血に濡れた約束は廃墟に眠る

まちにゃ

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出会い

休息とは

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──レヴィア視点──

夜。
ガキ――マチルダと同じ布団で寝るようになって、どれくらい経ったか。
最初の頃は明らかに緊張してて、目を閉じても絶対に眠ってねぇのがわかった。
だが今は…ほんの少し、呼吸が深くなった気がする。わずかだが。

「……いつまで続けるの? これ」
横からマチルダがぼそっと呟く。

「お前がちゃんと熟睡できるようになるまでだ」
「そんな日は来ないよ」
「言ってろ」

強がりか、本気か。いや、たぶんどっちでもない。ただの“事実”として口にしたんだろう。
レヴィアはふっと息をついて目を閉じた。

──翌朝。

何気なく寝返りを打った瞬間、隣のマチルダに触れた。
体温が……やけに熱い。
ただの寝起きとは思えない体の火照り方だった。

「レヴィア、もう朝だよ」
普段と変わらない声。でも、わずかに掠れていた。

「……動くな」

手を伸ばして額に触れる。
熱い。
いや、これは相当だ。吐き気や眩暈があってもおかしくないレベル。

「……酷い熱だな。今日はここで寝てろ」

そう言って立ち上がろうとすると、布団の中でマチルダの声が漏れた。

「……なんで?」

その問いに、レヴィアの足が止まる。

「は? なんでって……お前なぁ……」

振り返ると、マチルダは本気で不思議そうな顔をしていた。問いの意味すら、分かっていないような。

「熱出たら寝てなきゃダメなの?」

それが普通の反応かもしれない。でもこの子には「普通」がねじ曲がってる。

――どんなに高熱が出ても、動け。
――寝込むのは甘え。
――体が壊れたら、それは自分のせい。

きっとずっと、そう刷り込まれてきたんだ。

「……当たり前だろ。熱が出たら体を休めるもんだ」

抑えた声で言うと、マチルダはきょとんとした表情を浮かべ、しばらく黙っていた。

「そうなんだ……」

ぽつりと呟いて、すとん、と布団に横になる。

「……レヴィアがそう言うなら、休む」

そう、まるで初めてそれを教わった子供のように。

レヴィアは額を冷やすタオルを取りに行きながら、ぎりっと奥歯を噛み締めた。

「……クソみてぇな環境で育ちやがって」

けどもう、あの頃のお前じゃねぇ。
ここにいる間は、ちゃんと体も心も休めるってことを――覚えさせてやるよ。
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