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第5話 強襲です
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そうして、そこからは何事もなく目的地である森林付近に到着することができた。
「まぁ、さっきゴブリンが出たばっかりなんだ。今日はちょっと何かがおかしいかもな。」
「今さらかい?」
そう言えばと思い出す。俺が襲われたのも普段なら安全な区域の筈だ。魔物が活発になる何かがあったと見て間違いはなさそうだが………。
「どうかしたかい?」
「あぁ、いえ。何でもないです。」
さっきのゴブリンの出所は十中八九この森林………もしかしたらまだいるかもしれないな。厄年か、俺。
「さてと、そんじゃアタシらはアタシらでやるかね。」
「そう言えば、リン達はどうしてこっちのほうへ?」
「あぁ、人探しだよ。」
「最近囚人が逃げ出すって事が起こっちまってよ。こっちのほうに逃げたって話だからそいつの捜索さ。尤も、魔物にやられてるかもしれんがな。」
物騒な世の中になったもんだなと思いつつ、視線を地面に落とす。さてと、慣れた仕事だ。薬草でも………。
「………なぁ…リン、リューク………この足跡なんだと思う?」
「ん?どうし………。」
「………こりゃ………。」
そこにあったのは、おおよそ人の足跡と断定できる物だった。しかし、特徴としてあげられるのはその異形さであろう。ドラゴンと混合でもしたのかと思ってしまうほどに重厚だ。だけど、そんな魔物は聞いたことない。竜人族だとも考えたが、彼らの足の作りは根本的に人とは違う。
「まだ………この近くにいる………?」
リュークがそう言った瞬間である。
「っ!?構えろ!!」
リンの声が響いた。反射的に防御姿勢を取る。刹那それは姿を表した。俺の目がその一瞬を捉える。人とは思えぬその異形の姿。鎧にでも飲み込まれてしまったのかとも見間違う。その長く鋭い爪が俺に襲いかかった。
「くっ………。」
間一髪、リンがそれをナイフ1本で受け止め、弾いた。お互いに距離が出きる。
「なんだよ、こいつは!!」
「わからねぇ………だけど服装は逃げ出した囚人のものと一致する。」
「呪いにでもやられたか?」
出遅れたが、俺も剣を構えた。竜の骨を鎧として身にまとったようなその姿。心当たりがひとつあるとすればそれは………。
「ダンジョンの核と融合でもすれば………。」
「確かに、言えてる。」
「だけどこの辺にダンジョンなんて………と、言うかナナちゃんもリンも何でそんなにやる気なんだよ!俺たちで勝てる相手じゃ―――――。」
「じゃあアンタは逃げな。」
「は、はぁ!?正気かよ!!ゴブリンも倒せないくせに何カッコつけてんだ!」
「じゃあ何?こんなのを野放しにしておくのかい?少なくとも、アタシはアンタより強い。」
「リン、来ますよ………。」
「………了解。援護に回る。一撃で決めれるね?」
「………はい。」
そいつが、地を蹴った。すさまじい速度だ。今の俺のような鈍重な動きでは間に合わない。
「【速握】………。」
リンがいなければ、と頭に着くが。リンの動きは、相手のそれよりも速かった。何故あれほどの実力を持ちながらゴブリン相手に苦戦していたのか………いいや、考え事なら後でいい。
的確に攻撃を弾き、一瞬動きが鈍った。俺にはリンの作り出してくれたその一瞬さえあればいいのだ。
【断絶】
フルパワーでないといけないと、そう感じた。身体強化はなしだ。カウンターの一撃で沈める。再び、その異形は俺に向かい飛びかかる。この間合いなら、俺のもんだ。
今使えるありったけの魔力をつぎ込み、その刃を振るった。縦一閃の衝撃は、異形をその大地ごと切り裂いたのだった。
「まぁ、さっきゴブリンが出たばっかりなんだ。今日はちょっと何かがおかしいかもな。」
「今さらかい?」
そう言えばと思い出す。俺が襲われたのも普段なら安全な区域の筈だ。魔物が活発になる何かがあったと見て間違いはなさそうだが………。
「どうかしたかい?」
「あぁ、いえ。何でもないです。」
さっきのゴブリンの出所は十中八九この森林………もしかしたらまだいるかもしれないな。厄年か、俺。
「さてと、そんじゃアタシらはアタシらでやるかね。」
「そう言えば、リン達はどうしてこっちのほうへ?」
「あぁ、人探しだよ。」
「最近囚人が逃げ出すって事が起こっちまってよ。こっちのほうに逃げたって話だからそいつの捜索さ。尤も、魔物にやられてるかもしれんがな。」
物騒な世の中になったもんだなと思いつつ、視線を地面に落とす。さてと、慣れた仕事だ。薬草でも………。
「………なぁ…リン、リューク………この足跡なんだと思う?」
「ん?どうし………。」
「………こりゃ………。」
そこにあったのは、おおよそ人の足跡と断定できる物だった。しかし、特徴としてあげられるのはその異形さであろう。ドラゴンと混合でもしたのかと思ってしまうほどに重厚だ。だけど、そんな魔物は聞いたことない。竜人族だとも考えたが、彼らの足の作りは根本的に人とは違う。
「まだ………この近くにいる………?」
リュークがそう言った瞬間である。
「っ!?構えろ!!」
リンの声が響いた。反射的に防御姿勢を取る。刹那それは姿を表した。俺の目がその一瞬を捉える。人とは思えぬその異形の姿。鎧にでも飲み込まれてしまったのかとも見間違う。その長く鋭い爪が俺に襲いかかった。
「くっ………。」
間一髪、リンがそれをナイフ1本で受け止め、弾いた。お互いに距離が出きる。
「なんだよ、こいつは!!」
「わからねぇ………だけど服装は逃げ出した囚人のものと一致する。」
「呪いにでもやられたか?」
出遅れたが、俺も剣を構えた。竜の骨を鎧として身にまとったようなその姿。心当たりがひとつあるとすればそれは………。
「ダンジョンの核と融合でもすれば………。」
「確かに、言えてる。」
「だけどこの辺にダンジョンなんて………と、言うかナナちゃんもリンも何でそんなにやる気なんだよ!俺たちで勝てる相手じゃ―――――。」
「じゃあアンタは逃げな。」
「は、はぁ!?正気かよ!!ゴブリンも倒せないくせに何カッコつけてんだ!」
「じゃあ何?こんなのを野放しにしておくのかい?少なくとも、アタシはアンタより強い。」
「リン、来ますよ………。」
「………了解。援護に回る。一撃で決めれるね?」
「………はい。」
そいつが、地を蹴った。すさまじい速度だ。今の俺のような鈍重な動きでは間に合わない。
「【速握】………。」
リンがいなければ、と頭に着くが。リンの動きは、相手のそれよりも速かった。何故あれほどの実力を持ちながらゴブリン相手に苦戦していたのか………いいや、考え事なら後でいい。
的確に攻撃を弾き、一瞬動きが鈍った。俺にはリンの作り出してくれたその一瞬さえあればいいのだ。
【断絶】
フルパワーでないといけないと、そう感じた。身体強化はなしだ。カウンターの一撃で沈める。再び、その異形は俺に向かい飛びかかる。この間合いなら、俺のもんだ。
今使えるありったけの魔力をつぎ込み、その刃を振るった。縦一閃の衝撃は、異形をその大地ごと切り裂いたのだった。
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