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琥珀色
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三層、四層と走り抜ける。
なんだかんだと言いながら、息も切らさずについてくるレンは流石だと思う。
距離としては一キロちょっと。すぐに五層への下り坂が見えてくる。
「見えてきた」
「ならペースを落とせ。もう十分だ」
その言葉に従ってゆっくりとペースを落としていく。
「まったく…。あんなに無防備に次の階層に飛び込むなんて…。何があるかわからないのがダンジョンなんだ。どんな時でも警戒を怠るな!」
仰る通りです。軽率でした。
「ごめん。気をつけるよ」
レンが、ふ~っと溜息をつく。
「だが、気持ちは嬉しい。気を使ってくれたんだろう?」
そうはっきり言われると照れるんだけど…。
「まあ、ね。それもあるけど早くボスと戦ってみたいってのもあるから」
少しだけレンの目元が険しくなる。
「強敵と戦うのは楽しいか?」
「ああ…うん。楽しい」
また溜息。さっきよりも深い。
「どうしてシュウイチさんが心配するのかがわかった…」
シュウイチさん?あ、中武さんか。
「ソウスケ。その考えは改めないと死ぬぞ。」
…わかってる。
「いつか必ず、自分の力ではどうにもならない敵と出会うことになる」
わかってるよ。
「そうでなくとも、本当につまらないことで命を落とす。それがダンジョンだ」
わかってるって。
「強敵と戦うことを楽しむ人間に待っている結末はひとつしかない」
わかってるんだよそんなことは。それでも俺はそうしたいんだ。
俺が全力を出せる場所はここしかない。俺が全力を出して認めてもらえる場所はここしかない。
自分の視野が狭まってる自覚はあるよ。
それでも自分の全てを出し尽くしたい。燃やし尽くしたい。それこそ消し炭になるまで。その結果がどうなったとしても…。
「君が死ねば悲しむ人もいるだろう。君のお母様は心配そうだったぞ。」
…親の話はするなよ。
「シュウイチさんも心配していた。だから無理をして私を呼び寄せたんだ。最初は二七英雄に声をかけたんだぞ、あの人は。」
本当に"協力者"を呼ぼうとしてたのか…。
まさかの予想が当たって思わず笑いが零れる。
「笑ったな。ふふっ、君も笑うんだな」
「それはさっきの仕返しか?」
「そうだよ。私を見てニヤニヤはしていたが、ちゃんと笑ったのは初めてだ。」
やめろよそれ。単なる変態みたいだろ。
「なんだ、笑うと可愛いじゃないか。身体は大きいが普通の男の子なんだな」
「その仕返しは悪趣味だろ!?」
そう言い返すけど、顔が火照ってるのがわかる。もうほんとやめろよ。
「あははっ。うん、すまない。けれど、そんなに生き急ぐな。先は長いんだから、私達は…」
肩にレンの白くて細い手が置かれる。俺を見つめる琥珀色の瞳。綺麗な色だな。
「わかったよ。ありがとう…」
「わかってくれたならいい。では五層に下りようか。準備はいいな?」
レンの手が離れる。
「ああ。」
短く答えて、二人で五層へと続く通路を下っていった。
なんだかんだと言いながら、息も切らさずについてくるレンは流石だと思う。
距離としては一キロちょっと。すぐに五層への下り坂が見えてくる。
「見えてきた」
「ならペースを落とせ。もう十分だ」
その言葉に従ってゆっくりとペースを落としていく。
「まったく…。あんなに無防備に次の階層に飛び込むなんて…。何があるかわからないのがダンジョンなんだ。どんな時でも警戒を怠るな!」
仰る通りです。軽率でした。
「ごめん。気をつけるよ」
レンが、ふ~っと溜息をつく。
「だが、気持ちは嬉しい。気を使ってくれたんだろう?」
そうはっきり言われると照れるんだけど…。
「まあ、ね。それもあるけど早くボスと戦ってみたいってのもあるから」
少しだけレンの目元が険しくなる。
「強敵と戦うのは楽しいか?」
「ああ…うん。楽しい」
また溜息。さっきよりも深い。
「どうしてシュウイチさんが心配するのかがわかった…」
シュウイチさん?あ、中武さんか。
「ソウスケ。その考えは改めないと死ぬぞ。」
…わかってる。
「いつか必ず、自分の力ではどうにもならない敵と出会うことになる」
わかってるよ。
「そうでなくとも、本当につまらないことで命を落とす。それがダンジョンだ」
わかってるって。
「強敵と戦うことを楽しむ人間に待っている結末はひとつしかない」
わかってるんだよそんなことは。それでも俺はそうしたいんだ。
俺が全力を出せる場所はここしかない。俺が全力を出して認めてもらえる場所はここしかない。
自分の視野が狭まってる自覚はあるよ。
それでも自分の全てを出し尽くしたい。燃やし尽くしたい。それこそ消し炭になるまで。その結果がどうなったとしても…。
「君が死ねば悲しむ人もいるだろう。君のお母様は心配そうだったぞ。」
…親の話はするなよ。
「シュウイチさんも心配していた。だから無理をして私を呼び寄せたんだ。最初は二七英雄に声をかけたんだぞ、あの人は。」
本当に"協力者"を呼ぼうとしてたのか…。
まさかの予想が当たって思わず笑いが零れる。
「笑ったな。ふふっ、君も笑うんだな」
「それはさっきの仕返しか?」
「そうだよ。私を見てニヤニヤはしていたが、ちゃんと笑ったのは初めてだ。」
やめろよそれ。単なる変態みたいだろ。
「なんだ、笑うと可愛いじゃないか。身体は大きいが普通の男の子なんだな」
「その仕返しは悪趣味だろ!?」
そう言い返すけど、顔が火照ってるのがわかる。もうほんとやめろよ。
「あははっ。うん、すまない。けれど、そんなに生き急ぐな。先は長いんだから、私達は…」
肩にレンの白くて細い手が置かれる。俺を見つめる琥珀色の瞳。綺麗な色だな。
「わかったよ。ありがとう…」
「わかってくれたならいい。では五層に下りようか。準備はいいな?」
レンの手が離れる。
「ああ。」
短く答えて、二人で五層へと続く通路を下っていった。
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