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第14話 結局のところ

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「―――――以上が、今回の地下探索で起こった出来事です。」

「………なるほど、吸血種にΦか………打ち倒したとは言え、油断は出来んな。地下を狙うとなると、目的は一つしかないからな。」

「………あ、あのー………俺、ここに居ていいんでしょうか………?」

 聞いている限りめちゃくちゃ重要そうな話なんだが。

「まぁ、構わない。どうせ君に聞きたいことがあるからな。さてと、それはそれとして吸血種だ。ダンジョン核についてはそいつが持ち運んだと見て良さそうだが………何処から沸いて出たのやら。」

「それについてなんだが………吸血種って言うのが俺はいまいち解らん。そんな当たり前なものなのか?」

「あぁ、当たり前と言う訳じゃない。おそらく君はおとぎ話の存在と考えていただろう?あれは大衆も同じさ。だが、一握りの存在は知っている。奴らが実在することを。奴らは魔族の亜種と言っていい。尤も、ほとんどは俺のじい様が殺してしまったがね。」

 とんでもねぇ大英勇じゃねぇか。この人の祖先。

「話を戻そう。この街の地下にあるのはそのじい様の墓だ。」

「は、はあ………?」

 そうは言われてもどう言うことかは解らない。

「まぁ、かいつまんで話そう。何代も前だが俺は便宜上じい様と呼んでるんだが、このじい様が24のグレゴリを作った存在だ。今はそれだけ覚えててくれるといい。」

「あぁ、なにか関係があるのかと思ったら………。」

「まぁ、そう言うことだ。それで、そんな大層な存在な訳だからその魔力核は非常に強力かつ強大なものであるが故、その骨は今だ朽ちること無く完全な形を保ち存在し続けている。」

「………つまりそれは?」

「この存在が他の手に渡ったら悪用されかねんと言う話だ。おそらく、今回の吸血種もそれを探してたのだろう。でないと爆発しながら移動するなんてことはしない筈だ。あれは代々家で管理していて場所も俺の身内しか知らないからな。」

「なるほど、合点がいった。」

 大体話の流れは読めてきた。つまりは吸血種どもが復讐のためにその骨を狙っていると考えるのが妥当だろうな。

「まぁ、そう言うことだ………しかし、どうしたもんかな。これ以上吸血種が出てくるとなると冒険者だけの騒ぎではなくなるぞ………。」

「それもそうですし、あの異形についてもまだ何も………。」

「それもそうだな………まぁ、ここは追い追い調査を出すことにしている。さてと、では最も肝心なことを聞こう。リラ、このナナとは結局のところ何者なのだ?」

「えぇ、それは………。」

 リラが困ったようにこちらを向く。まぁ、これを言えばおそらく吸血種以上の混乱を招きかねんからな………だが、隠し通せる気もしていない………。

「信じてはもらえんかもしれんが………俺はフラガラッハだ。」

「な………なん…だと………?」
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