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海辺の町で、あなたと
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両親と一緒にペンションの仕事をし始めてから、もうすぐ1年が経とうとしている。
ここ数年は口コミで夏の予約が多くなって顧客管理が大変だと両親が言ったので、今年に入ってからはアナログな両親に代わって私がパソコンで予約客の管理をするようになり、夏になる少し前にはペンションのホームページも作った。
宿泊客がお礼のコメントや写真を気軽に送ってくれて、お互いに空き状況が一目でわかって予約を入れやすくなったし、お客さんとのコミュニケーションも取りやすくなって、両親も喜んでいる。
私も少しは両親の役に立っているようだ。
夏の間は海水浴に訪れる客で賑わっていたペンションも、シーズンオフになると驚くほど暇になる。
近くの観光地を訪れる客が1日に一組か二組いる程度で、まったく予約のない日もたまにある。
シーズンオフの間、予約がない日は近くのスーパーでレジのバイトをする事にした。
スーパーで働いているのは近所の主婦とおじさんがほとんどで、歳の離れた私を可愛がってくれる。
そろそろ結婚の話はないの?と聞かれたりもするけれど、そんな浮いた話はまったくない。
ここに来てしばらくは、アパートに帰って一人になると、いろんな事を思い出して寂しかった夜もあった。
眠る前に目を閉じると、恋人同士だった頃の勲の笑顔が浮かんだりもした。
今はどうしているかなとか、幸せでいてくれたらいいなとか、そんな事が頭をよぎった。
そしていつも眠りに落ちる前には應汰の顔が浮かんだ。
何も言わずにいなくなった事、應汰は怒ってるかな。
もしかしたらもう、他にいい人ができたかも。
そんな事を考えながら眠りについた。
朝6時、いつものようにアパートを出て自転車でペンションに向かった。
今日は宿泊予約が二組入っている。
まずは宿泊客の朝食の配膳、それから後片付けを済ませ、10時になると宿泊客を送り出し、使用済みの客室を掃除して新しい客を迎えられるようセッティングをする。
それから風呂場やロビー、食堂などの掃除をして、合間にホームページのチェックをする。
両親は主に食材の仕入れや食事の用意などをしている。
母は父といられるのがよほど嬉しいのか、こちらに来る前の実家にいた時より明るくなった。
ホテルのレストランに勤めていた頃の父はいつも忙しくて、一緒に食事をしたりゆっくり話したりはなかなかできなかったから、ここに来てその頃の時間を取り戻しているのかも知れない。
私も会社にいた頃より明るくなった気がする。
ちょっとした事でクヨクヨしなくなった。
ペンションの仕事は体力はいるけれど、ここはとてものどかで、時間の流れが穏やかだ。
傷付いた心を癒すためにここに来た事は両親には言っていないけれど、来て良かったと思う。
あのまま会社を辞めずにあそこにいたら、私はどうなっていただろう?
勲への想いを捨てられないままで應汰に甘えて、また應汰の腕の中で勲を想って、應汰を傷付けていたかも知れない。
そんなの、かつての私と勲の不毛な関係と同じで、いつまでも続けられるわけがない。
應汰の気持ちは嬉しかった。
だからこそいい加減な事をして嫌われたくなかった。
今は海を見るたびに應汰を思い出す。
いつの間にか、勲の事より應汰の事を考える方が多くなった。
應汰、どうしてるかな。
一通りの仕事が終わり、両親と一緒に軽い昼食を済ませた。
ロビーの受付カウンターの中でコーヒーを片手にのんびりホームページのチェックをしていると、玄関のドアベルがカランカランと音をたてた。
まだチェックインの時間には早いので、予約のお客さんが早く着いたのかなと思いながらカウンターの外に出て玄関に向かうと、若い男性客がこちらに背を向けて水槽の中で泳ぐ魚を珍しそうに眺めていた。
今日はお一人様の予約はなかったはずだから、予約なしで飛び込んだお客さんのようだ。
ここ数年は口コミで夏の予約が多くなって顧客管理が大変だと両親が言ったので、今年に入ってからはアナログな両親に代わって私がパソコンで予約客の管理をするようになり、夏になる少し前にはペンションのホームページも作った。
宿泊客がお礼のコメントや写真を気軽に送ってくれて、お互いに空き状況が一目でわかって予約を入れやすくなったし、お客さんとのコミュニケーションも取りやすくなって、両親も喜んでいる。
私も少しは両親の役に立っているようだ。
夏の間は海水浴に訪れる客で賑わっていたペンションも、シーズンオフになると驚くほど暇になる。
近くの観光地を訪れる客が1日に一組か二組いる程度で、まったく予約のない日もたまにある。
シーズンオフの間、予約がない日は近くのスーパーでレジのバイトをする事にした。
スーパーで働いているのは近所の主婦とおじさんがほとんどで、歳の離れた私を可愛がってくれる。
そろそろ結婚の話はないの?と聞かれたりもするけれど、そんな浮いた話はまったくない。
ここに来てしばらくは、アパートに帰って一人になると、いろんな事を思い出して寂しかった夜もあった。
眠る前に目を閉じると、恋人同士だった頃の勲の笑顔が浮かんだりもした。
今はどうしているかなとか、幸せでいてくれたらいいなとか、そんな事が頭をよぎった。
そしていつも眠りに落ちる前には應汰の顔が浮かんだ。
何も言わずにいなくなった事、應汰は怒ってるかな。
もしかしたらもう、他にいい人ができたかも。
そんな事を考えながら眠りについた。
朝6時、いつものようにアパートを出て自転車でペンションに向かった。
今日は宿泊予約が二組入っている。
まずは宿泊客の朝食の配膳、それから後片付けを済ませ、10時になると宿泊客を送り出し、使用済みの客室を掃除して新しい客を迎えられるようセッティングをする。
それから風呂場やロビー、食堂などの掃除をして、合間にホームページのチェックをする。
両親は主に食材の仕入れや食事の用意などをしている。
母は父といられるのがよほど嬉しいのか、こちらに来る前の実家にいた時より明るくなった。
ホテルのレストランに勤めていた頃の父はいつも忙しくて、一緒に食事をしたりゆっくり話したりはなかなかできなかったから、ここに来てその頃の時間を取り戻しているのかも知れない。
私も会社にいた頃より明るくなった気がする。
ちょっとした事でクヨクヨしなくなった。
ペンションの仕事は体力はいるけれど、ここはとてものどかで、時間の流れが穏やかだ。
傷付いた心を癒すためにここに来た事は両親には言っていないけれど、来て良かったと思う。
あのまま会社を辞めずにあそこにいたら、私はどうなっていただろう?
勲への想いを捨てられないままで應汰に甘えて、また應汰の腕の中で勲を想って、應汰を傷付けていたかも知れない。
そんなの、かつての私と勲の不毛な関係と同じで、いつまでも続けられるわけがない。
應汰の気持ちは嬉しかった。
だからこそいい加減な事をして嫌われたくなかった。
今は海を見るたびに應汰を思い出す。
いつの間にか、勲の事より應汰の事を考える方が多くなった。
應汰、どうしてるかな。
一通りの仕事が終わり、両親と一緒に軽い昼食を済ませた。
ロビーの受付カウンターの中でコーヒーを片手にのんびりホームページのチェックをしていると、玄関のドアベルがカランカランと音をたてた。
まだチェックインの時間には早いので、予約のお客さんが早く着いたのかなと思いながらカウンターの外に出て玄関に向かうと、若い男性客がこちらに背を向けて水槽の中で泳ぐ魚を珍しそうに眺めていた。
今日はお一人様の予約はなかったはずだから、予約なしで飛び込んだお客さんのようだ。
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