ダンジョン入るの面倒臭いから、ボスここまで呼んで〜究極接待ゲームライフ

RYOMA

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キャラメイキング

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「出入り禁止になっちゃったじゃないですか! あそこは私の経済能力でいける最高の店だったのに~」
「そんなのは知らん! またいい店を探せばいいだろう」
「そんな~」
女神は頭を抱えて本気で悲しんでいるようだが、そんなのは知ったことではない。

「ふう──こうなったら稼げる時に、できるだけ稼ぐしかありません! プレイヤー様! 今すぐキャラメイキングをしましょう!」
「なぜ、そんな話になるのだ」
「私の歩合の報酬は、プレイヤー様の進行フラグの発生毎に貰えるんです! キャラメイキング終了時、チュートリアル終了時、ミッション終了時など、先に進めば進むほど歩合も大きくなります!」
「なるほど……話は分かった──だが、断る!」
「えー! どうしてですか~」
「面倒くさいから、そして俺になんのメリットもないから」
「なんと分かりやすい理由ですか! ぐうの音も出ませんよ!」
「俺はこのゲームを楽しみにきたんじゃない! ただたんにサボりにきただけだ! だから面倒なことは一切お断りだ」
「うう……ゲームをしないのにゲームの世界にやってくるプレイヤー様がいるとは……わかりました、こうしませんか、私の権限が許す限り、なるべく面倒な作業は省略しまして……そしてこれまた私の権限でできる限りですが、プレイヤー様がこの世界でやりたい事を全力でサポートさせていただくといった特典を付けますので──ですから、プレイヤー様にはほんの少しだけゲームの進行を協力していただければと……」
「ほう、悪くない提案だが具体的にどんなことができるのだ、さっきまでのお前を見ていると大した権限は無さそうだが──」
「そうですね……オブジェクトの簡単な操作とか、下位NPCへの行動要請とかでしょうか……」
「行動要請とはなんだ」
「NPCにこうしてくださいとお願いするのです」
「それでNPCたちは言うことをきくのか?」
「要請次第ですね、納得すればちゃんと言うことを聞いてくれます」
「……いや、それ、権限でもなんでもないんじゃないのか」
「まあ……そうとも言います……」
「ふっ……まあいい、お前には期待できないと言うことがわかった、ならばこうするのはどうだ、今日からお前は俺の忠実なる下僕になると言うのは、そうすればほんのちょっと、ミリ単位でゲーム進行を協力してやろう」
「下僕ですか! ちょっとそれは……」
「言っておくが、このゲーム、サービスが終了しているので、いつまで待っても他のプレイヤーはログインしてこないぞ」
「わっかりました! 今から女神リンシャンテンはあなたの下僕です!」
「……以外にプライドないなお前……」
「背に腹は代えられません!」
ということになり、面倒臭いが、キャラメイキングとやらをしてやることになった。
「それではまずは外見から作成しましょう! このゲームのキャラ作成はかなり自由度が高く、どんな希望の姿もお手の物ですから理想の自分を作成できますよ! さぁ、どんな感じにしますか」
「このままでいい」
「──……え? あの……カッコいい有名人に似せたり、好きなアニメキャラになりきったり──やりたい放題なんですが……」
「必要ない、このままの姿で問題ない」
「いや……せっかくカッコよくなれるんですから……」
「貴様……まさか、今の俺のこの姿がカッコよくないと思っているのか?」
今の俺の姿は、SVRマシーンのスキャン機能で現実世界の姿が投影されている、それをカッコよくないとは下僕のくせに生意気だ。
「あっ、いえ! 今のままでも十分カッコいいですよ!」
「だったら問題ない、このままでいく」
「は……はい……」
「次はキャラネームを決めて下さい」
「健作だ」
「漢字ですか?」
「そうだ」
「これでいいですか?」
「賢作ではない! 健作だ!」
「ちょっとここに入力してくださいよ」
リンシャンテンは空中に立体的に表示されている電子パネルを差し出してそう言った。
「面倒くさい奴だな……ほら、これでいいだろう」
「ありがとうございます──」
「次はスタータスの割り振りですがどうしますか、力と体力を上げて近接戦闘タイプにするか、知恵や魔力を上げて魔法使いタイプにするか、はたまた両方を平均的に上げて魔法剣士タイプにするか……」
「適当でいい」
「え! 適当ですか! 初期ステータスは結構大事ですよ! ここは真面目に考えた方が……」
「だから、真面目に考えて適当に割り振ると決めたのだ、考えてもみろよ、現実世界、自分のステータスを自由に割り振るなんてできないだろ? 適当に割り振られたステータスが自分のステータス──それでいいじゃねえか──」
「はあ……それではランダムで割り振りしますね」
「次は初期スキルですが……」
「適当でいい」
「はい……」
「初期装備はどうしますか、剣とか槍とか色々選べますが……」
「お金がいい」
「お金ですか! 武器はいらないんですか?」
「世の中、金だ、金があればどうにかなる」
「さすがに武器は必要だと思うんですけど……武器があればモンスターを倒してお金も稼げますし……」
「じゃあ、武器とお金」
「わかりました……それでは短剣と100Gを所持ボックスに追加します」
「よし、キャラメイキングは終わりだな、金も入ったし、遊びにいこうぜ」
「あっ……次はチュートリアルをお願いしたいのですが……」
「チュートリアルって操作説明するやつだよな?」
「はい、そうです」
「残念だが、俺は説明書読まない派だからパスだ」
「え! そんな……チュートリアルの終了にはいろいろ特典が……」
「いいからいくぞ、下僕」
「私の事、下僕って呼ぶんですか!」
「他に呼びようがないだろう」
「リンシャンテンがいいんですが……」
「長い! 却下!」
そんな俺の言葉に、下僕女神は不満そうにブツブツ言っているがそんなのは無視である──下僕に気を使う必要などないからな──
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