123 / 229
第百二十四話 ドラゴンと三匹の雛
しおりを挟む
「「「「「カンパーイ」」」」」
「人間国では酒を飲むかけ声は、全員参加がお約束なのでやり直しだ」
「「「「「「カンパーーイ」」」」」」」
クラリスは何故か不満そうな顔をしながら、乾杯の音頭を一緒に取った。
「クーッ……旨い!! 風呂上がりの冷酒は染みるぜーーー」
レイラたちはジョッキについだお酒を一気に飲み干す。
テーブルには、天ぷら、唐揚げ。カツレツ、サラダ盛り、エビフライと雛鳥を満足させる料理を並べ、招かざる客の歓迎会をした。
三匹の雛鳥たちとは裏腹に、つまらなさそうに食事をとるクラリスに酒を勧めた。
「この国の酒も、捨てたもんじゃないぞ」
「それは命令ですか?」
と、言われてしまう。サラリーマン時代に、上司が部下に酒を無理に飲ませている場面を多々見ていたが、まさか自分がその当事者になろうとは思いもしなかった。
「酒が嫌いなのか?」
「嫌いではありませんけど、貴方からお酌をして貰う必要はないです」
キッパリと断られ、飲みニケーションの難しさを思い知る。否、彼女との関係を構築出来ていないだけなのだが……。
そんなやりとりを見ながら
「竜族ってのはそんなに小せえ生き物なのかよ」
ジョッキで酒をあおりながら、クラリスを挑発するかのように笑い飛ばした。
「なっ!? 私が小さいですって……この猿が!!」
「小さいから、小さいと言っているんだよ、何が気に入らないか知らないが、口に出さないと伝わらないぜ」
「分かりきったことです! 御子様の扱い方が、全部、納得出来かねます。べたべたしまくるなんて無礼にも程があります」
「じゃあお前も、べたべたしてやったらどうだ」
レイラは足下で食事を強請っているソラを拾い上げ、クラリスに渡そうとした。
「フシャーーーーーーアア!」
ソラが威嚇音をたてる。
「み、御子様~~~~~」
クラリスが泣き崩れる姿に、食卓が笑い声に包まれた。
「幸せを貴方にあげる」
いじけているクラリスに、ルリがプリンを差し出した。彼女はそれを訝しげな表情で受け取り口に入れた。
「んふ~~~~~~~~~~っ。何これ!? 甘くて柔らかな味わいが、口一杯に広がってくる~~」
彼女は、一瞬でプリンを食べてしまう。
「これはおっちゃんが発明した! プリンという料理。この奇跡の美味さに震えろ! ほら! このお代わりが目に入らぬか」
「ぐぬぬぬぬ!!」
「ほわわわ、美味しい」
ルリはこれ見よがしに彼女を煽る。
「お代わりなどい、いらぬ……」
「そうか、いらないなら仕方がないな~」
俺はそう言って、台所から四人分のデザートを運び込んだ。
「プリンアラモードだ!」
ルリの目がきらきらと輝くのが分かる。
「こんな美味しいのをいらないとは、竜族はよほど良い物を食べてて羨ましいぜ」
レイラがこれ見よがしに、プリンをスプーンですくい頬張った。
「いつ食べても、おっちゃんの作るプリアラは絶品ですね!」
そう言って、皿からアイスをすくい上げ、それをそっと口に運ぶ。
クラリスはそれを見て唾を飲み込んだ。
「プリンはいらぬが、そのプリンアラモードというのは別腹だ……食べてやっても良い」
別腹の使い方は間違っていると思ったが、これ以上場の空気を壊す必要もない。
「これはクラリスの分だ」
皿の上にプリンとアイスを載せ、その周りを果物とクリームで着飾ったプリンアラモードを彼女の前に置いてやる。
「ふわわわわ~」
なんとも可愛い声を出しながら、プリアラを堪能している。
「プリンも美味しかったが、甘酸っぱい果物とプリンを同時に食べるとなんとも雅な味になるのか」
彼女は皿の上で溶け始めたアイスをスプーンですくい食す。
「んはぁ~~~冷たいっ、この口内で溶ける氷の柔らかさって何???」
「この尊きデザートにひれ伏せ」
ルリが俺の分のプリアラを食べながら、クラリスにマウントを取っていた。
ぎくしゃくした関係ながら宴会は続き、夜中を過ぎても延々と家の光がともっている。どちらに転ぼうとも、お互いが幸せになる未来は見えないが、今日だけは同じ幸せを共有しあう同士であった。
「人間国では酒を飲むかけ声は、全員参加がお約束なのでやり直しだ」
「「「「「「カンパーーイ」」」」」」」
クラリスは何故か不満そうな顔をしながら、乾杯の音頭を一緒に取った。
「クーッ……旨い!! 風呂上がりの冷酒は染みるぜーーー」
レイラたちはジョッキについだお酒を一気に飲み干す。
テーブルには、天ぷら、唐揚げ。カツレツ、サラダ盛り、エビフライと雛鳥を満足させる料理を並べ、招かざる客の歓迎会をした。
三匹の雛鳥たちとは裏腹に、つまらなさそうに食事をとるクラリスに酒を勧めた。
「この国の酒も、捨てたもんじゃないぞ」
「それは命令ですか?」
と、言われてしまう。サラリーマン時代に、上司が部下に酒を無理に飲ませている場面を多々見ていたが、まさか自分がその当事者になろうとは思いもしなかった。
「酒が嫌いなのか?」
「嫌いではありませんけど、貴方からお酌をして貰う必要はないです」
キッパリと断られ、飲みニケーションの難しさを思い知る。否、彼女との関係を構築出来ていないだけなのだが……。
そんなやりとりを見ながら
「竜族ってのはそんなに小せえ生き物なのかよ」
ジョッキで酒をあおりながら、クラリスを挑発するかのように笑い飛ばした。
「なっ!? 私が小さいですって……この猿が!!」
「小さいから、小さいと言っているんだよ、何が気に入らないか知らないが、口に出さないと伝わらないぜ」
「分かりきったことです! 御子様の扱い方が、全部、納得出来かねます。べたべたしまくるなんて無礼にも程があります」
「じゃあお前も、べたべたしてやったらどうだ」
レイラは足下で食事を強請っているソラを拾い上げ、クラリスに渡そうとした。
「フシャーーーーーーアア!」
ソラが威嚇音をたてる。
「み、御子様~~~~~」
クラリスが泣き崩れる姿に、食卓が笑い声に包まれた。
「幸せを貴方にあげる」
いじけているクラリスに、ルリがプリンを差し出した。彼女はそれを訝しげな表情で受け取り口に入れた。
「んふ~~~~~~~~~~っ。何これ!? 甘くて柔らかな味わいが、口一杯に広がってくる~~」
彼女は、一瞬でプリンを食べてしまう。
「これはおっちゃんが発明した! プリンという料理。この奇跡の美味さに震えろ! ほら! このお代わりが目に入らぬか」
「ぐぬぬぬぬ!!」
「ほわわわ、美味しい」
ルリはこれ見よがしに彼女を煽る。
「お代わりなどい、いらぬ……」
「そうか、いらないなら仕方がないな~」
俺はそう言って、台所から四人分のデザートを運び込んだ。
「プリンアラモードだ!」
ルリの目がきらきらと輝くのが分かる。
「こんな美味しいのをいらないとは、竜族はよほど良い物を食べてて羨ましいぜ」
レイラがこれ見よがしに、プリンをスプーンですくい頬張った。
「いつ食べても、おっちゃんの作るプリアラは絶品ですね!」
そう言って、皿からアイスをすくい上げ、それをそっと口に運ぶ。
クラリスはそれを見て唾を飲み込んだ。
「プリンはいらぬが、そのプリンアラモードというのは別腹だ……食べてやっても良い」
別腹の使い方は間違っていると思ったが、これ以上場の空気を壊す必要もない。
「これはクラリスの分だ」
皿の上にプリンとアイスを載せ、その周りを果物とクリームで着飾ったプリンアラモードを彼女の前に置いてやる。
「ふわわわわ~」
なんとも可愛い声を出しながら、プリアラを堪能している。
「プリンも美味しかったが、甘酸っぱい果物とプリンを同時に食べるとなんとも雅な味になるのか」
彼女は皿の上で溶け始めたアイスをスプーンですくい食す。
「んはぁ~~~冷たいっ、この口内で溶ける氷の柔らかさって何???」
「この尊きデザートにひれ伏せ」
ルリが俺の分のプリアラを食べながら、クラリスにマウントを取っていた。
ぎくしゃくした関係ながら宴会は続き、夜中を過ぎても延々と家の光がともっている。どちらに転ぼうとも、お互いが幸せになる未来は見えないが、今日だけは同じ幸せを共有しあう同士であった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる