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第4話 規格外です

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「いやぁ本当に助かったよ。」

 リュークと呼ばれていたその人にそう言われた。まぁとっさの判断力は鈍ってなかったか。

「あ、あぁ。怪我が無かったのならよかったです………。」

 まだ少しふらつく。まともに魔法を使ったのっていつ以来だ?反動がすさまじいな………。

「ほら、立てるかい?」

 2人組の内、女性のほうが俺に手を伸ばしてくれる。何と言うか、そんな装備で大丈夫か?と問いたい程軽装備なのだが………目のやり場に困る。

「あぁ、ありがとうございます。」

「にしても嬢ちゃんすげぇな。ゴブリンを一刀両断なんて。その剣も上級装備だしよ。」

「リュークは少し口を慎みな。階級だってアタシ達より上だよ。」

「あぁいや、この剣は貰い物で………階級もまだまだ底辺だし………たまたまですよ。」

 我ながら苦しい言い訳。あれほどの技量、到底こんな少女が身に付けていい筈がない。今の俺の立ち位置大丈夫かな………。

「底辺とは言うけどね―――――。」

「ほら、この通り………まだまだF級ですよ………。」

 証明書を見せると、案の定絶句される。当たり前だ。嗚呼足突っ込むんじゃなかった………とはいえ、ここを抜けなければ現場には着けない………運が悪かったと割りきろう………。

「アタシ達よりも………下………。」

「は、はは………規格外だな。こりゃ。」

「ま、まぁあれです!名のある師匠の下で修行してましたから!!」

 あー、苦しい。本当に苦しい。こんなんで通る訳はねぇよ。

「あぁ、なら納得だ。」

 おい、通ったよ。リュークって人案外………。

「ふーん、まぁいいけど。事情があるんだろうし。」

 あぁ、そうしていただけると俺としてもとてもありがたいです。ノータッチでお願いします。

「そういや、自己紹介がまだだったね。アタシはリン。んでこっちのバカがリュークだ。腐れ縁でパーティーを組んでるんだけど、見ての通りこの様だよ。さて、F級ってことはこの先の薬草を取りに行くんだろう?アタシ達もそっちのほうに用があってね。よければ一緒に来てくれないかい?」

「いいんですか?」

「こっちからお願いしてるんだ。ここまで魔物が降りてくることは本来無い。ここ最近はなんだかおかしいんだよ。そんでまぁ、うちは魔物相手がてんで駄目だからね。」

「ぜひとも!」

 こちらとしても回収要員がいてくれると助かる。多分しばらくは魔法を使っただけで倒れるからな。自由自在に操れるのは何週間後だろうか………。

「じゃあ、決定だね。名前は?」

「あぁ、俺は………ナナです。」

「ナナちゃんか。よろしく頼む。」

 そうして、一時的ではあるものの俺はパーティを結成することとなった。
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