香しきファンタジー、汝の名はなろうなり

インペラトール

　さて、表題の件なのですがなんのこっちゃいな？　と思った人もいると思います。
　
　今回はなろうにおいては余り馴染みがありませんが、「皇帝」について考察して行きたいと思っていますので、お付き合いお願いします。

　「皇帝」とはエンペラーとも言いますが、その定義は西洋と東洋で異なりますね。
　西洋の皇帝の源流は古代ローマまで遡ります、初代皇帝アウグストゥスが元老院よりインペラトールに任命されたのですが、これがエンペラーの語源になりました。

　その意味は「最高司令官」となるのですが要するに皇帝とは元々、軍のトップの事を指し示していたのです。
　ここでタイトルを華麗に回収して（してねーよ）話を続けますが、ぶっちゃけ国で誰が一番強くて偉いのかというと軍を束ねている人だよね、という身も蓋も無い話なのです。

　しかし、そのローマ皇帝も後の世にキリスト教を国教とした時、同宗教の守護者という意味合いに変わりました。
　
　一方の東洋における皇帝とは、中華思想において中国が世界の中心でありその支配者が皇帝と呼ばれます。
　諸国の王を束ねる者であり、そのトップに君臨している訳ですがその意味合いの強さで言えば、東の皇帝の方が偉いと言えますね。

　因みに日本の天皇もエンペラーなのですが、ここで取り上げると長くなってしまうので、割愛します。
　
　上記の点を踏まえてなろうの皇帝について述べて行きますと、こちらは別に軍の最高司令官でも無く、国教の守護者でも無く、世界の支配者でも多くの国を従えている存在でも無いように思います。

　ここまで語っておいてなんですが、なろうにおける皇帝とは「とにかく何かすっごく偉い人」になるのではないでしょうか…。　
 　このふわっ、としている所がまた何とも言えないですが、それもまたなろうの魅力なのでしょうね。

　…以上です、それではまた次回お会いしましょう。