その後入口から彼の姿が消えたかと思った瞬間、ドゴン!と大きな音が響き、洞窟の中が急に明るくなった。
いや……洞窟が明るくなったのではない。もはやそこは洞窟ではなくなったのだ。僕の頭上には眩いばかりに太陽が輝き、真っ白な雲がゆっくりと流れていた。
「ほんまブレイカーはやることが大味やねんから……」
入口があった方向に目をやると、ダウターの側にもう一人小柄な女性が立っていた。彼女は彼女自身の身長よりも長い柄の先にこれまた巨大な球がついた鈍器を持っている。全身を黒で統一したその服にはヒラヒラしたものがたくさんついており、頭にゴスロリという単語が浮かぶ。素顔がわからないほどのメイクを施された顔は陶器のようで、青と白で派手に染められた髪はショートの長さで綺麗にカットされている。
そして……
「一霧さん!」
彼らの足元には一霧さんが倒れていた。あの時のケルタスのように消し飛ばされたのではないことに安堵するが、まだ彼の生死が確認できたわけではない。
「何故僕ばかり狙う!」
転生者は数えきれないほど存在しているし、同じ数だけ転生世界があるはずだった。偶然に二度も出会う確率なんてありえないほど低い。
ダウターは僕の質問に答えず、ずっと細目で笑っている。今回も綺麗に着こまれたスーツは、この世界からは場違いだ。
「なあ、ここの人間達見た?」
「質問を質問で返すな!」
「いや返すやろ。質問できる立場におるもんがどっちか理解しとらんのけ?」
横たわったまま動かない一霧さんに目をやる。黒い女の子が脅すように巨大な鈍器をグルグルと振り回した。
「クソっ……! 見たよ! だから何だっていうんだ!」
僕の知っている人間とは程遠い、しかしこの世界では普通の人間だ。
「なんであんなんになってると思う?」
「僕が知るわけないだろ! とにかく一霧さんを治療させてくれ!」
ダウターは今その存在を思い出した、とでも言いたげな様子で手をポンと叩き、隣の女の子に『治したって』と告げた。女の子は軽く頷くと一霧さんに軽く触れる。すると死体の様に微動だにしなかった彼は元気よく立ち上がり、大きく伸びまでして見せたのだ。
「よかった……!」
僕は安堵に軽く涙ぐむ。どうして彼らが一霧さんを治してくれたのかはわからないが、ひとまずは安心だ。
「僕ちん知らない知らないばっかりやなくて、ちょっとは考えてみんかいな」
ダウターは再び先ほどの質問を続けてくる。しかし転生世界には様々な種族が生きているのだ。ドワーフやエルフ、獣人に魚人、世界の数だけ種があり、生態系がある。この世界の人間はこの星の長い歴史の中でそうなった以外に何か理由があるとでもいうのか?
「わからんか? じゃあ質問変えたるわ。ここの人間はどうやって生まれてくるか知ってるか?」
それはあの老人っぽい顔の人に聞いた。この世界で人間は、成長した姿のままいつの間にか森の中に生まれているのだ。一霧さんにもっと詳しい話を聞く予定だったが忘れていた。
「いつの間にか生まれている。とだけは聞いた」
「そんなんありえると思うか?」
「実際にこの世界ではそうなってるじゃないか」
「導きの門は転生者が望む世界に繋がるんは知ってるよな?」
「それと何の関係があるんだ!」
「こんな世界存続できると思うか?」
「……なんだって……?」
「だってそやろ。ここでは人間はいつの間にか生まれてて、他の動物の食いモンになってる。じゃあどうやって人間って種を維持してるんや?」
「それは……」
僕は生物学者でも何でもない、実際に起きていることを起きている事として受け入れるしかないじゃないか。そもそも天聖世界では人間の時に考えもしなかった非日常が日常的に起きているんだ。
「山を丸々吹き飛ばすような人たちに、そんな論理的な思考ができるとは思わなかったよ」
精いっぱいの皮肉を放つ。女の子は『確かにー』とクスクス笑っていた。
「いやいやいや、山を吹き飛ばすぐらいの力なんてこの世界になんぼでもあるやろ。俺が聞いてんのは『転生者が来る前にこの世界はどんなものであったか』や。転生がからむ前の話やねんからロジックで考えてええやろが」
「…………」
改めてこの世界の人間というものを考えてみる。彼らは恐らく食物連鎖のかなり下の方であり、非常に高い知能を持っているがそれを活かすための身体の強さがない。できることといえば手の器用さを使った細かい作業ぐらいで、それが山の中で生きていくうえで何かの役に立つとは思えない。石を割って何かを削ったり武器にしたりもできるようだが、あの這いつくばった姿勢では視界や身体の稼働範囲も狭い。この世界にも適者生存のルールが働いているのなら彼らはとっくに絶滅しているはずだが、いつの間にか成体のままどこか森の中に急に生まれてくる。
「わからない……」
「せやろー!? そんじゃあな、美人のエルフがいて屈強なドワーフがいてパーティーに入ってくる強い奴はみんな異性で全員転生者に惚れちゃって魔王もしっかり倒しちゃうような世界ってどれぐらいあると思う?」
質問の意味がよくわからない。ケルタスの時もそうだったが僕をからかって遊んでいるのだろうか。それでも何故か彼の語る言葉から逃げ出すことができず、考える事をやめられない。
「転生者って山ほどおるよなあ。今ゆうたようなハッピーハーレムがあるんなら行きたい奴もそりゃ山ほどおるやろ。じゃあそんな都合のええ世界って山ほどあると思うか?」
確かに言われてみればその通りかもしれない。導きの門は転生者を望む世界に連れて行ってくれる。じゃあその望む世界が存在しなかったらどうなるのだろうか?
「一つのハッピーハーレム世界に何人も転生者が送られていくと思うか? でもそんなんしたらハーレム争奪戦が始まってまうよなあ。転生者同士の争いの悲惨さはよお知っとるやろ? そんなもんがバンバン起きてるわけでもない。じゃあ一体全体転生世界ってなんなんや?」
少しずつ話が核心に近づいてきている気がする。それと同時に得体のしれない悪寒のような物が心の底から沸き起こるのを感じた。開けてはいけないパンドラの箱をゆっくりと開けているような、知ってはいけない何かを知らされている気がする。
「まあここで基本に戻ろか。俺らが日常的に使ってる導きの門は便利な道具やな。転生者が使えば希望の転生世界に、天聖者……まあ俺らは元やけど、が使えば好きな転生世界に飛べる便利アイテムや」
黙って頷く。彼の言葉に今のところ間違いはない。そのはずだ。ならこの逃げだしたくなるような不安は一体何なのだ!?
「じゃあ簡単な事やろ。この世界はこの転生者が望んだ世界やってことや。こいつは哀れにも何の能力も与えられず導きの門を開いた。こいつがその時望んでたんは『笑っていたぶれる人間や魔物が山ほどいる世界』、でも普通の人間の力しか持ってないこいつが笑っていたぶれる相手なんて早々おらんわな?」
「ちょっとまて……」
悪寒がどんどん大きくなる。これ以上知ってはいけない。考えてはいけない。しかし僕の耳は勝手に彼の話を聞き、僕の頭は結論を出そうとしている。
「導きの門は考えた。普通の力しか持ってないもんが笑って人を殺せる世界はどんなもんか。そしてここが選ばれた。ここの人間は狩られる為に生まれてきたような弱さや、しかもその出生は不明で森からどんどん沸いてくるらしい」
「やめろ……やめろ!」
「この世界はほんまに数ある世界の中からこの転生者の為に選ばれたんか……?それとも……」
「やめろおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「作られたんか?」
僕の意識はそこで途切れた。
「ダウター、喋りすぎだよー」
「なんやねん、最高やったやろ?」
「ダメだよー。この人まだ仲間になるかどうかもわかんないんでしょー? これ以上はダメー」
「チェッ、しゃあないのう。おーい、案内人君生きとるか?」
「倒れたまま反応なくなっちゃったねー」
「まあしゃーないかもな。ここの人間達が苦労しとるんが自分のせいやとわかったら。俺でも死にたくなるわ」
「ダウターはそんなことで絶対にしななーい」
「失礼なやっちゃな! ホンマどいつもこいつも……」
「この一霧とかいう転生者はどうするのー? 一応もうイイ子にはなってるよー」
「イランやろ。能力ナシやし、ホンマはこいつがきっしょい殺人願望持っとらんかったら良かっただけやからな」
「はーい、りょうかーい」
「あとはルイナー呼んでこの世界も終わりやな。案内人君は……メイカー呼ぶか。俺らがアッチ行ったらめちゃめちゃになるやろし」
「おっけーおっけー。それにしてもダウター今日はよくしゃべったねー。そんなにこの案内人の事好きなのー?ボクにはまるで見どころナシにみえるんだけどー?」
「いやいや、今時転生者送るのに面談ちゃんとやってるやつなんて貴重やぞ。しかもこいつはほんの端っことはいえ罪を理解したからな。俺らの仲間になる資格はあるんちゃうか?」
「ボクらの罪に比べたらカスみたいなもんじゃーん」
「それでも下っ端働きぐらいはできるやろ。リーダーもコネクターも別に反対してなかったし」
「人手不足ってつらいねー」
「ほんまにな」
今まで会話をしていた目の前にいたはずの人間がいなくなる。そんな事はありえるだろうか?しかし現実に一霧さんはいない。辺りをどれだけ見回してもだ。
僕は嫌な予感から戦闘準備に入り、導きの門の召喚準備をする。まさかとは思うが……しかし……
「ほい正解。俺らやで」
聞いたことのある声が入口の方から聞こえてくる。冷や汗が流れる身体をゆっくりと動かしてそちらを見ると、入口を塞いでいたはずの丸太は全て消え、綺麗にぽっかりと開いた入口からこちらをのぞき込む男の顔があった。
「アンタッチャブル!!!」
男は僕の叫びに細い目を更に細め、驚いたような表情を作る。
「な……なぜその名を!? 俺は前回ダウターとしか名乗っていないはず!!」
演技丸出しの返事を返してくる。ふざけやがって……!
「一霧さんをどこへやった!!」
自分でも虚しい問いかけであることはわかっている。しかし一縷の望みをもって彼に問う。
彼は僕の問いかけを無視し、入口の外にいる他の誰かと話をしているようだ。その後入口から彼の姿が消えたかと思った瞬間、ドゴン!と大きな音が響き、洞窟の中が急に明るくなった。
いや……洞窟が明るくなったのではない。もはやそこは洞窟ではなくなったのだ。僕の頭上には眩いばかりに太陽が輝き、真っ白な雲がゆっくりと流れていた。
「ほんまブレイカーはやることが大味やねんから……」
入口があった方向に目をやると、ダウターの側にもう一人小柄な女性が立っていた。彼女は彼女自身の身長よりも長い柄の先にこれまた巨大な球がついた鈍器を持っている。全身を黒で統一したその服にはヒラヒラしたものがたくさんついており、頭にゴスロリという単語が浮かぶ。素顔がわからないほどのメイクを施された顔は陶器のようで、青と白で派手に染められた髪はショートの長さで綺麗にカットされている。
そして……
「一霧さん!」
彼らの足元には一霧さんが倒れていた。あの時のケルタスのように消し飛ばされたのではないことに安堵するが、まだ彼の生死が確認できたわけではない。
「何故僕ばかり狙う!」
転生者は数えきれないほど存在しているし、同じ数だけ転生世界があるはずだった。偶然に二度も出会う確率なんてありえないほど低い。
ダウターは僕の質問に答えず、ずっと細目で笑っている。今回も綺麗に着こまれたスーツは、この世界からは場違いだ。
「なあ、ここの人間達見た?」
「質問を質問で返すな!」
「いや返すやろ。質問できる立場におるもんがどっちか理解しとらんのけ?」
横たわったまま動かない一霧さんに目をやる。黒い女の子が脅すように巨大な鈍器をグルグルと振り回した。
「クソっ……! 見たよ! だから何だっていうんだ!」
僕の知っている人間とは程遠い、しかしこの世界では普通の人間だ。
「なんであんなんになってると思う?」
「僕が知るわけないだろ! とにかく一霧さんを治療させてくれ!」
ダウターは今その存在を思い出した、とでも言いたげな様子で手をポンと叩き、隣の女の子に『治したって』と告げた。女の子は軽く頷くと一霧さんに軽く触れる。すると死体の様に微動だにしなかった彼は元気よく立ち上がり、大きく伸びまでして見せたのだ。
「よかった……!」
僕は安堵に軽く涙ぐむ。どうして彼らが一霧さんを治してくれたのかはわからないが、ひとまずは安心だ。
「僕ちん知らない知らないばっかりやなくて、ちょっとは考えてみんかいな」
ダウターは再び先ほどの質問を続けてくる。しかし転生世界には様々な種族が生きているのだ。ドワーフやエルフ、獣人に魚人、世界の数だけ種があり、生態系がある。この世界の人間はこの星の長い歴史の中でそうなった以外に何か理由があるとでもいうのか?
「わからんか? じゃあ質問変えたるわ。ここの人間はどうやって生まれてくるか知ってるか?」
それはあの老人っぽい顔の人に聞いた。この世界で人間は、成長した姿のままいつの間にか森の中に生まれているのだ。一霧さんにもっと詳しい話を聞く予定だったが忘れていた。
「いつの間にか生まれている。とだけは聞いた」
「そんなんありえると思うか?」
「実際にこの世界ではそうなってるじゃないか」
「導きの門は転生者が望む世界に繋がるんは知ってるよな?」
「それと何の関係があるんだ!」
「こんな世界存続できると思うか?」
「……なんだって……?」
「だってそやろ。ここでは人間はいつの間にか生まれてて、他の動物の食いモンになってる。じゃあどうやって人間って種を維持してるんや?」
「それは……」
僕は生物学者でも何でもない、実際に起きていることを起きている事として受け入れるしかないじゃないか。そもそも天聖世界では人間の時に考えもしなかった非日常が日常的に起きているんだ。
「山を丸々吹き飛ばすような人たちに、そんな論理的な思考ができるとは思わなかったよ」
精いっぱいの皮肉を放つ。女の子は『確かにー』とクスクス笑っていた。
「いやいやいや、山を吹き飛ばすぐらいの力なんてこの世界になんぼでもあるやろ。俺が聞いてんのは『転生者が来る前にこの世界はどんなものであったか』や。転生がからむ前の話やねんからロジックで考えてええやろが」
「…………」
改めてこの世界の人間というものを考えてみる。彼らは恐らく食物連鎖のかなり下の方であり、非常に高い知能を持っているがそれを活かすための身体の強さがない。できることといえば手の器用さを使った細かい作業ぐらいで、それが山の中で生きていくうえで何かの役に立つとは思えない。石を割って何かを削ったり武器にしたりもできるようだが、あの這いつくばった姿勢では視界や身体の稼働範囲も狭い。この世界にも適者生存のルールが働いているのなら彼らはとっくに絶滅しているはずだが、いつの間にか成体のままどこか森の中に急に生まれてくる。
「わからない……」
「せやろー!? そんじゃあな、美人のエルフがいて屈強なドワーフがいてパーティーに入ってくる強い奴はみんな異性で全員転生者に惚れちゃって魔王もしっかり倒しちゃうような世界ってどれぐらいあると思う?」
質問の意味がよくわからない。ケルタスの時もそうだったが僕をからかって遊んでいるのだろうか。それでも何故か彼の語る言葉から逃げ出すことができず、考える事をやめられない。
「転生者って山ほどおるよなあ。今ゆうたようなハッピーハーレムがあるんなら行きたい奴もそりゃ山ほどおるやろ。じゃあそんな都合のええ世界って山ほどあると思うか?」
確かに言われてみればその通りかもしれない。導きの門は転生者を望む世界に連れて行ってくれる。じゃあその望む世界が存在しなかったらどうなるのだろうか?
「一つのハッピーハーレム世界に何人も転生者が送られていくと思うか? でもそんなんしたらハーレム争奪戦が始まってまうよなあ。転生者同士の争いの悲惨さはよお知っとるやろ? そんなもんがバンバン起きてるわけでもない。じゃあ一体全体転生世界ってなんなんや?」
少しずつ話が核心に近づいてきている気がする。それと同時に得体のしれない悪寒のような物が心の底から沸き起こるのを感じた。開けてはいけないパンドラの箱をゆっくりと開けているような、知ってはいけない何かを知らされている気がする。
「まあここで基本に戻ろか。俺らが日常的に使ってる導きの門は便利な道具やな。転生者が使えば希望の転生世界に、天聖者……まあ俺らは元やけど、が使えば好きな転生世界に飛べる便利アイテムや」
黙って頷く。彼の言葉に今のところ間違いはない。そのはずだ。ならこの逃げだしたくなるような不安は一体何なのだ!?
「じゃあ簡単な事やろ。この世界はこの転生者が望んだ世界やってことや。こいつは哀れにも何の能力も与えられず導きの門を開いた。こいつがその時望んでたんは『笑っていたぶれる人間や魔物が山ほどいる世界』、でも普通の人間の力しか持ってないこいつが笑っていたぶれる相手なんて早々おらんわな?」
「ちょっとまて……」
悪寒がどんどん大きくなる。これ以上知ってはいけない。考えてはいけない。しかし僕の耳は勝手に彼の話を聞き、僕の頭は結論を出そうとしている。
「導きの門は考えた。普通の力しか持ってないもんが笑って人を殺せる世界はどんなもんか。そしてここが選ばれた。ここの人間は狩られる為に生まれてきたような弱さや、しかもその出生は不明で森からどんどん沸いてくるらしい」
「やめろ……やめろ!」
「この世界はほんまに数ある世界の中からこの転生者の為に選ばれたんか……?それとも……」
「やめろおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「作られたんか?」
僕の意識はそこで途切れた。
「ダウター、喋りすぎだよー」
「なんやねん、最高やったやろ?」
「ダメだよー。この人まだ仲間になるかどうかもわかんないんでしょー? これ以上はダメー」
「チェッ、しゃあないのう。おーい、案内人君生きとるか?」
「倒れたまま反応なくなっちゃったねー」
「まあしゃーないかもな。ここの人間達が苦労しとるんが自分のせいやとわかったら。俺でも死にたくなるわ」
「ダウターはそんなことで絶対にしななーい」
「失礼なやっちゃな! ホンマどいつもこいつも……」
「この一霧とかいう転生者はどうするのー? 一応もうイイ子にはなってるよー」
「イランやろ。能力ナシやし、ホンマはこいつがきっしょい殺人願望持っとらんかったら良かっただけやからな」
「はーい、りょうかーい」
「あとはルイナー呼んでこの世界も終わりやな。案内人君は……メイカー呼ぶか。俺らがアッチ行ったらめちゃめちゃになるやろし」
「おっけーおっけー。それにしてもダウター今日はよくしゃべったねー。そんなにこの案内人の事好きなのー?ボクにはまるで見どころナシにみえるんだけどー?」
「いやいや、今時転生者送るのに面談ちゃんとやってるやつなんて貴重やぞ。しかもこいつはほんの端っことはいえ罪を理解したからな。俺らの仲間になる資格はあるんちゃうか?」
「ボクらの罪に比べたらカスみたいなもんじゃーん」
「それでも下っ端働きぐらいはできるやろ。リーダーもコネクターも別に反対してなかったし」
「人手不足ってつらいねー」
「ほんまにな」
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