天から二物も三物も与えられ過ぎた俺がダンジョンで青春を取り戻す

黒丸

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初恋は実らない

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 どれだけ俺がへこんでようと、太陽は昇るし誘いは来る。

 しかもそれが初めて5人で潜ろうって誘いなら断るわけにもいかない。

 初恋は実らないっていっても一日で終わるなんて酷すぎるよ神様。

 とぼとぼと一時間以上かけて歩いてきたダンジョンの駐車場は、結構な量の車が止まっていた。

 ダンジョンが正常化したから、みんな気合いが入ってるんだな。俺はこんななのに。

 掃討作戦で見知った人もいるので、挨拶をしながら出張所へと向かう。

 みんな俺をみてぎょっとしてるよ。とりつくろう余裕がなくてすいません。

 これからダンジョンに潜る人ばかりで用がないせいか、出張所のプレハブの中はがらがら。あ、真だ。

「あ! 宗助くんおは…よぉ? え、どうしたの? そんな顔、初めて見たよ?」

あんまりな俺の様子に真が心配、というかいぶかしげに聞いてくる。

「だいじょうぶ」

「なんかひら仮名っぽいよ。なにかあった?」

「しつれんした」

「え?」

「失恋したあぁ」

「えええええええ!?」

 なんだよその反応。俺が失恋したらおかしいか!

「失恋!? 失恋したの!? 嘘でしょ!? 宗助くんが? 誰に? それより好きな人いたの!?」

 真が騒ぐせいで周りの人がこっちを気にしだす。

加奈さんと櫻子さん、めっちゃこっち見てるし。中武ええええ! お前にやにやすんなああああ!

「なんだ、どうした?」

「おはよう……。なにがあった……?」

「なんかめっちゃ人集まってんだけど。なにやってんのよ」

 どかどかと出張所に入ってくる勇一さん達。外を見ると確かに人が集まってる。掃討作戦で見知った人ばっかりだ。

「すいません、おはようございます……」

「ほんとにおかしいな……。どうした……?」

「ほんとにってなんですか?」

「お前の様子がおかしいってな。みんな心配してるんだ。なにかあったか?」

 みんな優しい。掃討作戦で頑張ってよかった。でもこんな状況じゃ言えないです。勇一さん。

「それが、宗助くん失恋したって」

まことおおおおおお!?

「はい、かいさ~ん。失恋しただけっすから~。心配おかけしゃっした~」

 やめろおおおおお! 春人さんやめてええええ!

 恥ずかしすぎる。俺が何したっていうんだ!

 隠れる場所も無いから顔を覆って座り込むしかない。 

「宗助……。俺も振られたばかりだ……」

 ちがう、耕介さん。俺がいま欲しいのはそういう言葉じゃないんです。

「あの、よかったら休憩スペースつかいますか?少し落ち着けた方がいいでしょうし」

 いつの間にか隣に来ていた加奈さん。そういう気づかいがありがたいです……。

「ああ~、じゃあ甘えるか。ありがとうございます」

「加奈ちゃんありがと~」

「お借りします……」

 それぞれお礼を言って休憩スペースに向かう三人。

「宗助くん。ボクたちも行こう?」

 真に手を引かれて、俺ものっそりと動く。

「あ、宗助くん」

 と、加奈さんに呼び止められた。

「しばらくは辛いでしょうけど、ずっと辛いままではないですから」

「そうなんですか? 初めてなんで」

「そうなんです。だから、今はいっぱい落ち込んでください。そしたら次が見えますから」

 そっか、落ち込んでていいんだ。

「ありがとうございます。加奈さん」

「はい。いつも言ってるけど、無理しちゃだめですよ?」

 そう言って、俺の背中をぽんぽんとしてからカウンターに戻る加奈さん。

 恥ずかしい。けど、気遣いが嬉しい。

 いつも加奈さんは染みる言葉をくれるなぁ。

「宗助くん、ちょっと立ち直ってない?」

「うん」

 ちょっと元気でた。

 え、なんで真も撫でるの?

「ボクも撫でてあげる。元気でた?」

「あ、ありがとう、真」

 いや、うん。なんか違うと思うんだけど。



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