鹿威し

おおつな

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山清水ーにー

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 授業中も休み時間も噂で溢れかえっていた。皆がニヤニヤしてこっちを見ている。いつもは普通に喋っていた友達まで近づいては来ず、ヒソヒソ話している。
 (本当に面倒くさい。アイダ君に対してそんなこと考えたこともないのに。最悪だ。マユ許さん!。)
 ジリジリと増えていく不快感を抑えながら放課後になるまで自分の席にずっと座っていた。
 「なんで断ったの!?。いいじゃんアイダ君。結構人気あるんだよ。」
 帰り道、マフラーを巻きながらそう言うマユを見ていると、不快感は少し治まった。
 「あんまりタイプじゃないし。そもそも、そーいう感じで見たことなかったし。」
 「いっつも一緒に喋ってたから、ミナはアイダ君のこと絶対好きなんだって思ってたんだけどなぁ。」
 「あれはアニメの話で盛り上がってただけ。」
 ペラペラと男子と趣味の話で盛り上がっていた自分の軽率さに気づき、少し自分に怒りが湧いた。
 「でも、もうすぐ受験だし、今更告白するのもおかしくない?。」
 「だからこそって事でしよ!。」
 確かに。
 「噂で聞いたんだけどぉ、他校に好きな人いるって言ったの?。」
 「うん、言った。」
 マユは噴き出した。
 「嘘つかなくてもいいのに。可愛そうじゃんアイダ君。」
 「半分嘘。半分ホント!。」
 若干真剣な面持ちで言うと、マユは食い入るように私を見てきた。
 「ホントなの?。誰!?、誰なの!?」
少し言いたがりな癖が裏目に出た。マユは一旦気になると大変にしつこいのだ。厄介なことになった。
 「なんて名前の人?。最初の一文字でいいから教えてよ、ね?」
 マユの家に着いたが、今言わないと私の家までついてきそうだったのでマユが言いふらさないと信じて頭一文字だけ言うことにした。
 「ま」
 マユは嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。
 「うわぁ。マジかぁ。」 
 「じゃあね。もう満足でしょ!。」
私は思いがけなく面白いことが起きたと思っているらしいマユと別れ、足早に家に帰った。
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