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どうもくすぶるなと思ったら私は餅を焼いていたらしい~気付いたときにはすでに飼い慣らされておりまして~
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「誰が誰を好きって?」
「ああもう、これだからモモは……。一から言わないとわからないの?モモは尚史さんのことが好きだから、尚史さんと谷口さんが一緒にいるとヤキモチ焼いてモヤッとするんだって言ってるの!」
モモは尚史のことが好きだから、谷口さんにヤキモチを焼く?
えーっと、モモは私だから、それってつまり……。
えっ、私が尚史を好きだって?!
「はぁっ?!なんで私が?そんなのおかしくない?」
「いや、逆に気付かない方がおかしくない?誰がどう考えてもそうとしか思えないでしょ。ねぇ?」
みっちゃんが同意を求めると、佐和ちゃんもアキちゃんも大きくうなずいた。
「男の人が苦手なモモさんが尚史さんとは手を繋いでも平気なのって、好きだからじゃないですか?」
「尚史さんとずっと一緒にいたいと思うのも、たぶん好きだからだと思うよ」
アキちゃんも佐和ちゃんも、私が尚史を好きだと思う根拠を容赦なく投げつけてくる。
自分ではそんな風に思ったことなんて一度もないのに、人から断言されると無性に恥ずかしい。
私は首がもげそうなくらい何度も首を大きく横に振った。
「いやいやいやいや……尚史は幼馴染みだよ?家族同然なんだよ?それはないでしょ……」
「幼馴染みだって、恋愛とか結婚する人なんかいくらでもいるけど?」
みっちゃんのさらなる追い討ちで、頭がクラクラし始めた。
もうダメだ……なんにも考えられない……。
「とりあえず、モモちゃんは自分の気持ちをちゃんと整理して、尚史さんと今後どうしたいのかよく考えた方がいいと思うよ」
「その前に、谷口さんと付き合ってるのか、尚史さんにハッキリ聞いた方がいいと思います」
「そういうことね。一人で悩んでも何も解決しないだろうから、二人でよく話し合ってみたら?それより早く食べないと昼休み終わっちゃうよ!急ごう」
3人は言いたいことを言うとスッキリしたようで、清々しい顔をしてランチの残りを掻き込み始める。
結局私はリゾットを半分も食べられないまま昼食を終えて、放心状態でオフィスに戻った。
午後になるとさらに胃痛はひどくなり、おまけにみっちゃんたちに言われたことがあまりにも衝撃的で、頭がうまく働かなかった。
そんな状態でまともな仕事ができるわけもなく、ひどい顔色をして胃を抱えながら唸っている私の様子を見かねた上司から「体調が悪いようだし、今日はもう早退しなさい」と言われ、2時過ぎに会社を出た。
胃痛に耐えながらなんとか帰宅すると、リビングで寛いでいた母もさすがに心配そうにしていた。
「そんなにひどいなら病院に行った方がいいんじゃないの?」
「うん……。夕方になってもおさまらなかったらそうする……」
薬を飲んで2階に上がり、自室で部屋着に着替えてベッドに横になった。
目を閉じても胃が痛くて眠れないし、何も考えたくないのにみっちゃんと佐和ちゃんとアキちゃんの言葉が何度も脳内で再生される。
そのたびに尚史の顔と谷口さんの顔がちらついて、余計に胃が痛くなった。
結局胃痛はおさまるどころか余計にひどくなるばかりで、近所の診療所の午後診が始まる時間に家を出て受診した。
胃痛の原因は精神的なものだから、できるだけ考え込まないで頭と体を休めなさいと先生は言っていたけど、帰宅して薬を飲みベッドに横になると、考えたくなくても尚史のことばかり考えてしまう。
もし仮に私が尚史を好きだとしても、尚史が谷口さんと付き合っているのなら結婚はありえない。
逆に尚史が谷口さんと付き合っていなかったら、このまま形だけの結婚をして、おばあちゃんに花嫁姿を見せて、尚史とはこれまで通りの関係を継続していけばいいのか?
「ああもう、これだからモモは……。一から言わないとわからないの?モモは尚史さんのことが好きだから、尚史さんと谷口さんが一緒にいるとヤキモチ焼いてモヤッとするんだって言ってるの!」
モモは尚史のことが好きだから、谷口さんにヤキモチを焼く?
えーっと、モモは私だから、それってつまり……。
えっ、私が尚史を好きだって?!
「はぁっ?!なんで私が?そんなのおかしくない?」
「いや、逆に気付かない方がおかしくない?誰がどう考えてもそうとしか思えないでしょ。ねぇ?」
みっちゃんが同意を求めると、佐和ちゃんもアキちゃんも大きくうなずいた。
「男の人が苦手なモモさんが尚史さんとは手を繋いでも平気なのって、好きだからじゃないですか?」
「尚史さんとずっと一緒にいたいと思うのも、たぶん好きだからだと思うよ」
アキちゃんも佐和ちゃんも、私が尚史を好きだと思う根拠を容赦なく投げつけてくる。
自分ではそんな風に思ったことなんて一度もないのに、人から断言されると無性に恥ずかしい。
私は首がもげそうなくらい何度も首を大きく横に振った。
「いやいやいやいや……尚史は幼馴染みだよ?家族同然なんだよ?それはないでしょ……」
「幼馴染みだって、恋愛とか結婚する人なんかいくらでもいるけど?」
みっちゃんのさらなる追い討ちで、頭がクラクラし始めた。
もうダメだ……なんにも考えられない……。
「とりあえず、モモちゃんは自分の気持ちをちゃんと整理して、尚史さんと今後どうしたいのかよく考えた方がいいと思うよ」
「その前に、谷口さんと付き合ってるのか、尚史さんにハッキリ聞いた方がいいと思います」
「そういうことね。一人で悩んでも何も解決しないだろうから、二人でよく話し合ってみたら?それより早く食べないと昼休み終わっちゃうよ!急ごう」
3人は言いたいことを言うとスッキリしたようで、清々しい顔をしてランチの残りを掻き込み始める。
結局私はリゾットを半分も食べられないまま昼食を終えて、放心状態でオフィスに戻った。
午後になるとさらに胃痛はひどくなり、おまけにみっちゃんたちに言われたことがあまりにも衝撃的で、頭がうまく働かなかった。
そんな状態でまともな仕事ができるわけもなく、ひどい顔色をして胃を抱えながら唸っている私の様子を見かねた上司から「体調が悪いようだし、今日はもう早退しなさい」と言われ、2時過ぎに会社を出た。
胃痛に耐えながらなんとか帰宅すると、リビングで寛いでいた母もさすがに心配そうにしていた。
「そんなにひどいなら病院に行った方がいいんじゃないの?」
「うん……。夕方になってもおさまらなかったらそうする……」
薬を飲んで2階に上がり、自室で部屋着に着替えてベッドに横になった。
目を閉じても胃が痛くて眠れないし、何も考えたくないのにみっちゃんと佐和ちゃんとアキちゃんの言葉が何度も脳内で再生される。
そのたびに尚史の顔と谷口さんの顔がちらついて、余計に胃が痛くなった。
結局胃痛はおさまるどころか余計にひどくなるばかりで、近所の診療所の午後診が始まる時間に家を出て受診した。
胃痛の原因は精神的なものだから、できるだけ考え込まないで頭と体を休めなさいと先生は言っていたけど、帰宅して薬を飲みベッドに横になると、考えたくなくても尚史のことばかり考えてしまう。
もし仮に私が尚史を好きだとしても、尚史が谷口さんと付き合っているのなら結婚はありえない。
逆に尚史が谷口さんと付き合っていなかったら、このまま形だけの結婚をして、おばあちゃんに花嫁姿を見せて、尚史とはこれまで通りの関係を継続していけばいいのか?
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