25 / 54
ダンジョンコア
しおりを挟む
うそだろ。そんな話まったく聞いてなかった。予想外すぎる。てことは、このダンジョンを討伐しちゃったってこと?これからって時に?いやでも、それだとダンジョンの防衛状態ってどういうことなんだ?こんなふうになれるなら逃げればいいんじゃないか?いや、むしろなんで1層にいるんだよ、そんなのが!
あああ、ダメだ。思考がまとまらない。
「説明、してくれますよね?」
「もちろん。ただ、その前にやらないといけないことがあるんだ。すまない、ナイフを。」
ナイフを手渡すと、コアを包む膜にスッと切れ込みを入れてコアを取り出す。
「きたね…。」
中武さんが顔を上げる。目線は…俺の後ろ。
振り向くと、1人の女性が立っていた。
緩く波打つ銀色の髪。真っ白な肌。古代ギリシャかローマのような、ゆったりとした服。
まるで女神のような、美しい姿。ただ、目が、黒く塗りつぶされたような目が、女性がこれと同じものだと告げている。
動くことができない俺をよそに、中武さんが立ち上がり女性へと近づいていく。
「久しぶり。」
女性はそれに答えることなく、両手を差し出した。
「まだ、こっちには来ないように言っといてもらえるかな。」
中武さんが、その手のひらへコアを乗せる。女性はコアを大切そうに胸にかき抱くと、こちらへ頭を下げ…、次の瞬間には何もなかったように姿を消していた。
「相変わらずつれないな…。」
いや。いやいやいや。何いまの!?
「中武さんって、何者なんですか。」
「それはまだ秘密かな。」
立てた人差し指を口元に寄せるおっさん。
いい歳してやめろよそういうの!
「とりあえず、車にでも入ろうか。詳しく説明するよ。」
ふと見ると、いつの間にか死体も消えている。
狐につままれるって言葉、こういう時に使うんだろうな。
腑に落ちないことが山ほどあるけど、諦めて中武さんについていくことにした。
ダンジョン入り口の脇に止められた大型のバン。
「助手席でいいよ。」
そういって中武さんは運転席へと乗り込もうとする。
「俺、ゾンビ汁でどろどろなんですけど。」
車に臭いが付くんじゃないかな。
「気にしなくていいよ。ダンジョンの魔物の返り血なら、ほっとけば消えるから。」
そうなの!?え、それなら洗濯機買わなくてよくない?
とりあえず、言われた通りに助手席へと乗り込む。狭い。シートを限界まで後に下げる。
「この車でも秋月くんには狭いのか。車の運転、大変そうだね。」
「そのうち、でっかい外車を買いますから。」
もう少しお金が貯まったら、近所の輸入中古車専門店に行ってみるつもり。夢は大きいほうがいいよね。
いやいや、そんなことより。
「それじゃあ、中武さん。話してもらえますか?」
あああ、ダメだ。思考がまとまらない。
「説明、してくれますよね?」
「もちろん。ただ、その前にやらないといけないことがあるんだ。すまない、ナイフを。」
ナイフを手渡すと、コアを包む膜にスッと切れ込みを入れてコアを取り出す。
「きたね…。」
中武さんが顔を上げる。目線は…俺の後ろ。
振り向くと、1人の女性が立っていた。
緩く波打つ銀色の髪。真っ白な肌。古代ギリシャかローマのような、ゆったりとした服。
まるで女神のような、美しい姿。ただ、目が、黒く塗りつぶされたような目が、女性がこれと同じものだと告げている。
動くことができない俺をよそに、中武さんが立ち上がり女性へと近づいていく。
「久しぶり。」
女性はそれに答えることなく、両手を差し出した。
「まだ、こっちには来ないように言っといてもらえるかな。」
中武さんが、その手のひらへコアを乗せる。女性はコアを大切そうに胸にかき抱くと、こちらへ頭を下げ…、次の瞬間には何もなかったように姿を消していた。
「相変わらずつれないな…。」
いや。いやいやいや。何いまの!?
「中武さんって、何者なんですか。」
「それはまだ秘密かな。」
立てた人差し指を口元に寄せるおっさん。
いい歳してやめろよそういうの!
「とりあえず、車にでも入ろうか。詳しく説明するよ。」
ふと見ると、いつの間にか死体も消えている。
狐につままれるって言葉、こういう時に使うんだろうな。
腑に落ちないことが山ほどあるけど、諦めて中武さんについていくことにした。
ダンジョン入り口の脇に止められた大型のバン。
「助手席でいいよ。」
そういって中武さんは運転席へと乗り込もうとする。
「俺、ゾンビ汁でどろどろなんですけど。」
車に臭いが付くんじゃないかな。
「気にしなくていいよ。ダンジョンの魔物の返り血なら、ほっとけば消えるから。」
そうなの!?え、それなら洗濯機買わなくてよくない?
とりあえず、言われた通りに助手席へと乗り込む。狭い。シートを限界まで後に下げる。
「この車でも秋月くんには狭いのか。車の運転、大変そうだね。」
「そのうち、でっかい外車を買いますから。」
もう少しお金が貯まったら、近所の輸入中古車専門店に行ってみるつもり。夢は大きいほうがいいよね。
いやいや、そんなことより。
「それじゃあ、中武さん。話してもらえますか?」
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?
嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】
ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。
見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。
大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!
神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。
「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる