不要な見張りは何を見る?

白慨 揶揄

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出会い斡旋 反組織

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 声が途切れた直後、轟音と共にローマンが姿を見せた。僕が出来なかった暴力を振るう男性の間に割って入る。
 空中から現れた巨体を見て、男たちは腰を抜かして後ずさる。

「お、お前は――ローマン!! なんで、この場所に!!」
「さあ、なんでだろうね。ただ、まあ、あんまりやり過ぎるのは良くないよ。ここまでやると、流石に苛立つからさ」
「……っち、後で、きっちり回収するからな!!」

 黒服達は逃げるように言葉を残して去って言った。腰は抜けたままなので、後ろ向きで4足歩行だった。
しかし、まあ、現れるだけで解決するとは、流石は王国最強の戦士――ローマンである。

「全く。困ったもんだよ。でも、まあ、国に根付いた【裏】はそう簡単には取れないからね。地道にやってくしかないよね、ソウちゃん」
「かもね。忙しいのに呼び出して悪いね」
「全然。そろそろ動こうと思ってたからね。【出会い斡旋所】の件に関しては」
「へ?」

 キアカもそうだったが、どうやら【出会い斡旋所】に関しては王国兵団も調査はしているようだった。それでも表立って動けないということは、きっと、【裏】と王国兵団には何か軋轢があるのだろうか?
 聞き返す僕にローマンが言う。

「え、ソウちゃんは知っててここに居たんじゃないの?」
「あー、いや。そこまでは……」
「実はさ」

 ローマンは経緯を話始める。
 この酒場と【出会い斡旋所】は反王国組織である【巌窟《がんくつ》】が経営しているのだと。
 彼らは【出会い斡旋所】で男を釣り上げ、ありとあらゆる方法で金銭を巻き上げていた。
 一度、針に掛かれば骨まで搾り取るらしい。
 その被害にあった男性達の数は相当数に登るのだが、女性に弱みを握られてしまったがために、被害を大声で言えないらしい。

「いや、被害者なんだから、素直に助けを求めればいいじゃん」
「そういう訳には行かないんだよ。被害にあった男性たちはパートナーがいたりする人が殆んど。騒ぎ立ててバレたら自分が困るんだよ」
「自業自得になってるわけだ」
「うん。それを見込んでのこの商売なんだろうけどね」

 だとしたら、思いついた人間は相当頭が切れると言える。

「それで、ソウちゃんは何を調べてたの」
「それがさ、俺の知り合いの高校生がここに来ててね。話を聞くとかなりヤバイことに飛び込んでるみたいだ」

 ただの色恋かと思っていたがそうも行っていられなくなった。

「かなりヤバいよ。ここの【出会い斡旋所】の女性は殆どが【巌窟】の関係者。真面目な恋愛になんて発展するわけがない」
「ここの酒場がヤバい時点でそんな気がしてたよ」
「流石、ソウちゃん」
「いや、気付くのが遅かったよ……」

 本当に、互いに行為を抱いているのであれば、いきなり暴力が始まる店に入る訳がない。【狩人】までして毎日稼いでいて時点で気付くべきだった。
 稼ぐ金額が多すぎたのだ。
 その答えは違法な金額を請求する酒場に連れてこられていたから。なにより、厄介なことに恐らく、エガミは相場を知らない。
 ただ、好きになった相手を喜ばせるためにひたすら働き続けていたのだ。
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