54 / 54
第3層へ
しおりを挟む
話をして気持ちが軽くなったとはいえ、正直、傷口に塩をすり込まれたような気分。
その鬱憤をダンジョンで晴らす、といきたいところだけどそうはいかないんだよね。
ダンジョンの魔物は貴重な資源。特に低階層の魔物は先へ進むのが難しい探索者の貴重な生活費になるわけで。
俺なんかがストレス解消で乱獲してたら大顰蹙をかってしまう。
それに、倒したら魔石回収しないといけないのもめんどくさい。もう最下級の魔石は値段が下がり始めてるらしいし。
そんなわけで、倒すゾンビは必要最低限。基本は無視してどんどん先へ進む。
「こいつは、移動が大変だな」
と、後ろでぼやく勇一さん。
「自転車もってきたらいいんじゃね?」
「こんな場所で乗る勇気はないな……」
「俺もないです」
今日の目的地の3層まで大体2キロ。乗りたくなる気持ちはわかりますけど。
でも、これから階層が深くなるたびに移動距離はどんどんのびるんだよね。
「真、大丈夫?」
「うん、大丈夫。ちゃんとジョギングとかしてたんだから」
俺達のペースに合わせるために、早足で俺の隣を歩く真。
ほんとに体力ついたなぁ。俺達に比べて荷物が少ないとはいえ、公衆のころからは考えられない。
「頑張ってるよね、真」
「えへっ、うん!」
嬉しそうにはにかむ。う~ん、小学生くらいにしか見えない。
そういえば、いつの間にか機嫌よくなってるな。
「あ、宗助くん、2層の入り口見えたよ!」
「ほんとだ」
通り抜けるだけとはいえ、2層も初めてなんだよね。1層とほとんど変わらないらしいけど。
「流石に緊張してきたな」
「そうだな……」
振り向くと、3人が固い表情で機動隊が持ってそうな大盾を担ぎなおす。
今日のメインは勇一さん達だからな。やっぱり緊張するんだ。
「やばい時は宗助がいるし余裕っしょぉ」
と思ったら、春人さんは春人さんだった。こういうとこすごいよね、この人。
ん?
あ……。
「そうですよ。危ない時は俺がフォローしますから!」
ガチガチじゃないですか春人さん。
そうだよね。3層から危険度が跳ね上がるわけだし。
ゾ○ビがドー○オブザ○ッドにリメイクされる感じ。端的に言うとゾンビが走るらしい。全力で。
そのまま体当たりされるだけでも危ないし、走れるなら力も強くなってるはず。組み付かれたらもっと危ない。
5層までと違って、死の危険がついてくる。そう。負けたら死ぬんだ。
怖くない訳がない。俺もあの時、怖かった。
よし。フォロー、頑張らないと。
「宗助くん、どうしたの?」
真が少し心配そうだ。
「ん、いや、ちょっと気合入れてた」
「宗助くんでも緊張するんだ?」
「そりゃするよ。けど、なんか真は余裕あるよな」
一番緊張しそうなイメージなんだけど。
「ボクは後衛だもん。それに皆のこと信じてるし」
「言うなあ」
ほんとに変わったなぁ、真。
ついこの間まで、あんなに弱弱しかったのに。
「真にそこまで言われたらな」
「無様は晒せんな……」
いい感じに気合が入ったらしい。
「まっ、今日は宗助の出番はねえな!」
「期待してます」
その鬱憤をダンジョンで晴らす、といきたいところだけどそうはいかないんだよね。
ダンジョンの魔物は貴重な資源。特に低階層の魔物は先へ進むのが難しい探索者の貴重な生活費になるわけで。
俺なんかがストレス解消で乱獲してたら大顰蹙をかってしまう。
それに、倒したら魔石回収しないといけないのもめんどくさい。もう最下級の魔石は値段が下がり始めてるらしいし。
そんなわけで、倒すゾンビは必要最低限。基本は無視してどんどん先へ進む。
「こいつは、移動が大変だな」
と、後ろでぼやく勇一さん。
「自転車もってきたらいいんじゃね?」
「こんな場所で乗る勇気はないな……」
「俺もないです」
今日の目的地の3層まで大体2キロ。乗りたくなる気持ちはわかりますけど。
でも、これから階層が深くなるたびに移動距離はどんどんのびるんだよね。
「真、大丈夫?」
「うん、大丈夫。ちゃんとジョギングとかしてたんだから」
俺達のペースに合わせるために、早足で俺の隣を歩く真。
ほんとに体力ついたなぁ。俺達に比べて荷物が少ないとはいえ、公衆のころからは考えられない。
「頑張ってるよね、真」
「えへっ、うん!」
嬉しそうにはにかむ。う~ん、小学生くらいにしか見えない。
そういえば、いつの間にか機嫌よくなってるな。
「あ、宗助くん、2層の入り口見えたよ!」
「ほんとだ」
通り抜けるだけとはいえ、2層も初めてなんだよね。1層とほとんど変わらないらしいけど。
「流石に緊張してきたな」
「そうだな……」
振り向くと、3人が固い表情で機動隊が持ってそうな大盾を担ぎなおす。
今日のメインは勇一さん達だからな。やっぱり緊張するんだ。
「やばい時は宗助がいるし余裕っしょぉ」
と思ったら、春人さんは春人さんだった。こういうとこすごいよね、この人。
ん?
あ……。
「そうですよ。危ない時は俺がフォローしますから!」
ガチガチじゃないですか春人さん。
そうだよね。3層から危険度が跳ね上がるわけだし。
ゾ○ビがドー○オブザ○ッドにリメイクされる感じ。端的に言うとゾンビが走るらしい。全力で。
そのまま体当たりされるだけでも危ないし、走れるなら力も強くなってるはず。組み付かれたらもっと危ない。
5層までと違って、死の危険がついてくる。そう。負けたら死ぬんだ。
怖くない訳がない。俺もあの時、怖かった。
よし。フォロー、頑張らないと。
「宗助くん、どうしたの?」
真が少し心配そうだ。
「ん、いや、ちょっと気合入れてた」
「宗助くんでも緊張するんだ?」
「そりゃするよ。けど、なんか真は余裕あるよな」
一番緊張しそうなイメージなんだけど。
「ボクは後衛だもん。それに皆のこと信じてるし」
「言うなあ」
ほんとに変わったなぁ、真。
ついこの間まで、あんなに弱弱しかったのに。
「真にそこまで言われたらな」
「無様は晒せんな……」
いい感じに気合が入ったらしい。
「まっ、今日は宗助の出番はねえな!」
「期待してます」
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(4件)
あなたにおすすめの小説
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?
嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】
ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。
見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。
大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!
神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。
「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
これは失恋と言うのかね??
言わない気がします!
218cmってとある伝説のスレのやつでは…
申し訳ありません!その元ネタを知りませんでした!
雑にgoogleで調べて設定しただけなんですよ…
読み始めに気になって…
日付等の数字が右向いたり左向いたりして表示されてます…
自分のケータイの問題でしたらすみません💦
すいません、気づいてませんでした。
縦書きの方ですよね。
調べて訂正します。
指摘いただきありがとうございます。