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新時代を垣間見る一人として
【09-03】
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空いた小腹を満たすかどうかは棚に置いておいて、ホテル探索に行くことにした。
リンカーを胸ポケットに入れて玄関に立った僕は壁に貼られた姿見を見て思う。この服装で大丈夫か、と。シャツの裾をジーパンに入れてみる。うん。これでいいかな。ついでに、シャツの袖をまくった。
鍵を忘れないようにとホルダーから鍵を抜けば、洗面台の電気が消える。鍵をポケットに入れて準備は完了。いざ、冒険の旅へ!
-------
売店があるのが一階みたいだから一階から見ていく。売店では思っていた以上にお土産が多く、僕が欲しいものがない。お土産用のビスケットとかクッキーを買って食べるのはもったいないと思ってしまう。これは困ったと思いながらもエントランスを見るが外には出ない。ホテルの外に出るときは報告しろと言われていたし、ちょっと怖い。
二階に行くと雰囲気のあるカフェがあった。ここでサンドイッチでもと入り口前に置かれたメニューを見るがどれも値段が高い。高校生が小腹を満たすために入るようなお店ではありませんでした。
三階にはエステやシアタールーム、バーといったリラクゼーションを目的とする場所が多かった。
レストランはそれぞれの階にばらけていて、一応和食もあった。朝とかは和食がいいかな、とか考えては余計に空腹を感じていた。
四階からはパーティールームや僕たちが使っていた多目的室が点在していた。ジムなんかも四階だった。五、六階は同じようだったのでスルーした。
こうして見て回ると色々な施設がある。色々と見て回るが僕が求めるような簡単な軽食のお店はなかった。そういえば、一日三食と言っていたけど今日も三食分大丈夫なのかな。そしたら、こんなこと悩まなくてもいいのに。いや、僕はおまけのようなものだからちょっと遠慮しよう。
僕は軽食を諦めて部屋に戻ることにした。
-------
部屋に戻ってから僕は椅子に座ってリンカーをいじっていた。今は本庄さんから送られてきた情報を黒川と整理している。僕以外は明日今大会の運営本部に顔を出してから詳細な話し合い。大会当日のスケジュールの確認はもちろん、選手たちの滞在先や待遇、会場の警備等、確認する事項がつらつらと記らせている。僕が直接関係する情報ではないけれど、僕が日本チームの先乗りしているスタッフの一員であることは変わらないからね。万が一、なにか確認を求められたときに答えられるようにしないと。今まとめている情報のすべては覚えられないけど、こうしておけば黒川が教えてくれる。頼りになるAIだ。
情報の整理が終わった僕は掲示板でも見ようかなと思って、リンカーを操作しているとふと思う。ホテルの客に見られなければAR使ってもいいんじゃないか。僕はスーツのポケットに入れっぱなしにして忘れていたARグラスをを取り出しては掛ける。
「黒川、ARモードにして」
『ARモード。起動します』
瞬時に僕の視界が拡張される。メガネには時間だけしか出てないけどこれってカスタマイズできそうだな。リンカーに目を落とせばホーム画面がリンカーから飛び出して見える。
うーん。いまいち操作がわからないな。VRデバイスもリンカーも操作感は変わらなかった。だからこそ、直感的に使えるのだが、ARに関してはこれまで使ってきたものではない。本庄さんがARPCを操作していた時みたいにタッチでいいのかな。本庄さんもARモードの僕にARグローブはいらないって言ってたし。
ARで表示されたブラウザのマークを押してみればそれが選択される。すると、そのマークが一回り強調されて起動や削除といった選択肢が出てきた。
『ブラウザを起動しますか?』
「うん」
黒川がいるから別に手で操作しなくてもいいのか。でも、声に出さないと操作できないってのも問題だ。
その後もいろいろとARで操作をしていくけどなんとなくわかってきた。結論を言えば、VRデバイスやリンカーと操作方法に変わりはなさそう。ただARPCで使っていた操作方法を真似てみればそれも使えることが分かった。開いているウィンドウを摘まんで移動させられるのはとても楽だ。今まではバックグラウンドに回っていたソフトを同時に表示することもできた。慣れたら前のVRデバイスには戻れないなと確信を持ったあたりで掲示板を見ることにした。
ある程度操作も出来たからあとは黒川を使うことにする。あ、これってARPCみたいに情報を上に表示できないかな。今はリンカーを片手に空いた片方の手で操作しているけどこれを平面に置いてみたら。
目の前の大きなテーブルに置いてみる。リンカーを倒したら表示された情報が傾いて僕に見やすいように動く。これはと思って表示された情報を拡大していく。でも、これだとどうかな。情報が大きくなって見やすくはなった。でも、これが使いやすいかと言えば、うーむ。使いやすくはあるのかな。
僕の操作だとこんなものかな。後は黒川に聞くか。
「ねえ、これってARPCみたいに情報広げられないの?」
本庄さんが使っていたARPCは今のリンカー上の情報よりも多くの情報を出していたし、操作方法がリンカーの延長上にある今よりはもっと自由度があった。
『できるようです。情報を展開しますか?』
「おねがい」
僕が情報の展開をお願いするとリンカー上にあった情報がテーブル上に広がる。これはすごいな。時計や温度表示が単独のウィンドウになる。見ていたブラウザの形も変わった。直線だった線がちょっと丸みを帯びている。これはブラウザ自体が湾曲しているのかな。縦だったブラウザは横になって見やすい。これはもっとウィンドウ並べられそうだ。今は必要がないからしないけど。
「ほえー」
『ARでの操作は未だに開発者側でも議論されているようです。アップデートがあるたびに操作方法が変わる可能性は大いにあります』
それもそうだよね。キーボードとマウスが大発明だったのだ。ARがが普及すれば操作方法も多様化していく。そうなれば、よりよい操作方法が生まれるかもしれない。
とりあえずはこれでいいや。
「黒川。面白い情報さがして」
『今はどの掲示板でもイベントの話題が中心です』
どこで新しいアイテムが出ただとかイベント限定エネミーの弱点はこうだとか。レイドボスも空港にいたときよりも討伐数が増えていてボスドロップの情報が増えていてお祭り状態だ。レイドボスのドロップ装備もいくつか検証されていて、最難関のレイドボスのドロップは現状の最強装備のうちに数えられるかもという性能を見せているみたい。でも、公式大会での使用が禁止されていないみたいでどこかに落とし穴があるんじゃないかと検証が続けられているみたい。中には、バグじゃないかという声もあって今運営に問い合わせているというのが最新の情報だった。
掲示板を読んでいると、だんだんAWがプレイしたくなってくる。なんで僕はヘッドマウントデバイスを持ってこなかったんだろう。
「AWしたいなぁ」
『ホテル五階にVRルームがあります。そこでプレイできるのでは?』
「え? そんなのあった?」
『はい。奥の方にあるので気が付かなかったのでしょう』
「それって、行けばすぐに使えるの?」
『どうやら予約が必要なようです。今からだと二十三時頃から空きがありますが、予約しますか?』
「二十三時か。やめとこう。明日は?」
『明日は十二時から一時間だけ空いています。予約しますか?』
十二時から一時間。十二時だとお昼時だからその時間に予定を入れるのはやめた方がいいかな。お昼誘われたりしたら困るし。あ、これってどの時間でも呼ばれる可能性を考えたらAWなんてできないじゃん。
「いいや。AWはあきらめるよ」
『かしこまりました。VRルームは人気なようですね』
「そうだね。SWを仕事に使っている人も多いからね」
SWで海外の人と話すのは今では当たり前のことだ。海外の企業とちょっとした話し合いをSWで行うっていうのも当然当たり前。そう考えると、VRルームがあるホテルって人気なのかもしれない。ヘッドマウントデバイスを持って歩くの大変だから。海外出張なんかだと特にだろう。
『AWができないのは残念ですが、明後日にはVRテストの予定が入ってございます。そこで存分にプレイすればよろしいのでは?』
「うん。そうするよ」
黒川の言う通りだ。明後日にはテストプレイをしないといけない。うん。明日はVRを使わないで休憩するって思えばいいんだな。
ピコン。
「ん?」
リンカーから少し音が鳴ると同時に今メインで開いているブラウザの右上に辺りに重なるようにチャットが来たと表示された。
「チャット? だれからだろう」
表示されたポップアップをタッチしてみるとチャット画面が開く。
送り主は村山さんからで内容は今日の夕飯を一緒に食べないかというものだった。僕としてはうれしいお誘いだ。ホテルに入っているような料理店に一人で入ったことは当然ないのでちょっと不安だったのだ。
僕は誘いを受ける旨を返信してチャット画面を横に流しといた。ウィンドウを同時に展開できると、今みたいにチャットを横に開いたままブラウザを見るってこともできる。
返信はすぐ来た。ホテルに入っている和食のお店に十九時に集合。村山さんの名前で予約してあるそうだ。あと一時間と少しある。
僕は時間まで掲示板から情報を漁ってから指定されたレストランに向かった。
リンカーを胸ポケットに入れて玄関に立った僕は壁に貼られた姿見を見て思う。この服装で大丈夫か、と。シャツの裾をジーパンに入れてみる。うん。これでいいかな。ついでに、シャツの袖をまくった。
鍵を忘れないようにとホルダーから鍵を抜けば、洗面台の電気が消える。鍵をポケットに入れて準備は完了。いざ、冒険の旅へ!
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売店があるのが一階みたいだから一階から見ていく。売店では思っていた以上にお土産が多く、僕が欲しいものがない。お土産用のビスケットとかクッキーを買って食べるのはもったいないと思ってしまう。これは困ったと思いながらもエントランスを見るが外には出ない。ホテルの外に出るときは報告しろと言われていたし、ちょっと怖い。
二階に行くと雰囲気のあるカフェがあった。ここでサンドイッチでもと入り口前に置かれたメニューを見るがどれも値段が高い。高校生が小腹を満たすために入るようなお店ではありませんでした。
三階にはエステやシアタールーム、バーといったリラクゼーションを目的とする場所が多かった。
レストランはそれぞれの階にばらけていて、一応和食もあった。朝とかは和食がいいかな、とか考えては余計に空腹を感じていた。
四階からはパーティールームや僕たちが使っていた多目的室が点在していた。ジムなんかも四階だった。五、六階は同じようだったのでスルーした。
こうして見て回ると色々な施設がある。色々と見て回るが僕が求めるような簡単な軽食のお店はなかった。そういえば、一日三食と言っていたけど今日も三食分大丈夫なのかな。そしたら、こんなこと悩まなくてもいいのに。いや、僕はおまけのようなものだからちょっと遠慮しよう。
僕は軽食を諦めて部屋に戻ることにした。
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部屋に戻ってから僕は椅子に座ってリンカーをいじっていた。今は本庄さんから送られてきた情報を黒川と整理している。僕以外は明日今大会の運営本部に顔を出してから詳細な話し合い。大会当日のスケジュールの確認はもちろん、選手たちの滞在先や待遇、会場の警備等、確認する事項がつらつらと記らせている。僕が直接関係する情報ではないけれど、僕が日本チームの先乗りしているスタッフの一員であることは変わらないからね。万が一、なにか確認を求められたときに答えられるようにしないと。今まとめている情報のすべては覚えられないけど、こうしておけば黒川が教えてくれる。頼りになるAIだ。
情報の整理が終わった僕は掲示板でも見ようかなと思って、リンカーを操作しているとふと思う。ホテルの客に見られなければAR使ってもいいんじゃないか。僕はスーツのポケットに入れっぱなしにして忘れていたARグラスをを取り出しては掛ける。
「黒川、ARモードにして」
『ARモード。起動します』
瞬時に僕の視界が拡張される。メガネには時間だけしか出てないけどこれってカスタマイズできそうだな。リンカーに目を落とせばホーム画面がリンカーから飛び出して見える。
うーん。いまいち操作がわからないな。VRデバイスもリンカーも操作感は変わらなかった。だからこそ、直感的に使えるのだが、ARに関してはこれまで使ってきたものではない。本庄さんがARPCを操作していた時みたいにタッチでいいのかな。本庄さんもARモードの僕にARグローブはいらないって言ってたし。
ARで表示されたブラウザのマークを押してみればそれが選択される。すると、そのマークが一回り強調されて起動や削除といった選択肢が出てきた。
『ブラウザを起動しますか?』
「うん」
黒川がいるから別に手で操作しなくてもいいのか。でも、声に出さないと操作できないってのも問題だ。
その後もいろいろとARで操作をしていくけどなんとなくわかってきた。結論を言えば、VRデバイスやリンカーと操作方法に変わりはなさそう。ただARPCで使っていた操作方法を真似てみればそれも使えることが分かった。開いているウィンドウを摘まんで移動させられるのはとても楽だ。今まではバックグラウンドに回っていたソフトを同時に表示することもできた。慣れたら前のVRデバイスには戻れないなと確信を持ったあたりで掲示板を見ることにした。
ある程度操作も出来たからあとは黒川を使うことにする。あ、これってARPCみたいに情報を上に表示できないかな。今はリンカーを片手に空いた片方の手で操作しているけどこれを平面に置いてみたら。
目の前の大きなテーブルに置いてみる。リンカーを倒したら表示された情報が傾いて僕に見やすいように動く。これはと思って表示された情報を拡大していく。でも、これだとどうかな。情報が大きくなって見やすくはなった。でも、これが使いやすいかと言えば、うーむ。使いやすくはあるのかな。
僕の操作だとこんなものかな。後は黒川に聞くか。
「ねえ、これってARPCみたいに情報広げられないの?」
本庄さんが使っていたARPCは今のリンカー上の情報よりも多くの情報を出していたし、操作方法がリンカーの延長上にある今よりはもっと自由度があった。
『できるようです。情報を展開しますか?』
「おねがい」
僕が情報の展開をお願いするとリンカー上にあった情報がテーブル上に広がる。これはすごいな。時計や温度表示が単独のウィンドウになる。見ていたブラウザの形も変わった。直線だった線がちょっと丸みを帯びている。これはブラウザ自体が湾曲しているのかな。縦だったブラウザは横になって見やすい。これはもっとウィンドウ並べられそうだ。今は必要がないからしないけど。
「ほえー」
『ARでの操作は未だに開発者側でも議論されているようです。アップデートがあるたびに操作方法が変わる可能性は大いにあります』
それもそうだよね。キーボードとマウスが大発明だったのだ。ARがが普及すれば操作方法も多様化していく。そうなれば、よりよい操作方法が生まれるかもしれない。
とりあえずはこれでいいや。
「黒川。面白い情報さがして」
『今はどの掲示板でもイベントの話題が中心です』
どこで新しいアイテムが出ただとかイベント限定エネミーの弱点はこうだとか。レイドボスも空港にいたときよりも討伐数が増えていてボスドロップの情報が増えていてお祭り状態だ。レイドボスのドロップ装備もいくつか検証されていて、最難関のレイドボスのドロップは現状の最強装備のうちに数えられるかもという性能を見せているみたい。でも、公式大会での使用が禁止されていないみたいでどこかに落とし穴があるんじゃないかと検証が続けられているみたい。中には、バグじゃないかという声もあって今運営に問い合わせているというのが最新の情報だった。
掲示板を読んでいると、だんだんAWがプレイしたくなってくる。なんで僕はヘッドマウントデバイスを持ってこなかったんだろう。
「AWしたいなぁ」
『ホテル五階にVRルームがあります。そこでプレイできるのでは?』
「え? そんなのあった?」
『はい。奥の方にあるので気が付かなかったのでしょう』
「それって、行けばすぐに使えるの?」
『どうやら予約が必要なようです。今からだと二十三時頃から空きがありますが、予約しますか?』
「二十三時か。やめとこう。明日は?」
『明日は十二時から一時間だけ空いています。予約しますか?』
十二時から一時間。十二時だとお昼時だからその時間に予定を入れるのはやめた方がいいかな。お昼誘われたりしたら困るし。あ、これってどの時間でも呼ばれる可能性を考えたらAWなんてできないじゃん。
「いいや。AWはあきらめるよ」
『かしこまりました。VRルームは人気なようですね』
「そうだね。SWを仕事に使っている人も多いからね」
SWで海外の人と話すのは今では当たり前のことだ。海外の企業とちょっとした話し合いをSWで行うっていうのも当然当たり前。そう考えると、VRルームがあるホテルって人気なのかもしれない。ヘッドマウントデバイスを持って歩くの大変だから。海外出張なんかだと特にだろう。
『AWができないのは残念ですが、明後日にはVRテストの予定が入ってございます。そこで存分にプレイすればよろしいのでは?』
「うん。そうするよ」
黒川の言う通りだ。明後日にはテストプレイをしないといけない。うん。明日はVRを使わないで休憩するって思えばいいんだな。
ピコン。
「ん?」
リンカーから少し音が鳴ると同時に今メインで開いているブラウザの右上に辺りに重なるようにチャットが来たと表示された。
「チャット? だれからだろう」
表示されたポップアップをタッチしてみるとチャット画面が開く。
送り主は村山さんからで内容は今日の夕飯を一緒に食べないかというものだった。僕としてはうれしいお誘いだ。ホテルに入っているような料理店に一人で入ったことは当然ないのでちょっと不安だったのだ。
僕は誘いを受ける旨を返信してチャット画面を横に流しといた。ウィンドウを同時に展開できると、今みたいにチャットを横に開いたままブラウザを見るってこともできる。
返信はすぐ来た。ホテルに入っている和食のお店に十九時に集合。村山さんの名前で予約してあるそうだ。あと一時間と少しある。
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