Gタウン3333 ~ヨマリの旅~

yoshimax

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わたしは、ヨマリ・・・探偵

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電話は母からだ。
私は、おもてむきには芸術家・画家となっているが、本業は私立探偵なのだ。それで世界各地を飛び回っている。趣味のひとつに、ユニバーサル/ワールドラリーなどに出場することもわりと、ある。父は退職して、母とコルトナに隠居している。そこは、かつて女子修道院だった家の近くだ。私は、時々、休暇を取って両親の家で過ごしている。その家には90歳で天に召され帰天した伯母の部屋がある。その部屋はゲストルームにもなるが、今は両親の飼っているダックスフントのリチャードがよく昼寝している。伯母の使っていたベッドの上で昼寝するのがリチャードは好きらしい。伯母はわたしにとても優しかった。わたしは、休暇を伯母の部屋で過ごし、伯母が使っていた毛布に休暇中はくるまって寝る。わたしは安心に包まれたような気分になる。リチャードはよくその毛布に潜り込んでくる。私は、イタリアのコルトナで、そんな休暇の過ごし方をしてきたのだ。

家に居る母からの電話は、『私を呼びだすハイパーポケベル』のことだった。
私は休暇中は基本的に仕事用の電話をもって歩かない。仕事で私を呼びだすことが出来るハイパーポケベル3333システムも、部屋に置いたままだった。それが鳴っているらしい。(母の携帯電話を持って散歩していたのだ。)
3333システムで連絡を取って来るグループはそう多くない。このところ、連絡をしてくる可能性のあるグループは、そう、サウスコリアのグループだ。
運命のいたずらか、彼らは、かつて私が少女時代に住んでいた、あの町、『Gタウン』の話をもちかけてきた。まだ、ことの核心には至っていない、・・・・・・・・・・彼らの話がまだ呑み込めていないのだ。

彼らは、『Gタウン』データを送付する、と言っていた。

その『ハイパーポケベル』は、きっとそのことを知らせる内容だ。

分かっている。

データは、伯母の部屋に前に設置したPCシステムで受信できるだろう。だが、長丁場になりそうだ。わたしは、オールドタウンから少し下りたところにあるチャイニーズで、『リソ・カントネーゼ』の『TO GO』を買って帰ることにした。部屋でコークとリソでも食べながらデータを閲覧しよう。

テイクアウトして店を出るとき、店のオーナーが声をかけてくれた。
「ヨマリ、あんた、ここのリソ・カントネーゼがそんなに気に入ったんだね。ありがとよ!」
そうだ、私は休暇中の三日に一回は、ここのリソ・カントネーゼを食べていた。
「そうよ、ヤミーよ。やみつきになっちゃうわ♡」


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