ジリ貧迷宮主が教える──ハーレムダンジョンの作り方

RYOMA

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ダンジョンウォー

作戦会議

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少しでも時間が惜しかったので、帰りは天馬艇と呼ばれる交通手段を使用した。これは馬車の数十倍の速さで移動できる交通手段で、なんと、空を飛ぶ天馬数十匹で、大きな飛空挺のようなものを引いて空を飛ぶ乗り物であった。行きもこれを使えばよかったと思うかもしれないが、この乗り物、信じられないくらい高額である。なんと一人50万ゴルドもするのだ。さすがにビンボーな俺たちにはちょっと簡単には乗れない乗り物であった。

「すげえ、本当に飛んでるよ」
「主! よく見とけよ、無茶苦茶たけー乗り物なんだからよう。記念だ記念」
「何貧乏臭い事言ってるですの」
「うるせえ、もう乗れないかもしれねんだぞ」

行きは七日もかかった旅路も、帰りは空をひょいと移動して、1日でアルマームへと到着した。そのまま急いで我が家へと戻り、事の次第を留守番のみんなに報告する。

「何やってるの紋次郎! そんな変な勝負受けてきて・・・リンス! あんたが付いていてどうして回避できなかったの!」
デナトスの雷が俺たちに直撃する。
「ごめん・・言い返す言葉もないよ」
「申し訳ありません・・・」
「はははっ反省しろよ主、リンス」
「あんたも同罪よポーズ!」
「何でだよ、俺は評議会には行ってないぞ」
「言い訳しない! そこに正座!」

確かにポーズに責任はないように思うけど、まあ、日頃の行いの悪さかな、一緒に怒られてしまう。

「さて・・受けてしまったものは仕方ないので勝つことを考えましょう」
「そうじゃのう、内容を聞いてると、どう考えてもわしらに不利じゃからのう、ちょっと作戦を練らんとダメじゃろう」
「それで私らの味方になるマスターって何者なの?」
「ランティークさんとおっしゃる方なのですが、このアルマーム近くに領地を持つ貴族との話で、領地内に5つのダンジョンを所有しているそうです」
「まあ、どんな人間かは知らないけど、今回ばかりは助かるわね」

具体的に作戦を考え始めて、今回の戦いがいかに厳しいものか浮き彫りになってくる。
「ちょっとこの地図を見て・・・敵のダンジョンの位置と味方のダンジョンの位置をまとめてみたんだけど・・・」
それを見ると敵のダンジョンが広範囲にバラけてるのに対して、こちらのダンジョンが比較的まとまってあるのがわかる。

「これだけバラけてると、移動の時間だけでも相当かかるぞ・・・」
「これはパーティーをなるべく多く分ける必要があるわね」
「にしても人数自体が少ないですから、そんなに多くのパーティーは作れませんよ」
うちのメンバーは十四人・・・ニャン太とグワドンを除くと十二人しかいない。この人数でパーティーをどう作るか・・・
「敵ダンジョンの攻略だけ考えてもダメですよ、こちらのダンジョンが攻略されたら元も子もないですから、守りも考えないと」
「そうだよな、本来ならアスターシアやリリスを守りに置いとけば、すごく安心できたんだけど」
「仕方無え、前に作った鉄魔神を量産するってのはどうだよ」
ポーズのその案に、デナトスが深いため息をついてこう答える。
「あのね、どこにそんなお金があるのよ、あの子たちは高いのよ」
確かにうちにもうそんなお金はない。なんとかお金をかけないでダンジョンの難易度を上げないといけない。

「そうだわ、ドラゴンは守りに配置しても大丈夫よね」
「ルール上問題ないです、まさかリュヴァに?」
「あの子は龍神王の娘でしょう、下手なドラゴンより戦闘力あるんじゃないの?」
「ダメだよ・・・リュヴァはまだ子供だよ、そんなことさせられない」
そんな俺の気遣いをリュヴァは嬉しく思ってくれらのか、ぎゅっと俺の腕を握って、こう言ってくれた。
「リュヴァ・・大丈夫・・戦えるよ、紋次郎の役にたつ」
「リュヴァ・・」

「よし決まりだ、守りの要はリュヴァに頼むとして、あとはグワドンもどうにかしないとな、装備での強化だけではちょっと心細いだろうよ」
「それには僕に考えがあるんだけどいいかい」
珍しく、ニャン太がそう言してきた。
「今回、ルール上、僕は戦いに参加できないみたいだから、他で協力させてもらおうと思うんだ。まず、グワドンだけど、僕の力で大幅に能力を上げることができる」
「え、そんなことできるの?」
「できるよ、でも一つ問題があるんだ。急激に肉体を変化させるから、ものすごい激痛を伴う、それは下手をすれば意識が壊れて廃人になる危険すらある痛みなんだ。だからそれをやるかどうかはグワドンに判断してもらいたい」

グワドンは何一つ迷うことなく、即答する。
「オレ・・・強くなる・・ニャン太・・・頼む」
「ダメだよグワドン、精神が壊れるかもしれないんだよ!」
「大丈夫・・・オレ・・・頑張る・・紋次郎・・・役にたつ」
「でもグワドン・・・・」
「紋次郎、心配するのはわかるけど、グワドンの意思を尊重しないとダメな時もあるよ。彼はそれを選んだ」
「・・・・・」
俺は何も言えなかった。確かにグワドンの意思ってものも尊重しないといけないとは思うけど・・・そんな危ないことして欲しくない。

「それじゃーグワドン、ボス部屋にでも行こうか。みんなに見せるもんじゃないからね」
そう言ってニャン太とグワドンは、ダンジョン内のボス部屋へと移動していった。俺は心配でついていこうとするけど、リンスたちに止められる。

「紋次郎様・・行かないほうがいいです」

しばらくすると、ボス部屋からグワドンの苦しみ叫ぶ声が響き渡ってきた。
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