異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件

暮伊豆

文字の大きさ
29 / 240
第1章

29

しおりを挟む
今日も今日とて魔力放出だ。
最近はただ放出するのがもったいなくて箱の中に集めたり、革袋に集めようとしている。
しかし魔力は気体ではなかったようで、箱も袋も透過してしまって集められない。

そこで別アプローチ、庭の木に流し込んでみた。
母上が私に経絡魔体循環を施すように木に魔力を流し込んでみた。
変化などないが、木は透過しなかった。
箱と木の違いがよく分からないが、生きてるかどうかの違いなのか?

でもまあ所詮は木だしな。
しばらく続けてみるのも面白いかも知れない。

他には放出した魔力を手の周辺に留めておけないか試してみたが、今のところできない。
煙を空気中に留めておけないのと同じかも。

また、地面に流してみたが、特に変化はない。
しかし大気中に湧き上がってはこなかった。
経過が気になるので、地面の同じポイントに流し続けてはいるが。


しかしそんなことはただの副産物だ。
大事なのは体内の最大魔力が増加しているということだ。
始めた頃は全力で放出したら二十秒ぐらいで空になっていたが、今では一分ぐらいかかる。
しかも放出の速度が段々と上がっているにも拘わらずだ。

これに関しては到達目標はない。
だから気楽にできるというものだ。
次の誕生日にはどれだけ母上が驚くことやら、ふふふ。



そうそう、魔物の襲撃だが冬虫夏草のやばいバージョンのキノコが原因らしい。
正確には分かってないようだが、その説が有力らしい。
やはり魔境は怖いな。






「原因は特定できんか……」

「申し訳ありません代官閣下。全て焼き尽くしたため、進行ルートも途中までしか特定できておりません。」

「ふむ、それは前任者の指示らしいな。無能を責めても仕方なきことよ。冒険者もろくな証拠を持ち帰ってないらしいな。」

「そ、そうです。ヘルデザ砂漠まではルートの特定ができたそうですが、そこで途切れていたそうです。」

「ふむ、もしもパラシティウムダケが原因でないとしたら他にどんな可能性がある?
魔境の恐ろしさを考えれば他にあのように魔物を操る何かがいてもおかしくなかろう。
前任者はそこまで踏み込んでいたのか?」

「申し訳ありません、私、魔境のことはあまり分かっておりませんので詳しい者に聞いて参ります。
また、他の可能性につきましては仮説はいくつかあったようですが、全て可能性がないとのことでした。」

「そうか、ならばよい。
後でその経緯が分かる書類を持ってくるように。」

「御意にございます。」

新任の代官、レオポルドン・ド・アジャーニ子爵である。
名門アジャーニ公爵家の出でありながら以前より辺境に赴任することを熱望していた。
地位に拘りはなかったし、クタナツでなくとも領都でもよかった。
しかし本人の希望と公爵家の面子がようやく釣り合い、クタナツ代官として赴任した次第だ。

収まらないのは若い騎士達だ。
彼が前任のフィリップを無能と扱き下ろす場面を何度か見ているためだ。
彼は辺境を志すだけあって無能とは程遠い人間である。
それだけに他人のアラが見えて仕方ないのだ。
また、歯に衣着せぬ物言いをするため公爵家の七光りと思われているようだ。

彼の任官はクタナツにとって吉となるか凶となるか……
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

処理中です...