222 / 240
トラブル発生!どうなる結婚式?!~緊急事態でも妻を愛でる夫は愛の化身~
9
しおりを挟む
私がヤキモチを焼くと嬉しいとか、前に言ってたもんな。
こんな風に言われるのはなんだか悔しい。
「別に。どうなのかなぁと思っただけ」
「ふーん?そっか。あ……そう言えば、この間経理部の女の子に食事に誘われた」
「えっ?!」
「総務部の子と営業事務の子と……いちいち全部覚えてないけど、映画とか食事とかライブとか、いろいろ誘われたっけ。教えてもないのに誕生日のお祝いをしたいからホテルでディナーしませんかって言ってきた子もいたなぁ……」
何が『さぁ?』だ!
これのどこが業務上のやり取りだ!
めちゃくちゃモテとるやないか!
ここは女たちの戦場か?!
動揺を隠せずおにぎりに噛みついて御飯粒をポロポロこぼす私を、尚史は楽しそうに眺めている。
「ずいぶんおモテになるんですのね……」
私が歯を食い縛りながら呟くと、尚史は私の口元についた御飯粒を指先でつまんで、自分の口に運んだ。
「心配しなくたって、誰に何を言われても絶対に断るし、浮気はしない。俺が好きなのはモモだけだから」
「……絶対に?」
「絶対に」
「尚史がそう言うなら信じるけど……やっぱりちょっと不安かな」
私の言葉が意外だったのか、尚史はペットボトル入りのミルクコーヒーを口に運ぶ手を止めて首をかしげた。
「なんで?」
「私はこんなだし……尚史にずっと好きでいてもらえる自信ないもん。結婚して一緒にいる時間が増えて、『モモって俺が思ってたほど可愛くないな』って尚史が気付いて、あっという間に飽きられちゃうんじゃないかなって……」
正直に胸の内を吐露すると、尚史はコーヒーをテーブルの上に置き、優しい目をして微笑みながら愛しそうに私の頬を撫でた。
尚史の大きくてあたたかい手に触れられると、そこから尚史の体温が伝わってとても安心する。
「俺はガキの頃からずっと、こんなモモが可愛くて大好きなんだけど?いまさら他の女なんて興味もないし、モモに飽きるどころか、ますます好きになってますが、何か?」
「……尚史って物好きだよね。私より可愛い人もきれいな人もいっぱいいるのに、なんで私なの?」
また可愛くない言い方をしてしまったけれど、これは私がずっと疑問に思っていたことだ。
何も私みたいなちんちくりんのヲタクじゃなくたって、尚史なら見た目のいい女の子も選り取り見取りなのに、どうしてそこまで私を好きだと言うんだろう?
尚史は少し困った顔をして、私が手に持っていたおにぎりをはがした包みの上に置き、長い腕で私の体を包み込むように抱きしめた。
「なんで?って言われても、好きなものは好きなんだよ。負けず嫌いなとこも、意地っ張りでなかなか素直になれないとこも、自分に自信がないとこも、世話焼きで優しいとこも、無自覚で俺を煽るとこも、顔も声も体も……俺はとにかく、モモの全部が好き。どうしようもないくらい好きで、可愛くてたまらない」
私の長所をちゃんと見つけてくれて、私自身がしょっちゅう滅入っている短所までわかった上で好きでいてくれるなんて、尚史の私への愛情はどこまで深いんだろう?
私ももっと尚史のいいところを見つけたいし、他の人には見せない顔を、私だけが知っていたい。
いつの間にか私は、尚史が心変わりすることを不安に思ったり、独占欲メーターが振り切れてしまうほどに尚史のことを好きになっているんだ。
尚史と一緒にいられて、本当に幸せ……。
尚史の腕に抱かれながらそんなことを考えていると、尚史が私の首筋にキスをした。
私は突然のことにビックリして「うひゃあ」と妙な声をあげてしまう。
こんな風に言われるのはなんだか悔しい。
「別に。どうなのかなぁと思っただけ」
「ふーん?そっか。あ……そう言えば、この間経理部の女の子に食事に誘われた」
「えっ?!」
「総務部の子と営業事務の子と……いちいち全部覚えてないけど、映画とか食事とかライブとか、いろいろ誘われたっけ。教えてもないのに誕生日のお祝いをしたいからホテルでディナーしませんかって言ってきた子もいたなぁ……」
何が『さぁ?』だ!
これのどこが業務上のやり取りだ!
めちゃくちゃモテとるやないか!
ここは女たちの戦場か?!
動揺を隠せずおにぎりに噛みついて御飯粒をポロポロこぼす私を、尚史は楽しそうに眺めている。
「ずいぶんおモテになるんですのね……」
私が歯を食い縛りながら呟くと、尚史は私の口元についた御飯粒を指先でつまんで、自分の口に運んだ。
「心配しなくたって、誰に何を言われても絶対に断るし、浮気はしない。俺が好きなのはモモだけだから」
「……絶対に?」
「絶対に」
「尚史がそう言うなら信じるけど……やっぱりちょっと不安かな」
私の言葉が意外だったのか、尚史はペットボトル入りのミルクコーヒーを口に運ぶ手を止めて首をかしげた。
「なんで?」
「私はこんなだし……尚史にずっと好きでいてもらえる自信ないもん。結婚して一緒にいる時間が増えて、『モモって俺が思ってたほど可愛くないな』って尚史が気付いて、あっという間に飽きられちゃうんじゃないかなって……」
正直に胸の内を吐露すると、尚史はコーヒーをテーブルの上に置き、優しい目をして微笑みながら愛しそうに私の頬を撫でた。
尚史の大きくてあたたかい手に触れられると、そこから尚史の体温が伝わってとても安心する。
「俺はガキの頃からずっと、こんなモモが可愛くて大好きなんだけど?いまさら他の女なんて興味もないし、モモに飽きるどころか、ますます好きになってますが、何か?」
「……尚史って物好きだよね。私より可愛い人もきれいな人もいっぱいいるのに、なんで私なの?」
また可愛くない言い方をしてしまったけれど、これは私がずっと疑問に思っていたことだ。
何も私みたいなちんちくりんのヲタクじゃなくたって、尚史なら見た目のいい女の子も選り取り見取りなのに、どうしてそこまで私を好きだと言うんだろう?
尚史は少し困った顔をして、私が手に持っていたおにぎりをはがした包みの上に置き、長い腕で私の体を包み込むように抱きしめた。
「なんで?って言われても、好きなものは好きなんだよ。負けず嫌いなとこも、意地っ張りでなかなか素直になれないとこも、自分に自信がないとこも、世話焼きで優しいとこも、無自覚で俺を煽るとこも、顔も声も体も……俺はとにかく、モモの全部が好き。どうしようもないくらい好きで、可愛くてたまらない」
私の長所をちゃんと見つけてくれて、私自身がしょっちゅう滅入っている短所までわかった上で好きでいてくれるなんて、尚史の私への愛情はどこまで深いんだろう?
私ももっと尚史のいいところを見つけたいし、他の人には見せない顔を、私だけが知っていたい。
いつの間にか私は、尚史が心変わりすることを不安に思ったり、独占欲メーターが振り切れてしまうほどに尚史のことを好きになっているんだ。
尚史と一緒にいられて、本当に幸せ……。
尚史の腕に抱かれながらそんなことを考えていると、尚史が私の首筋にキスをした。
私は突然のことにビックリして「うひゃあ」と妙な声をあげてしまう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
159
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる